つき‐の‐いきな【調伊企儺】
[?〜562]古代の武将。百済からの渡来人の子孫。欽明天皇の時、新羅(しらぎ)との戦いで捕らえられ、新羅王をののし...
つき‐の‐いでしお【月の出潮】
月が出るとともに満ちてくる潮。つきのでしお。「和歌の浦に—のさすままに夜なく鶴の声ぞかなしき」〈新古今・雑上〉
つき‐の‐いり【月の入り】
月が西に沈むこと。また、その時刻。⇔月の出。
つき‐の‐いろびと【月の色人】
月の美しいのを美人にたとえていう語。「その名も—は、三五夜中の空にまた満願真如の影となり」〈謡・羽衣〉
つきのうたげ【月の宴】
佐多稲子の随筆。また、同作を表題作とする随筆集。昭和60年(1985)刊。同年、第37回読売文学賞受賞。
つき‐の‐えん【月の宴】
月を眺めながら催す宴。観月の宴。「内裏の御所に、今宵は—あるべかりつるを」〈源・鈴虫〉
つき‐の‐おうぎ【月の扇】
⇒抱え扇
つきのおちば【槻の落葉】
江戸後期の歌文集。9巻4冊。荒木田久老(ひさおゆ)著。寛政年間(1789〜1801)の成立。和歌・随筆などを収録。
つき‐の‐かお【月の顔】
月のおもて。月の表面。また、月の光。月影。「見上げ給へれば、人もなく、—のみきらきらとして」〈源・明石〉
つき‐の‐かがみ【月の鏡】
1 晴れわたった空にかかる満月。形を鏡と見立てた語。《季 秋》 2 月を映した池の水面を鏡にたとえた語。「久方の—...
つき‐の‐かつら【月の桂】
古代中国の伝説で、月の中に生えているというカツラの木。月桂(げっけい)。
月(つき)の桂(かつら)を折(お)る
《「晋書」郤詵(げきしん)伝の「桂林の一枝」の故事が、のちに月の桂の伝説と結びついたもの》官吏登用試験に合格する。...
つき‐の‐き【槻の木】
ケヤキの古名。〈和名抄〉
つき‐の‐きゃく【月の客】
月見をしている人。月見客。《季 秋》「岩鼻やここにもひとり—/去来」
つき‐の‐くらい【月の位】
江戸時代の上方で、下級女郎の称。月(がち)。
つき‐の・ける【突き除ける/突き退ける】
[動カ下一][文]つきの・く[カ下二]突いて、わきに押しやる。手荒く押しのける。「人を—・けて進む」
つき‐の‐ころ【月の頃】
月が出ているころ。月の眺めのよいころ。特に、満月の前後数日の間。「夏は夜。—はさらなり」〈枕・一〉
つき‐の‐さかずき【月の杯】
杯を月にたとえていう語。美しい杯。「—さす袖も雪をめぐらす袂(たもと)かな」〈謡・紅葉狩〉
つき‐の‐さわり【月の障り】
1 月経。メンス。月のもの。 2 月の光をさえぎるもの。「女松にておはすらん、—になるほどに」〈咄・露がはなし・二〉
つき‐の‐ざ【月の座】
⇒月の定座(じょうざ)
つき‐の‐しずく【月の雫】
1 露の異称。 2 ブドウの実を、一粒ずつ白砂糖の衣でくるんだ菓子。山梨県甲府市の銘菓。
つき‐の‐しま【月の島】
《Isla de la Luna》チチカカ湖にある島。ボリビア領。段々畑が広がり、インカ帝国時代の石積みの遺跡が点...
つき‐の‐しも【月の霜】
月光がさえ渡り地上を白く照らすのを、霜にたとえた語。「こよひかく眺むる袖の露けきは—をや秋と見つらむ」〈後撰・夏〉
つき‐の‐じょうざ【月の定座】
連歌・連句で、一巻(ひとまき)のうち、月の句を詠みこむ箇所。歌仙では、初表(しょおもて)の5句目、初裏の8句目、名...
つき‐じんじゃ【調神社】
さいたま市浦和区にある神社。旧県社。祭神は天照大神(あまてらすおおみかみ)、豊宇気毘売神(とようけびめのかみ)、素...
