ひとり‐てんか【一人天下】
《「ひとりでんか」とも》抑える人がだれもいなくて、自分ひとりで思うままに振る舞うこと。「姉達が家を出て末っ子の—だ」
ひとりであるいていったねこ【一人で歩いていった猫】
大原まり子の短編SF小説。大学在学中に第6回ハヤカワSFコンテストに応募し佳作入選した、著者のデビュー作。
ひとりで‐に
[副]他からの力は加わっていないはずなのに、自然に。おのずから。「戸が—開いた」
ひとり‐ね【独り寝】
相手がいなくてひとりだけで寝ること。
ひとりのおんなに【ひとりの女に】
黒田三郎の詩集。昭和29年(1954)刊行。翌年、第5回H氏賞受賞。愛する女性(後の黒田の妻)に宛てた恋愛詩。
ひとり‐のみこみ【独り呑み込み】
「独り合点」に同じ。
ひとり‐の‐わらわ【火取りの童】
五節(ごせち)の舞姫が参入するときに、火取り1を持って先に立つ童女。
ひとり‐ばみ【一人食み】
1 一人だけで食うこと。〈新撰字鏡〉 2 他の助けを借りずに、一人で事をすること。転じて、独立して生計を立てること...
ひとり‐ばら【一人腹】
ひとりで腹を立てること。「相手知れずの—」〈浄・鑓の権三〉
ひとり‐ひとり【一人一人】
《「ひとりびとり」とも》 1 多くの中のそれぞれの人。めいめい。各人。副詞的にも用いる。「—の自覚が大切だ」「—診...
ひとりびより【ひとり日和】
青山七恵の小説。20歳の女性と71歳の女性の共同生活を描く。平成18年(2006)発表。同年、第136回芥川賞受賞。
ひとり‐ぶし【独り臥し】
「独り寝」に同じ。「いと心苦しければ、—がちにて過ぐし給ふ」〈源・明石〉
ひとり‐ぶたい【独り舞台】
1 舞台で、ただ一人の役者が演じること。独演。 2 芝居の中で、一人の役者の演技が際立っていること。 3 他の者の...
ひとりべつわく‐ほうしき【一人別枠方式】
衆議院議員総選挙の小選挙区の区割りの基準。単純に人口に比例して定数を配分するのではなく、各都道府県にまず1議席ずつ...
ひとり‐ぼっち【独りぼっち】
《「ひとりぼうし」の音変化。「ひとりぽっち」とも》仲間や頼る人などがいなくて、ただひとりであること。「—で置き去り...
ひとりぼっちのどうぶつえん【ひとりぼっちの動物園】
灰谷健次郎による児童文学作品、また同作を表題作とする短編小説集。小説集は昭和53年(1978)の刊行で、挿絵は長新...
ひとり‐まえ【一人前】
「いちにんまえ」に同じ。
ひとり‐まけ【一人負け/独り負け】
数人の中で一人だけが負けること。「シェアを獲得できず業界内で—となる」⇔一人勝ち。
ひとり‐まなび【独り学び】
指導者なしに、自分だけで学問や技芸を勉強すること。独学。独習。また、そのための書物。独習書。
ひとり‐み【独り身】
1 結婚していないこと。また、その人。どくしん。「—を守る」 2 生活を共にする人のいないこと。ただひとりで生活を...
ひとり‐むし【火取り虫/䗳】
夏の夜、灯火に集まってくる虫。ヒトリガの類。灯蛾(とうが)。《季 夏》「—羽音重きは落ちやすし/楸邨」
ひとり‐むしゃ【一人武者】
ぬきんでて強い武者。「その時、—、かの塚に向かひ」〈謡・土蜘蛛〉
ひとり‐むすこ【一人息子】
兄弟・姉妹のない息子。または、姉妹はあっても兄弟のない息子。
ひとり‐むすめ【一人娘】
兄弟・姉妹のない娘。または、兄弟はあっても姉妹のない娘。
ひとり‐もの【独り者】
1 結婚していない人。独身者。 2 ひとりで生活している人。
ひとりもの‐の‐ひ【独り者の日】
⇒光棍節(こうこんせつ)
ひとり‐やおちょう【一人八百長】
相手の事情に同情して、全力を出さず勝ちを譲ること。片八百長。→人情相撲
ひとり‐よがり【独り善がり】
[名・形動]他人の意見を無視して、自分だけでよいと思い込んでいること。また、そのさま。どくぜん。「—な(の)言動」
ひとり‐れんが【独り連歌】
発句から挙句まで一人で詠む連歌。独吟の連歌。
ひとり‐わらい【独り笑い】
[名](スル) 1 相手がいないのに、思い出したり想像したりしてひとりで笑うこと。「驚いた顔が目に浮かんで—する」...
