せ‐わ【世話】
[名](スル) 1 面倒をみること。尽力すること。「病人の—」「大きなお—」「親身になって—する」 2 間に立って...
せわ‐がたき【世話敵】
歌舞伎の役柄で、世話物に登場する敵役。写実的、実感的で、かつ滑稽(こっけい)な場合も多い。
世話(せわ)がな・い
1 手数がかからない。「—・くてすむ」 2 あきれてどうしようもない。「自分の失敗に自分で怒っているのだから—・い」
世話(せわ)が焼(や)・ける
他人の手助けが必要で、手数がかかる。面倒である。「まだ幼くて—・ける」
せわ‐きょうげん【世話狂言】
世話物の歌舞伎狂言。⇔時代狂言。
せわ‐ごと【世話事】
1 歌舞伎で、世話物のこと。 2 日常的なこと。世間的な物事。「つひにしてみぬ—で、今日は大分くたびれた」〈浄・先代萩〉
せわし・い【忙しい】
[形][文]せは・し[シク] 1 用事が多くてひまがない。いそがしくて休む間もない。せわしない。「—・い日々を送る...
せわし‐な・い【忙しない】
[形][文]せはしな・し[ク]《「ない」は意味を強める接尾語》 1 「せわしい1」に同じ。「年末は何かと—・い」 ...
せわ‐じ【世話字】
俗語・口語などを表記するために用いられた当て字や新たに作られた漢字。江戸時代に多く行われた。「苦々敷(にがにがしく...
せわ‐じょうるり【世話浄瑠璃】
世話物の浄瑠璃。町人社会の風俗や人情・恋愛などを題材としたもの。⇔時代浄瑠璃。
せわ‐ずき【世話好き】
[名・形動]人のめんどうをよくみること。また、そのさまや、そういう人。「—な人」
せわ‐せわ【忙忙】
[副]せわしくて落ち着かないさま。せかせか。「—言ふより言はぬ身を恥ぢ入らせうと思うて」〈浄・冥途の飛脚〉
せわぜわ・し【忙忙し】
[形シク]《「せわせわし」とも》 1 非常にせわしい。「何か—・しうございまして、存じながら御無沙汰いたしました」...
せ‐わた【背腸】
エビの殻の下、背にある黒い線状の腸。
世話(せわ)に砕(くだ)・ける
1 時代物風に調子を張っていたせりふまわしが、急に庶民的、日常的なくだけた調子に変わる。 2 言葉や身のこなしなど...
世話(せわ)にな・る
人のやっかいになる。人の援助を受ける。「友人の—・る」
せわ‐にょうぼう【世話女房】
1 こまめに夫の面倒をみて、家庭内をうまく切りまわす妻。また、家事に苦労して所帯じみた妻。 2 歌舞伎で、世話場に...
せわ‐にん【世話人】
団体や会合などの中心となって組織・運営にたずさわり、事務上の処理をする人。世話役。
せわ‐ば【世話場】
歌舞伎で、貧困な生活の苦しみや悲哀を見せる場面。身売り・病苦・別離などの悲劇を扱った一種の愁嘆場で、写実的に演じる。
せわ‐まるまげ【世話丸髷】
歌舞伎の女方のかつらで、世話女房の役に用いる丸髷。
せわ‐もの【世話物】
浄瑠璃・歌舞伎で、主として江戸時代の町人社会に取材し、義理・人情・恋愛や種々の葛藤(かっとう)を主題としたもの。歌...
せわ‐やき【世話焼(き)】
1 好んで他人の世話をすること。また、その人。世話ずき。 2 必要以上に人の面倒をみたがること。また、その人。おせ...
せわ‐やく【世話役】
「世話人」に同じ。
せ‐わり【背割(り)】
1 魚などの背を切り開くこと。 2 男物の羽織で、背縫いの裾を縫い合わせない仕立て方。 3 柱・縁桁(えんげた)な...
せわり‐ぐそく【背割具足】
鎧(よろい)の一。胸から胴を覆うもので、引き合わせが背中にあるもの。腹巻き。
せわり‐ばおり【背割羽織】
⇒打裂羽織(ぶっさきばおり)
せわ・る
[動ラ四]むずかる。せがむ。「また—・るかいの。添寝してやりませう」〈伎・四谷怪談〉
世話(せわ)をか・く
世話をやく。「一門中が世話かくも、みな治兵衛為よかれ」〈浄・天の網島〉
世話(せわ)を掛(か)・ける
他人に面倒をかける。やっかいをかける。「在学中は先生に—・けた」
世話(せわ)を焼(や)・く
他人の世話をする。進んで他人の面倒をみる。「同窓会の—・く」
世話(せわ)を病(や)・む
他人のために世話をやき、ひどく苦労する。「—・んで病み死にの母様(かかさま)の恩をはや忘れ」〈浄・生玉心中〉