むし【虫】
1 人類・獣類・鳥類・魚貝類以外の小動物の総称。特に、昆虫をいう。 2 美しい声で鳴く昆虫。スズムシ・マツムシなど...
むし【帔】
「枲(むし)の垂れ衣(ぎぬ)」の略。「いと苦しげにて、御—押しやりて」〈大鏡・兼通〉
むし【苧/枲麻】
植物カラムシのこと。「七夕に今日やかすらむ野辺ごとに乱れ織るなる—の衣も」〈右京大夫集〉
むし【蒸(し)】
1 蒸すこと。蒸したもの。「茶碗—」「酒(さか)—」 2 味噌(みそ)をいう女房詞。おむし。
む‐し【無死】
野球で、その回にまだアウトカウントが記録されていないこと。ノーダウン。ノーアウト。「—満塁」
む‐し【無私】
[名・形動]私的な感情にとらわれたり、利害の計算をしたりしないこと。私心がないこと。また。そのさま。「—な(の)態...
む‐し【無始】
万象は因縁で成り立っていて、因をいくらさかのぼっても果てしがなく、始めがないこと。転じて、無限に遠い過去。大昔。「...
む‐し【無視】
[名](スル)存在価値を認めないこと。また、あるものをないがごとくみなすこと。「人の気持ちを—する」「信号—」
む‐し【夢死】
夢のようにはかなく一生を終わること。むなしく死んでいくこと。「酔生—」
む‐し【務歯】
ファスナーで、布テープなどに縫いつけられた歯。スライダーが上下することで、互いにかみ合ったり離れたりする部分。エレ...
むし‐あお【虫襖】
襲(かさね)の色目の名。表は青黒、裏は二藍(ふたあい)または薄色。
むし‐あつ・い【蒸(し)暑い】
[形][文]むしあつ・し[ク]風がなくて湿気が多く、むされるように暑い。「—・くて寝苦しい」《季 夏》
むし‐あわせ【虫合(わ)せ】
1 物合わせの一。いろいろの虫を持ち寄って、その鳴き声や姿の優劣を競う遊び。虫尽くし。《季 秋》 2 歌合わせの一...
むし‐いい【蒸し飯】
もち米を蒸したもの。こわめし。〈易林本節用集〉
むし‐いり【虫入り】
虫が冬眠のために地中に入ること。また、そのころに鳴る雷。
むし‐うり【虫売り】
夏から秋のころ、ホタルやスズムシなどの虫を売ること。また、それを業とする人。《季 秋》「—の荷が映り居り潦(にはた...
むし‐えらび【虫選び】
嵯峨野などへ行き、虫合わせのための虫をとって宮中へ奉ったこと。
むし‐おくり【虫送り】
農作物、特に稲の害虫を追い払う呪術(じゅじゅつ)行事。たいまつをともしたり、実盛(さねもり)とよぶわら人形を担いだ...
むし‐おさえ【虫押(さ)え】
1 子供の虫気(むしけ)の予防や治療をすること。また、その薬。 2 空腹の一時しのぎに少し物を食べること。また、そ...
むし‐かえし【蒸(し)返し】
《「むしがえし」とも》蒸し返すこと。また、蒸し返したもの。「—の飯」「古い話の—をするな」
むし‐かえ・す【蒸(し)返す】
[動サ五(四)] 1 一度蒸したものを再び蒸す。「赤飯を—・す」 2 一度解決した事柄を再度問題にする。「議論を—・す」
むし‐かがり【虫篝】
夏、田畑の害虫を誘い寄せて焼き殺すためのかがり火。《季 夏》「虫焦げし火花美し—/虚子」
む‐しかく【無資格】
[名・形動]資格をもたないこと。また、そのさま。「—な(の)人」
むし‐かご【虫籠】
スズムシやホタルなどの虫を飼っておく小さなかご。むしこ。《季 秋》「—に酒吹きたかり誕生日/桂郎」
むしかり
レンプクソウ科の落葉小高木。山地に生え、葉は大形の円形で先がとがる。4、5月ごろ、白い小花が集まって咲き、周辺に装...