つきのせかい【月の世界】
《原題、(イタリア)Il mondo della luna》ハイドンのイタリア語によるオペラ。全3幕。1777年に...
つき‐の‐たに【月の谷】
《Valle de la Luna》 ボリビア西部の都市ラパスの郊外にある景勝地。ラパス市街中心部の南東約10キロ...
つき‐の‐つるぎ【月の剣】
三日月のこと。《季 秋》
つき‐の‐で【月の出】
月が東から出ること。また、その時刻。⇔月の入り。 [補説]作品名別項。→月の出
つきので【月の出】
《原題The Rising of the Moon》グレゴリー夫人の戯曲。1907初演。
つきのでるまち【月の出る町】
春山行夫の第1詩集。大正13年(1924)刊行。
つき‐の‐なごり【月の名残】
《秋の月の最後の意》陰暦九月十三夜の月のこと。後(のち)の月。《季 秋》「橋桁のしのぶは—かな/芭蕉」
つき‐の‐ねずみ【月の鼠】
《象に追われた人が木の根を伝わって井戸に隠れたところ、井戸の周囲には4匹の毒蛇がいてかみつこうとし、また、木の根を...
つき‐の‐はやし【月の林】
公卿(くぎょう)の仲間。月卿(げっけい)。「昔わが折りし桂のかひもなし—の召しに入らねば」〈拾遺・雑上〉
つきのひかり【月の光】
《原題、(フランス)Clair de lune》ドビュッシーのピアノ曲。変ニ長調。ピアノ曲集「ベルガマスク組曲」の...
つき‐の‐ふね【月の船】
月を、大空を渡る船にたとえていう語。月の御船(みふね)。「—さし出づるより空の海星の林ははれにけらしも」〈新後拾遺...
月(つき)の前(まえ)の灯火(ともしび)
りっぱなものと比較されて引き立たないことのたとえ。
つき‐のみ【突き鑿】
のみの一種。柄の長さ30センチくらいで、槌(つち)を用いずに突くようにして穴をあけるもの。刺鑿(さすのみ)。
つきのみちかけ【月の満ち欠け】
佐藤正午の長編小説。生まれ変わりを繰り返す一人の女性をめぐる物語。平成29年(2017)刊行。同年、第157回直木...
つき‐の‐みや【月の宮】
月の中にあるという宮殿。月宮(げっきゅう)。「—うはの空なるかたみにて思ひもいでば心かよはむ」〈新古今・恋四〉
つき‐の‐みやこ【月の都】
1 月の中にあるといわれる宮殿。月宮殿。また、月世界。「おのが身はこの国の人にもあらず、—の人なり」〈竹取〉 2 ...
つき‐の‐むらど【月のむら戸】
月の光がもれてさし込む戸。「—を押し開けて内に入らせ給ひけり」〈謡・田村〉
つき‐の‐もぎすな【月の模擬砂】
月のレゴリスを模して作成した砂。地球上の玄武岩などを、大きさ数十マイクロメートル程度に細かく砕いてつくる。月面で使...
つき‐の‐もの【月の物】
月経。メンス。月の障り。
つきのゆくえ【月の行方】
江戸中期の歴史物語。2巻3冊。荒木田麗女作。明和8年(1771)成立。高倉・安徳天皇時代の史話を雅文体で記す。
つき‐の‐わ【月の輪】
1 月。特に、満月。げつりん。 2 満月にかたどった丸い形。また、その形のもの。わら製の釜敷(かましき)、袈裟(け...
つきのわ【月輪】
京都市東山区の地名。東福寺・泉涌寺がある。
つき‐の‐ワカ【月のワカ】
《Huaca de la Luna》ペルー西部の都市トルヒーリョの南郊にある古代遺跡。紀元前100年頃から紀元後6...
つきのわ‐かんぱく【月輪関白】
《京都東山の月輪に山荘を営んだところから》九条兼実(くじょうかねざね)の異称。
つきのわ‐ぐま【月輪熊】
クマ科の哺乳類。体毛は黒く、胸の上部に三日月形の白斑がある。ヒマラヤ地方から中国・朝鮮半島・日本にかけて分布。ニホ...