かえり【返り/反り】
[名] 1 ひっくりかえること。 2 返り点。 3 手紙に対する返事。また、返歌。かえし。「御—も聞こえさせねば」...
かえり【帰り/還り】
《「返り」と同語源》帰ること。出発点の方へ戻ること。また、その時や、その道筋。「—を待つ」「—が遅くなる」「—は船...
かえり‐あそび【還り遊び】
「還(かえ)り立ち1」に同じ。「祭の日の—御前にてあるに」〈栄花・さまざまの喜び〉
かえり‐あるじ【還り饗】
1 平安時代、賭弓(のりゆみ)・相撲(すまい)の節会(せちえ)などのあとで、勝ったほうの近衛大将が自分の邸に戻って...
かえり‐い・ず【帰り出づ】
[動ダ下二] 1 もといた所にもどって姿を見せる。「内侍のもとに—・でて」〈竹取〉 2 もといた所へかえるために、...
かえり‐うち【返り討ち】
1 かたきを討とうとして、逆に相手に討たれること。転じて、相手に仕返しをしようとして、逆にやられること。「—にあう...
かえり‐がけ【帰り掛け】
1 帰る途中。帰り道。「—に立ち寄る」 2 帰りぎわ。「—に客が来る」
かえり‐ぎわ【帰り際】
帰ろうとしている時。帰りがけ。「—にそっと耳うちする」
かえり‐ぐま【返り隈/返り暈】
日本画で、彩色した上を白色や明るい色調の顔料などで隈取ること。逆隈(さかぐま)。
かえり‐ぐるま【帰り車】
目的地まで客を送った帰りで、人を乗せていない人力車やタクシー。
かえり‐ごと【返り言/返り事】
《「かえりこと」とも》 1 使者が帰って報告すること。また、その言葉。「三年(みとせ)に至るまで—申さざりき」〈記...
かえり‐ごえ【返り声】
雅楽や声明(しょうみょう)で、呂(りょ)から律へ、または律から呂へと調子を転じること。また、その声。
かえり‐ご・つ【返りごつ】
[動タ四]《「返(かえ)り事(ごと)」の動詞化》返事をする。「情なからずうち—・ち給ひて、御心には深う染(し)まざ...
かえり‐ざき【返り咲き】
1 春の花が小春日和に誘われて、時節でもないのにまた咲くこと。狂い咲き。二度咲き。《季 冬》 2 一度失った地位に...
かえり‐ざ・く【返り咲く】
[動カ五(四)] 1 春の花が小春日和の暖かさに、時節でないのに再び咲く。狂い咲く。「八重桜が—・く」《季 冬》 ...
かえり‐しな【帰りしな】
1 帰りぎわ。「—に用ができる」 2 帰る途中。帰り道。「—に一杯やる」
かえり‐しょうがつ【返り正月】
正月15日のこと。小正月。もどり正月。
かえり‐しょにち【返り初日】
芝居などで、興行中にいったん休んだあと、同じ演目で再び開演する最初の日。
かえり‐しんざん【帰り新参】
一度勤めを去った者が、再び同じ所に勤めること。また、その人。
かえり‐じ【返り字】
漢文を訓読する際、文字の順序とは逆に、下の字を読んだあとで、読む字。その漢字の左下に返り点をつけて示す。返し字。 ...
かえり‐じたく【帰り支度】
帰るために衣服や持ち物を整えること。帰る用意。
かえり‐だち【還り立ち】
1 賀茂・石清水(いわしみず)両社の臨時祭や春日祭などが終了したのち、勅使や舞人・楽人たちが宮中へ戻って神楽を演じ...
かえり‐ち【返り血】
1 相手を切ったり刺したりしたときに、はねかかってくる血。「—を浴びる」 2 (比喩的に)ある行動を起こした反動と...
