なに【何】
[代]不定称の指示代名詞。はっきりしない事物について問う語。また、事物・人などをぼかしてさす語。「おやつには—をあ...
名(な)に負(お)・う
名に、その実体を伴う。また、その名とともに評判される。「—・う親知らず子知らずの難所」「大伴の氏と—・へる大夫(ま...
なに‐か【何彼】
《代名詞「なに」+代名詞「か」から》種々雑多な事物をまとめていう。あれやこれや。いろいろ。「ただ大方の御しつらひ、...
なに‐か【何か】
[連語] 《代名詞「なに」+助詞「か」》 1 《「か」は副助詞》感覚・願望などの内容がはっきりしない事物をさす。「...
なにか‐しら【何かしら】
[副]《「なにかしらん」の音変化》 1 何かわからないあるものを示す。なにか。「行けば必ず—得るものがある」 2 ...
何(なに)かせ◦む
ある行為をしても結局は何の役にも立たない、という気持ちを表す。何になろうか、何にもなりはしない。「思ふ事ならでは世...
なにか‐と【何彼と】
[副]一つの物事に限定しない気持ちを表す。何やかやと。あれやこれやと。いろいろと。「暮れは—忙しい」
何(なに)かと言(い)うと
「何かと言えば」に同じ。「—昔の手柄話をもち出す」
何(なに)かと言(い)えば
何か事があると必ず同じ言動をするさま。何かと言うと。「—部下をどなりつける」
何彼(なにか)無(な)し
《「なにがなし」とも》あれこれ迷わずにあっさり物事をするさまを表す。とやかく言わずに。とにかく。「まづ話す事もある...
何(なに)か無(な)し
《「なにがなし」とも》「何か1」に同じ。「夕方になると—悲しくなる」「子供等は—に嬉しそうに床に就いた」〈藤村・新生〉
何彼(なにか)に付(つ)け
いろいろの場合に、同じ行動をしたり、同じ状態になったりするさまを表す。「—感情を顔に出す」「—て世話になった」
なにか‐は【何かは】
[連語] 1 反語の意を表す。何が…か、いやそんなことはない。「折にふれば、—あはれならざらん」〈徒然・二一〉 2...
何(なに)から何(なに)まで
何もかも。すべて。みんな。一から十まで。万事。「事情を—知っている」
なに‐が【何が】
[連語]《代名詞「なに」+格助詞「が」》 1 反語の意を表す。どうして…か、そんなことはない。「そんなに着ていて、...
なにがかのじょをそうさせたか【何が彼女をさうさせたか】
プロレタリア作家、藤森成吉による戯曲。昭和2年(1927)、雑誌「改造」に発表。同年4月、築地小劇場にて「彼女」の...
何(なに)がさて
1 何はともあれ。とにかく。何はさておき。「馬鹿気た様なことを思って見たり、—上機嫌だったのだ」〈梶井・瀬山の話〉...
なに‐がし【某/何某】
[名]数量、特に、金銭の額があまり多くないことを漠然と表す。「—かの金を寄付する」 [代] 1 不定称の指示代名詞...
なにがし‐くれがし【某某】
[代]だれそれ。なにがしそれがし。「—と数へしは頭中将の随身、その小舎人童(こどねりわらは)をなむ、しるしに言ひ侍...
なにがし‐それがし【某某】
[代]だれそれ。なにがしくれがし。「—留めて侍れば」〈狭衣・一〉
なに‐がな【何がな】
[連語]《「がな」は副助詞》願望にかなうものを探し求める気持ちを表す語。なにか。「俳人の中には—新奇を弄し少しも流...
何(なに)が何(なに)して何(なん)とやら
浪曲の節(ふし)を示すのに、それにのせていう言葉。
何(なに)がなんでも
どんなことがあっても。絶対に。「—やりぬくぞ」
名(な)に聞(き)・く
うわさに聞く。音に聞く。「まことにて—・くところ羽根ならば飛ぶがごとくに都へもがな」〈土佐〉
なに‐くそ【何糞】
[感]困難な事態に出あったときに、くじけそうな気持ちを奮いたたせるために発する語。「—負けるものか」
なに‐くれ【何くれ】
[副]あれやこれや。いろいろ。何くれとなく。「居りさえすれば、—と款待(もて)なして呉れた」〈漱石・坊っちゃん〉 ...