虫(むし)がい・い
自分の都合ばかり考えて他を顧みない。身がってである。「—・い考え」
虫(むし)が起(お)こ・る
1 子供が腹痛を起こしたり神経質になって泣いたりする。 2 欲望が生じる。「浮気の—・る」
虫(むし)が納(おさ)ま・る
腹立ちが直る。平静な気分にもどる。「少々のわびでは—・らない」
虫(むし)が齧(かぶ)・る
腹痛が起こる。また、産気づいて陣痛が起こる。「枕も上がらぬほど虫でもかぶるか」〈浄・川中島〉
虫(むし)が嫌(きら)・う
「虫が好かない」に同じ。「東京へ出すのは、何故か—・うかして」〈鏡花・婦系図〉
むし‐がし【蒸(し)菓子】
蒸して作った和菓子。まんじゅう・蒸しようかんの類。
虫(むし)が知(し)ら・せる
前もって心に感じる。予感がする。「—・せたのか事故機に乗らずに済んだ」
虫(むし)が好(す)か◦ない
なんとなく気にくわない。「あの客はどうも—◦ない」
虫(むし)が付(つ)・く
1 衣類・書画などに害虫がつく。 2 未婚の女性に愛人ができる。「大事な娘に—・く」
むし‐がま【蒸(し)釜】
物を蒸すのに使用する釜。
むし‐がれい【虫鰈】
カレイ科の海水魚。沿岸の砂泥底にすむ。全長約40センチ。体は卵円形。有眼側は暗褐色で、黒褐色の輪状紋が虫食い状に散...
むし‐がれい【蒸し鰈】
カレイを塩水に浸し、蒸してから陰干しにしたもの。あぶって食べる。《季 春》「若狭(わかさ)には仏多くて—/澄雄」
むし‐き【蒸(し)器】
食べ物を蒸すための道具。蒸籠(せいろう)・御飯蒸しや蒸し鍋など。
む‐しき【無識】
見識や知識のないこと。「肴の切身の値段になると…全く—であった」〈漱石・門〉
むしき‐かい【無色界】
仏語。三界の一。色界の上にあり、肉体・物質から離脱して、心の働きである受・想・行・識の四蘊(しうん)だけからなる世...
むし‐きき【虫聞き】
秋の夜、野山に出て松虫などの鳴き声を楽しむこと。平安時代に始まるという。《季 秋》
むし‐くい【虫食い/虫喰い】
1 虫が食うこと。また、そのあと。「—の古本」「—の葉」 2 陶磁器の縁に表れた釉(うわぐすり)の小さな剝落(はく...
むしくい‐ざん【虫食い算】
計算式の一部を空白にしておいて、その部分に数字を補って計算式を完成させる問題。
むし‐く・う【虫食う】
[動ワ五(ハ四)]「むしばむ」に同じ。「阿娑縛抄(あさばしょう)の三十巻ばかり—・い余せるを尋ね出し」〈露伴・新浦島〉
むし‐くだし【虫下し】
内服して、回虫などの寄生虫を体外へ出す薬。駆虫薬。駆虫剤。
むし‐くよう【虫供養】
10月10日ごろに、農作のために殺した虫の霊を慰めるための供養。
むしくり‐あつ・し【蒸しくり暑し】
[形ク]蒸し暑い。「はや夜中、—・う寝にくやと」〈浄・薩摩歌〉
むし‐ぐすり【虫薬】
1 小児の腹痛・ひきつけを治す薬。むしおさえ。 2 腹痛止めの薬。
むし‐ぐすり【蒸(し)薬】
患部を蒸し温める薬。
むし‐け【虫気】
1 子供が寄生虫などによって腹痛・ひきつけ・かんしゃくなどを起こすこと。 2 痛みを伴う腹の病気。腹の中にすむ三尸...