かえり‐ち【返り値】
《return value》⇒戻り値
かえり‐ちゅう【返り忠】
主君に背いて敵方に通じること。裏切り。また、いったん背いた者が、再び忠義を尽くすこと。「—を、真の忠誠だと看ること...
かえり‐つ・く【帰り着く】
[動カ五(四)]出発したもとの所に戻る。「やっとわが家に—・く」
かえり‐づゆ【返り梅雨】
「戻り梅雨」に同じ。《季 夏》
かえり‐て【却りて】
[副]反対に。逆に。かえって。「いかにいとほしげならむと侮りしを、—心恥づかしきまでなむ見ゆる」〈源・玉鬘〉
かえり‐てん【返り点】
漢文の訓読で、返り読みの順序を示すために施される符号。漢字の左下に小さく記入するもので、「レ、一・二・三、上・中・...
かえり‐てんじょう【還り殿上】
1 「還昇(かんじょう)」に同じ。「—して五位の蔵人になりて」〈承応版狭衣・一〉 2 上皇が再び皇位につくこと。重...
かえり‐な・る【還り為る】
[動ラ四]解任された人が、再び元の官に就く。「関白二条殿良実、この三年ばかりまた—・り給へば」〈増鏡・北野の雪〉
かえりなんいざ【帰りなん、いざ】
志水辰夫の長編小説。平成2年(1990)刊行。
帰(かえ)りなんいざ
《陶淵明「帰去来辞」の「帰りなんいざ、田園将(まさ)に蕪(あ)れんとす、胡(なん)ぞ帰らざる」の一節》さあ、帰って...
かえり‐にゅうまく【返り入幕】
相撲で、十両に落ちた力士が、再び幕内に入ること。
かえり‐ばな【返り花/帰り花】
1 返り咲きをした花。二度咲きの花。狂い花。《季 冬》「凩(こがらし)に匂ひやつけし—/芭蕉」 2 身請けされた遊...
かえり‐ぶみ【返り文/返り書】
返事の手紙。返書(へんしょ)。
かえり‐まか・る【帰り罷る】
[動ラ四] 1 《「まかる」は、任命されて都から地方へ行く意》都から地方の任地などへ帰る。「我(あ)が待つ君が事終...
かえり‐み【顧み】
1 振り返って見ること。「万度(よろづたび)—しつつはろはろに別れし来れば」〈万・四四〇八〉 2 過去を振り返るこ...
かえり‐みち【帰り道/帰り路】
帰る途中の道。帰路。
顧(かえり)みて他(た)を言(い)う
《「孟子」梁恵王下から》答えに窮して、あたりを見回して本題とは別のことを言ってごまかす。
かえりみられない‐ねったいびょう【顧みられない熱帯病】
熱帯地域の貧困層を中心に蔓延している、寄生虫や細菌・ウイルスによる感染症。世界保健機関(WHO)がシャーガス病・リ...
かえり・みる【省みる】
[動マ上一][文][マ上一]《「顧みる」と同語源》自分のしたことを、もう一度考えてみる。反省する。「わが身を—・み...
かえり・みる【顧みる】
[動マ上一][文][マ上一] 1 過ぎ去った事を思い起こす。回顧する。「半生を—・みる」 2 心にとどめ考える。気...
かえり‐もうし【返り申し】
1 使者が帰ってきて返事や報告をすること。また、その内容。復命。「長奉送使(ちゃうぶそうし)にてまかり下りて、—の...
かえりやま‐のりまさ【帰山教正】
[1893〜1964]映画監督。東京の生まれ。日本映画の近代化を求める「純映画劇運動」を展開。日本映画初の女優の起...
かえり‐よみ【返り読み】
漢文を訓読するとき、下にある客語・補語を先に、述語をそのあとで読むこと。反読。
かえり‐わた・る【帰り渡る】
[動ラ四]帰って行く。また、帰って来る。「夜明け果てぬれば、御かたがた—・り給ひぬ」〈源・初音〉