にが【苦】
《形容詞「にがい」の語幹から》憎まれ口。いやみ。にがぐち。「必ず後悔さっしゃるなと—を放して」〈浄・矢口渡〉
に‐が【二河】
仏語。火の河と水の河。人間の瞋憎(しんぞう)を火に、貪愛(とんあい)を水にたとえたもの。
に‐がい【煮貝】
貝の身を醤油で煮しめた料理。アワビでつくったものは山梨の名産。
にが・い【苦い】
[形][文]にが・し[ク] 1 舌を刺激し、口がゆがむような嫌な味である。「餅が黒焦げになって—・い」「—・いコー...
にが‐いちご【苦苺】
バラ科の落葉低木。山野に生え、高さ30〜50センチ。枝にとげがある。葉は三つに裂けていて、裏面は粉白色。春、白い花...
にが‐いろ【苦色】
襲(かさね)の色目の名。表は濃い香色(こういろ)、裏は二藍(ふたあい)。
にが‐うり【苦瓜】
ツルレイシの別名。《季 秋》
に‐がお【似顔】
「似顔絵」の略。
にがお‐え【似顔絵】
1 ある人の顔に似せて描いた絵。 2 浮世絵で、面貌(めんぼう)・姿を似せて描いた役者絵・美人画など。
荷(に)が重(おも)・い
力量にくらべて、負担や責任が大き過ぎる。「—・い役目」
荷(に)が下(お)・りる
責任や負担が除かれる。肩の荷が下りる。「子供が一人前になって—・りる」
にが‐かしゅう【苦何首烏】
ヤマノイモ科の蔓性(つるせい)の多年草。山裾や川岸に自生。カシュウイモに似るが、むかごや塊根に苦味があり、食用にしない。
荷(に)が勝(か)・つ
荷物が重すぎる。責任や負担が重すぎる。「経験の浅い彼には—・った仕事だ」
にが‐き【苦木】
ニガキ科の落葉小高木。山野に自生し、高さ約10メートル。葉は長卵形の小葉からなる羽状複葉。雌雄異株で、夏、黄緑色の...
にが‐ぐち【苦口】
《「にがくち」とも》にがにがしい物の言い方。にくまれぐち。毒舌。「心に思はぬ—言ひしが」〈浮・禁短気・三〉
にが‐くりたけ【苦栗茸】
モエギタケ科の毒キノコ。春から秋にかけ、枯れた幹や倒木に群生。全体がクリタケに似るが、やや小さく、硫黄色を帯びる。
に‐がさ【荷嵩】
荷物がかさばること。また、荷物のかさ。
にが‐しお【苦塩】
「苦汁(にがり)」に同じ。
にが‐しお【苦潮】
赤潮(あかしお)のこと。《季 夏》
逃(に)がした魚(さかな)は大(おお)きい
手に入れそこなったものは、惜しさが加わって、実際より価値があるように思われるものである。釣り落とした魚は大きい。
にがし‐べん【逃がし弁】
機器・流路内の流体の圧力が所定以上となったとき、自動的に開いて一部を他へ逃がして減圧し、常に一定の圧力を保たせる弁。
にが・す【逃がす】
[動サ五(四)] 1 捕らえていたものを放してやる。また、逃げさせる。「つかまえた蝉(せみ)を—・す」「かくまって...
にが‐そば【苦蕎麦】
⇒韃靼蕎麦
にが‐たけ【苦竹】
マダケまたはメダケの別名。
にがた‐しきかく【二型色覚】
網膜にある3種類の錐体細胞のうち、M錐体に変異がみられるタイプの先天色覚異常の総称。二色覚と異常三色覚にみられる。
にがた‐ちょうしんせい【Ⅱ型超新星】
超新星のうち、分光学的な観測から、そのスペクトルに水素の吸収スペクトルが見られるもの。太陽質量の10倍以上の恒星が...
