なつ【捺】
[人名用漢字] [音]ナツ(呉) [訓]おす 手で押しつける。「捺印・捺染/押捺」
なつ【夏】
四季の第二。春と秋の間で、日本では6・7・8月をいう。暦の上では立夏から立秋の前日まで(陰暦の4月から6月まで)を...
なつ【夏】
中村真一郎の連作長編小説「四季」の第2作。昭和53年(1978)刊。同年、第14回谷崎潤一郎賞受賞。 《原題、(イ...
なつ‐あかね【夏茜】
赤トンボの一種。アキアカネに似て、夏季は頭・胸部が褐色、腹部が橙色であるが、秋になると、特に雄は鮮紅色になる。6月...
なつ‐いん【捺印】
[名](スル)印判をおすこと。また、おした印影。押印。「契約書に—する」
夏(なつ)歌(うた)う者(もの)は冬(ふゆ)泣(な)く
働ける夏に働かないで歌い暮らす者は、冬になって寒さと飢えに泣く。
なつ‐うめ【夏梅】
マタタビの別名。
なつ‐おうぎ【夏扇】
紙を張った扇。ヒノキの薄板を重ねた檜扇(ひおうぎ)を冬扇というのに対していう。
なつ‐おび【夏帯】
夏に用いる帯。博多織などの単帯(ひとえおび)や麻・絽(ろ)・紗(しゃ)などの薄手の生地で作った昼夜帯などがある。《...
夏(なつ)掛(か)・く
春から夏にまたがる。「池の藤波—・けてこれも御幸を待ち顔に」〈謡・大原御幸〉
なつ‐かぐら【夏神楽】
夏祭りまたは夏越(なご)しの祓(はらえ)のときに行う神楽。《季 夏》「若禰宜(ねぎ)のすがすがしさよ—/蕪村」
なつ‐かげ【夏陰】
夏の日陰。夏の物陰の涼しい所。「—のつま屋の下に衣(きぬ)裁つ我妹(わぎも)裏設けて我がため裁たばやや大に裁て」〈...
なつかし・い【懐かしい】
[形][文]なつか・し[シク]《動詞「なつ(懐)く」の形容詞化》 1 心がひかれて離れがたい。 ㋐魅力的である。す...
なつかしいこかげよ【懐かしい木陰よ】
⇒オンブラマイフ
なつかし・む【懐かしむ】
[動マ五(四)]なつかしく思う。なつかしがる。「往時を—・む」
なつ‐かぜ【夏風邪】
夏にひく風邪。夏の風邪。
なつか‐まさいえ【長束正家】
[?〜1600]安土桃山時代の武将。丹羽長秀、のち、豊臣秀吉に仕え、財政をつかさどった。五奉行の一人。秀吉の没後、...
なつ‐かん【夏柑】
ナツミカンの別名。
なつ‐がけ【夏掛(け)】
夏の上掛け用の寝具。夏布団。《季 夏》「—や転寝(ころね)の孫のころがれる/孝作」
なつがた‐かびんせいはいえん【夏型過敏性肺炎】
夏に発症する過敏性肺炎。トリコスポロンなどの真菌を吸い込むことで起こるアレルギー性の肺炎で、秋には治まる。
なつ‐がも【夏鴨】
カルガモの別名。渡りをせず、夏でも見られるのでいう。《季 夏》
なつ‐がれ【夏枯れ】
1 植物が、夏の暑さのために生気を失うこと。 2 夏、特に商店・劇場・料亭などが、客足が減って不景気になること。《...
なつ‐き【夏季】
1 夏の季節。かき。 2 江戸時代、1年2季と定められた奉公の期限で、春の出替わりから秋の出替わりまでの半年季。明...
なつき‐しずこ【夏樹静子】
[1938〜2016]推理作家。東京の生まれ。本姓、出光(いでみつ)。旧姓、五十嵐。女性の繊細な心理描写と大胆なト...
