くも‐の‐あし【雲の脚/雲の足】
雲の動くさま。雲脚。「急がんと、また立ち出づる—」〈浄・曽根崎〉
くも‐の‐い【蜘蛛の網】
クモの巣。クモの糸。《季 夏》「—や朝日射しきて大輪に/汀女」
くも‐の‐いと【蜘蛛の糸】
クモの出す糸。出糸腺から出る粘液が大気に触れて糸状となったもの。測量用望遠鏡の十字線などに利用される。《季 夏》 ...
くものいと【蜘蛛の糸】
歌舞伎舞踊。常磐津(ときわず)。本名題「蜘蛛糸梓弦(くものいとあずさのゆみはり)」。金井三笑作詞、初世佐々木市蔵作...
くも‐の‐うえ【雲の上】
1 雲のある高い空。天上。 2 宮中。禁中。 3 手のとどかない所。
くものうえ‐びと【雲の上人】
1 宮中の人。皇族。 2 殿上人。雲客。うんじょうびと。「いとどしく虫の音しげき浅茅生(あさぢふ)に露おきそふる—...
くも‐の‐うきなみ【雲の浮き波】
波立っているように見える雲。「風向かふ—立つと見て」〈謡・羽衣〉
くも‐の‐うら【雲の裏】
雲の裏のほう。人の目につかない所のたとえ。「禅師の大徳、—、海の外にも聞こえて」〈読・雨月・青頭巾〉
くも‐の‐おうぎ【雲の扇】
能の型の一。左手を前方に出して、開いた扇を右手に持ってその上に重ね、扇を斜め上方に、左手を斜め下方に引き分けるもの...
くも‐の‐かけはし【雲の梯】
1 雲がたなびくさまを、かけはしに見立てた語。「天の川—いかにしてふみ見るばかり渡し続けむ」〈落窪・一〉 2 深い...
くも‐の‐かよいじ【雲の通ひ路】
雲の行き通う道。天上に行き来できる道筋。「天つ風—吹きとぢよ乙女の姿しばしとどめむ」〈古今・雑上〉
くも‐の‐ころも【雲の衣】
雲を天人の衣服に見立てた語。くものきぬ。「天の川霧立ちのぼる織女(たなばた)の—の返る袖かも」〈万・二〇六三〉
蜘蛛(くも)の子(こ)を散(ち)ら・す
《蜘蛛の子の入っている袋を破ると、蜘蛛の子が四方八方に散るところから》大勢のものが散りぢりになって逃げていくことの...
くも‐の‐す【蜘蛛の巣】
クモのかけた網。くものあみ。《季 夏》
くものす‐かび【蜘蛛の巣黴】
接合菌類ケカビ科のカビ。菌糸がクモの巣状に伸び、数本の柄が立って黒色または褐色の胞子嚢(ほうしのう)をつける。食品...
くものす‐グラフ【蜘蛛の巣グラフ】
《web graph》⇒レーダーチャート
くものす‐ごこう【蜘蛛の巣後光】
《形がクモの巣や仏の後光に似ているところから》くじの一。クモの巣形に書いた線の先に金額などを書き、これを隠して引か...
くものす‐しだ【蜘蛛の巣羊歯】
チャセンシダ科の常緑、多年生のシダ。主に石灰岩地帯に生える。葉は単葉で、長さ5〜20センチ、その先が伸び、地に着い...
くものすじょう【蜘蛛巣城】
黒沢明監督・脚本による映画の題名。昭和32年(1957)公開。シェークスピアの戯曲「マクベス」を、戦国時代を舞台と...
くものす‐チャート【蜘蛛の巣チャート】
《web chart》⇒レーダーチャート
くものなかのにじ【雲の中のにじ】
庄野英二による長編の児童文学作品。昭和40年(1965)刊。挿絵は寺島竜一。翌昭和41年(1966)、第4回NHK...
くも‐の‐なみ【雲の波】
1 重なっている雲を波にたとえていう語。「天(あめ)の海に—立ち月の舟星の林に漕ぎ隠る見ゆ」〈万・一〇六八〉 2 ...
くも‐の‐はたて【雲の果たて】
《「くものはだて」とも》 1 雲の果て。空の果て。「都をば天つ空とも聞かざりき何眺むらむ—を」〈新古今・羇旅〉 2...
くものはたて【雲の涯】
田中千禾夫の戯曲。昭和22年(1947)文芸座が初演。日本初の実存主義演劇として評価される。
くも‐の‐はやし【雲の林】
[連語]群がっている雲を林に見立てていう語。「風わたる—の山桜花の所ぞ雪と降りぬる」〈続千載・春下〉 京都市北区紫...
くも‐の‐ふるまい【蜘蛛の振る舞ひ】
クモが巣をかけるさま。恋人が来る前兆であるという俗信があった。くもの行い。「わが背子が来べき宵なりささがにの—かね...
くものぼひょう【雲の墓標】
阿川弘之の長編小説。昭和31年(1956)刊。太平洋戦争末期、特攻隊員として命を落とした海軍予備学生たちの苦悩を描く。
くも‐の‐みね【雲の峰】
夏、山の峰のようにそそり立っている雲。入道雲。《季 夏》