にがた‐とうにょうびょう【二型糖尿病】
脂肪の過剰摂取や運動不足などの生活習慣や遺伝的要因によって、インスリンの分泌低下や血糖降下作用が低下して起こる糖尿...
に‐がつ【二月】
一年の2番目の月。1月の次、3月の前。きさらぎ。《季 春》「波を追ふ波いそがしき—かな/万太郎」
にがつ‐かくめい【二月革命】
1848年2月、フランスに起こった市民革命。七月王政を倒し、第二共和制を樹立したが、まもなく内紛を生じ、ルイ=ナポ...
にが‐つち【苦土】
耕土の下層にあって耕されていない土で、有機物が少ない土。
にがつ‐どう【二月堂】
奈良東大寺にある堂。天平勝宝4年(752)良弁(ろうべん)の弟子実忠が創建。現在の堂宇は寛文9年(1669)の再建...
にがつどう‐の‐ごおう【二月堂の牛王】
東大寺二月堂から出す牛王の札。病災よけとされる。
にがつみっか‐こうえん【二月三日公園】
《Parque Tres de Febrero》アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにある公園。通称パレルモの森。市...
にが‐て【苦手】
[名・形動] 1 扱いにくく、いやな相手。なかなか勝てなくて、いやな相手。また、そのようなさま。「あいつはどうも—...
にが‐な【苦菜】
1 キク科の多年草。道端などに生え、高さ約30センチ。茎は細く、葉は細長く縁に粗いぎざぎざがあり、基部は茎を包む。...
にがにが‐し・い【苦苦しい】
[形][文]にがにが・し[シク]非常に不愉快である。「—・く思う」 [派生]にがにがしげ[形動]にがにがしさ[名]
にが‐びゃくどう【二河白道】
浄土教で、阿弥陀仏(あみだぶつ)の救いを説く比喩(ひゆ)。火の河と水の河を人の貪欲と怒りにたとえ、この間にある白い...
にが‐み【苦み/苦味】
1 苦いこと。苦い味。苦い度合い。「—の強いコーヒー」 2 不愉快な心持ち。つらい心情。「万の感情はさらりと消えて...
にが‐みず【苦水】
にがい水。転じて、にがい思い。苦汁(くじゅう)。「—を飲まされる」
にがみ‐ばし・る【苦み走る】
[動ラ五(四)]顔つきに渋みがあり、ひきしまっている。「—・った男」
にが・む【苦む】
[動マ四] 1 にがにがしく思う。にがにがしい顔つきや態度になる。「いとわびしう心地悪しうなりて、いかに仕まつらむ...
にが‐むし【苦虫】
かめば苦かろうと思われる虫。
苦虫(にがむし)を噛(か)み潰(つぶ)したよう
ひどくにがにがしい顔をするようす。不愉快そうな顔つき。
にが・める【苦める】
[動マ下一][文]にが・む[マ下二]にがにがしそうに顔をしかめる。「顔ヲ—・メル」〈和英語林集成〉
にが‐よもぎ【苦艾】
キク科の多年草。高さ約1メートル。全体はヨモギに似て、強いにおいがあり、白い毛で覆われる。葉は羽状に裂けている。夏...
に‐がら【煮殻】
煮出したあとのかす。煮出し殻。
にがり【苦汁/滷汁】
海水から食塩を析出させたあとの残液。苦みがあり、主成分は塩化マグネシウム。豆腐の凝固剤などに使用。苦塩(にがしお)...
にがり‐き・る【苦り切る】
[動ラ五(四)]きわめてにがにがしく思う。ひどく不愉快な顔つきをする。「連戦連敗で—・る」「—・った表情」
にがり‐みず【苦汁水/滷汁水】
にがりのこと。また、にがりに水を加えたもの。
にがり‐わら・う【苦り笑ふ】
[動ハ四]「にがわらう」に同じ。「判官—・うて」〈盛衰記・三四〉