独(ひと)りを慎(つつし)む
⇒君子(くんし)は独りを慎む
ひと‐わき【人別き】
人によって差別をすること。「—しけると思ふに、いとねたし」〈源・末摘花〉
ひと‐わたり【一渡り/一渉り】
1 一度全体にわたって、簡単に行うこと。副詞的にも用いる。ひととおり。「—は説明した」「会場を—見渡す」 2 一度...
ひと‐わらえ【人笑へ】
[名・形動ナリ]「人笑わせ」に同じ。「—にやあらむと、さまざまに思ひみだれて」〈和泉式部日記〉
ひと‐わらわれ【人笑はれ】
[名・形動ナリ]人に笑いものにされ、あなどられること。また、そのさま。「まだ世に赦(ゆる)されもなくては、—なる事...
ひと‐わらわせ【人笑わせ】
[名・形動]人を笑わせること。また、そのさまや、そのような愚かしい言動。「—な言いぐさ」
ひと‐わる【人悪】
[名・形動]性質の悪いこと。たちの悪いこと。また、そのさまや、そのような人。「—な嬢様(じょうさん)の」〈緑雨・門...
ひと‐わる・い【人悪い】
[形][文]ひとわる・し[ク]性質がひねくれている。意地悪い。人が悪い。「もっと—・く観察する時には」〈佐藤春夫・...
人(ひと)我(われ)に辛(つら)ければ我(われ)また人(ひと)に辛(つら)し
相手が自分に対してむごくすれば、自分も相手にむごくする。
ひと‐わろ・し【人悪し】
[形ク]体裁が悪い。みっともない。「さまざまに—・き事どもを愁(うれ)へあへるを聞き給ふも」〈源・末摘花〉
人(ひと)を愛(あい)し人(ひと)を利(り)する者(もの)は天(てん)必(かなら)ず之(これ)に福(さいわい)す
《「墨子」法儀から》人を愛し、人のためになるようなことをする者は、天が必ず幸福を与える。
人(ひと)を射(い)んとせばまず馬(うま)を射(い)よ
《杜甫「前出塞」から》敵を屈服させ、また人を意に従わせようとするには、周辺から攻め落とすのが早道である。将(しょう...
人(ひと)を怨(うら)むより身(み)を怨(うら)め
《「淮南子(えなんじ)」繆称訓から》相手の仕打ちをうらむよりも、自分の至らなかった点を反省せよ。
人(ひと)を思(おも)うは身(み)を思(おも)う
他人に情けをかければ、やがて報いられて自分のためになる。情けは人のためならず。
人(ひと)を食(く)・う
人を人とも思わない、ずうずうしい態度や言動をする。「何とも—・った話だ」
人(ひと)を立(た)・てる
1 人を使者や代理としてさし向ける。人を派遣する。「神社へ—・てて祈願する」 2 交渉で、相手との間に代理人や仲介...
人(ひと)を使(つか)うは苦(く)を使(つか)う
人を使えば楽なようであるが、何かと苦労が多いものである。
人(ひと)をつけに◦する
人をばかにする。人をだしに使う。「何の、—◦する」〈総生寛・西洋道中膝栗毛〉
人(ひと)を呪(のろ)わば穴(あな)二(ふた)つ
他人を呪って殺そうとすれば、自分もその報いで殺されることになるので、墓穴が二つ必要になる。人を陥れようとすれば自分...
人(ひと)を人(ひと)とも思(おも)わ◦ない
他人を一人前の人間として扱わない。「—◦ない思い上がった態度」