なつ‐きょうげん【夏狂言】
江戸時代、歌舞伎で、主要俳優の土用休み中に行われた若手俳優中心の臨時の興行。また、その演目。夏芝居。土用芝居。
なつ‐ぎ【夏着】
夏に着る衣服。なつごろも。「—姿」《季 夏》
なつ‐ぎく【夏菊】
6月から7月ごろにかけて花が咲く菊の品種の総称。小輪の八重咲きが多い。《季 夏》「—に露をうったる家居かな/鬼貫」
な‐つ・く【懐く】
[動カ五(四)]《馴れ付く意。「なづく」とも》慣れ親しむ。慣れて付き従う。「人によく—・く鳥」「人見知りでなかなか...
なつ‐くいな【夏水鶏】
ヒクイナの別名。夏に渡来するのでいう。
なつ‐くさ【夏草】
夏に生い茂る草。《季 夏》「—や兵(つはもの)どもが夢の跡/芭蕉」 [補説]書名別項。→夏草
なつくさ【夏草】
日本の俳句雑誌。昭和5年(1930)、宮野小提灯らが山口青邨を主宰に迎えて盛岡で創刊。同人に斎藤夏風、黒田杏子(も...
なつくさ‐の【夏草の】
[枕] 1 夏草の生い茂る野の意から、「野」を含む地名「野島」に掛かる。「—野島が崎に舟近付きぬ」〈新拾遺・羇旅〉...
なつ‐くず【夏葛】
マメ科の多年草クズの別名。
なつくず‐の【夏葛の】
[枕]クズが伸び広がる意から、「絶えぬ」に掛かる。「—絶えぬ使ひのよどめれば」〈万・六四九〉
なつ‐ぐみ【夏茱萸/夏胡頽子】
グミ科の落葉小高木。山野に自生。葉は長楕円形で裏面が白い。春、淡黄色の筒状の花が垂れてつき、初夏には赤い実を結び、...
なつ‐ぐも【夏雲】
夏空に現れる雲。入道雲・夕立雲・雷雲など変化が多い。《季 夏》
な‐つ・ける【懐ける】
[動カ下一][文]なつ・く[カ下二]《「なづける」とも》なつくようにする。「犬ヲ—・ケル」〈和英語林集成〉 「智深...
なつ‐げ【夏毛】
1 鳥獣の夏の毛。晩春から初夏に換毛し、秋まで存続する。⇔冬毛。 2 鹿の夏の毛。夏の半ばを過ぎて黄色になり、白い...
なつこ・い【懐こい】
[形]人にすぐなれ親しみやすい。また、そのような性質である。人なつこい。なつっこい。「—・く話しかける」
なつ‐こだち【夏木立】
夏の、生い茂った木立。《季 夏》「—故郷近くなりにけり/子規」 [補説]書名別項。→夏木立
なつこだち【夏木立】
山田美妙の短編小説集。明治21年(1888)刊行。代表作「武蔵野」などを収録する。
なつ‐こむぎ【夏小麦】
ライムギの別名。
なつ‐ご【夏子/夏仔】
夏に生まれた動物の子。
なつ‐ご【夏蚕】
初夏に孵化(ふか)して飼われる蚕。飼養日数が短く、繭の量・質ともに劣る。かさん。《季 夏》「—いまねむりたらひぬ透...
なつ‐ごろも【夏衣】
[名]夏に着る衣服。夏着(なつぎ)。《季 夏》「着馴れても折目正しや—/来山」 [枕] 1 夏衣は薄く、単衣(ひと...
なつ‐さくもつ【夏作物】
夏の間に栽培・収穫される農作物。稲・大豆・ナス・トウモロコシなど。
なつ‐ざしき【夏座敷】
ふすま・障子などを取り外して風通しをよくし、調度類も涼しげに整えた夏の座敷。《季 夏》「山も庭もうごき入るるや—/芭蕉」
なつ‐しばい【夏芝居】
夏季に興行される芝居。安価で、水狂言や怪談物、喜劇などが多く上演される。《季 夏》
なつしま
日本の海洋研究開発機構が所有する海洋調査船。昭和56年(1981)、日本初の本格的な有人潜水調査船「しんかい200...
なつしま‐かいづか【夏島貝塚】
神奈川県横須賀市にある縄文時代早期の貝塚。