何(なに)くれと無(な)く
あれこれ。いろいろ。なにくれと。「常日ごろ—力になってくれる」
何(なに)食(く)わぬ顔(かお)
何も知らない、自分には関係ないという顔つき、またはそのように振る舞うようす。そしらぬ顔。「人を裏切りながら—でつき合う」
なにげ‐な・い【何気無い】
[形][文]なにげな・し[ク]はっきりした考えや意図がなくて行動するさま。また、そのように見えるさま。さりげない。...
なにげ‐なし【何気無し】
さりげないようす。なにげないこと。「喫茶店の入り口を—に見ていた」 [補説]「なにげに」という言い方については「な...
なにげ‐に【何気に】
[副]《「なにげない」の「ない」を取り、形容動詞活用語尾「に」を付けて副詞化した語》俗に、はっきりした考えや意図が...
なに‐ごこち【何心地】
1 どんな気持ち。なにごころ。「かかる繁き中に、—して過ぐし給ふらむ」〈源・蓬生〉 2 どんな病気。「—にかあらむ...
なに‐ごころ【何心】
どういう考え。どんな気持ち。なにごこち。「—ありて海の底まで深う思ひ入るらむ」〈源・若紫〉
なにごころ‐な・い【何心無い】
[形][文]なにごころな・し[ク]はっきりした考え、意図がない。なにげない。また、無心である。「万年筆で—・く二三...
なに‐ごと【何事】
1 どのような事柄。どんなこと。「—によらず命令に従う」「突然の銃声は—か」 2 (多く「も」を伴って)あらゆるこ...
何事(なにごと)も因縁(いんねん)
すべての事は前世からの因縁によって起こり、偶然ということはありえないの意。
なに‐さま【何様】
[名] 1 様づけで呼ばれるような身分の方。高貴な人。皮肉の意を込めて用いることが多い。「—でもあるまいし、それく...
名(な)にし負(お)・う
《「し」は強意の副助詞》「名に負う」に同じ。「—・う富士の高嶺」「—・はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしや...
なに‐し‐か【何しか】
[連語]《「し」は強意の副助詞、「か」は係助詞》どうして…か。なぜ…か。「あづまぢの小夜の中山なかなかに—人を思ひ...
なにしか‐も【何しかも】
[連語]「なにしか」を強めた言い方。なんでまあ…か。「たきつ瀬のはやき心を—人めつづみのせきとどむらむ」〈古今・恋三〉
なに‐しに【何為に】
[副]《代名詞「なに」+動詞「する」の連用形+格助詞「に」から》 1 なぜ。どうして。なんのために。「このうるはし...
なに‐しろ【何しろ】
[副]《代名詞「なに」+動詞「する」の命令形「しろ」から》どんな事実や事情があっても、という気持ちを表す。なんにせ...
なに・する【何為る】
[動サ変] 1 ある動作をぼかして遠回しにいうときの語。「それをうまく—・してくれ」 2 相手の動作をとがめるとき...
何(なに)するものぞ
なにができようか。たいしたことはない。「難敵—」
なに‐すれぞ【何為れぞ】
[副]どうして。なぜ。「時々の花は咲けども—母とふ花の咲き出来(でこ)ずけむ」〈万・四三二三〉
なに‐せ【何せ】
[副]《代名詞「なに」+動詞「する」の命令形「せい」から》「何しろ」に同じ。「—この風では舟を出せない」
なに‐せむ【何せむ】
[連語]反語の意を表す。何になろうか、何の役にも立たない。「恋ひ死なむ後は—生ける日のためこそ妹を見まく欲りすれ」...
何(なに)せむに
1 何のために。なぜ。「—我(わ)を召すらめや」〈万・三八八六〉 2 「何せむ」を強めた言い方。「銀(しろかね)も...
名(な)に背(そむ)・く
実体が名と一致しない。名声に反する。「日本アルプスの—・かない大景観」
なに‐ぞ【何ぞ】
[連語]「なんぞ」に同じ。「草の上におきたりける露を、かれは—、となむ男に問ひける」〈伊勢・六〉 [副]「なんぞ」...