ひし
災いのもと。災難。破滅。「浮き名に沈む水底の、皆身の—とは知りながら」〈浄・五人兄弟〉
ひし【菱/芰】
1 ミソハギ科の水生の一年草。池や沼に生え、茎は細長く、泥水中を伸びる。葉は菱状三角形で、葉柄の一部にふくらみがあ...
ひし【魚杈/籗】
柄の先端に二またの鉄の刃を付け、水中の魚を突き刺して捕る漁具。やすの一種。
ひ‐し【皮脂】
皮脂腺から分泌される半流動性の油脂状の物質。肌や髪をうるおし、乾燥を防ぐ役をする。
ひ‐し【彼此】
あれとこれと。あちらとこちらと。「—相俟(ま)って始めて全豹を彷彿する事が」〈芥川・きりしとほろ上人伝〉
ひ‐し【秘史】
世間に知られていない歴史。隠された歴史上の事実。また、それを記した書物。「大戦—」
ひ‐し【悲史】
悲しい歴史。悲しい史実の記録。哀史。
ひ‐し【斐紙】
雁皮紙(がんぴし)の古名。〈和名抄〉
ひ‐し【罷市】
市場を開かないこと。特に、近代中国で、都市の商人が同盟していっせいに店を閉め、営業を停止すること。商人のストライキ...
ひじ【洲】
《「ひし」とも》海の中にできる洲(す)。「花散らふこの向(むか)つ峰(を)の乎那(をな)の峰の—に付くまで君が齢(...
ひし‐いた【菱板】
「菱縫(ひしぬい)の板」に同じ。
ひ‐しお【醤/醢】
1 (醤) ㋐大豆と小麦で作った麹(こうじ)に食塩水をまぜて造る味噌に似た食品。なめ味噌にしたり調味料にしたりする...
ひ‐しお【干潮】
引き潮。かんちょう。「浦はそのまま—となって」〈謡・融〉
ひしお‐いり【醤煎り】
魚・鳥の肉を小さく切り塩漬けしたものを、垂れ味噌を煮立てた中に入れて煮、湯引きした山芋を加えてユズの皮を添えた料理。
ひしお‐す【醤酢】
ひしお1と酢。また、ひしお1に酢を加えて酢味噌のようにしたもの。「—に蒜(ひる)搗(つ)き合(か)てて鯛願ふ我にな...
ひし‐おり【菱織(り)】
菱形模様が浮き出るように織ること。また、そのように織った織物。
ひし‐かくし【秘し隠し】
秘めて隠すこと。ひたすら隠すこと。「今日が日まで—にかくされていたと云う表面の事実には」〈里見弴・多情仏心〉
ひし‐かく・す【秘し隠す】
[動サ五(四)]秘密にして人に知られまいとする。ひたすら隠す。「敵のようなりし御二方の同一(ひとつ)になりて—・し...
ひしかわ【菱川】
姓氏の一。 [補説]「菱川」姓の人物菱川師宣(ひしかわもろのぶ)
ひしかわ‐は【菱川派】
浮世絵の一派。菱川師宣(もろのぶ)を祖とし、その子師房や門人たち。
ひしかわ‐もろのぶ【菱川師宣】
[?〜1694]江戸前期の浮世絵師。安房(あわ)の人。俗称、吉兵衛。号、友竹。江戸に出て版本の挿絵・絵本を多く描き...
ひし‐がき【菱垣】
竹を菱形に組んで作った垣。
ひしがき‐かいせん【菱垣廻船】
⇒ひがきかいせん(菱垣廻船)
ひし‐がた【菱形】
1 ヒシの実のようなかたち。 2 四角形のすべての辺の長さが等しいもの。このうち、すべての角が直角のものは正方形。...
ひしがた‐やらい【菱形矢来】
「菱矢来(ひしやらい)」に同じ。
ひし‐がに【菱蟹】
ヒシガニ科の甲殻類。海底にすみ、甲幅約5センチ。甲は菱形で表面の凹凸が著しく、はさみ脚がきわめて長い。本州中部以南...
ひ‐しき【引敷】
「引敷物」の略。
ひ‐しき【火敷】
香をたくとき、火に直接香をのせないため、火の上に敷く雲母(うんも)の薄片。→銀葉(ぎんよう)
ひ‐しき【非職】
1 寺院・神社で、役職にない僧侶や神官。 2 ⇒非蔵人(ひくろうど)1
ひしき‐もの【引敷物】
敷物。和歌では海草の「ひじきも(鹿尾菜藻)」にかけて用いられることが多い。「思ひあらば葎(むぐら)の宿に寝もしなむ...
ひし‐くい【鴻/菱喰】
カモ科の鳥。全長83センチくらい。体は褐色、くちばしは黒く先に黄色帯がある。ユーラシア北部で繁殖、日本には冬鳥とし...
ひし‐くみ【菱組】
菱形に組むこと。また、その組んだもの。
ひし・ぐ【拉ぐ】
[動ガ五(四)] 1 押しつけてつぶす。「鬼をも—・ぐ怪力」 2 勢いをくじく。頓挫(とんざ)させる。「説諭(とき...
ひし・げる【拉げる】
[動ガ下一][文]ひし・ぐ[ガ下二]押されてつぶれる。ひしゃげる。「艪(ろ)を—・げるほど押しつかんだ」〈有島・生...
ひしこ【鯷】
「ひしこいわし」の略。《季 秋》「ひやひやと売れぬ—の夕栄す/紅葉」
ひしこ‐いわし【鯷鰯/鯷魚】
カタクチイワシの別名。
ひしこ‐づけ【鯷漬(け)】
小形のカタクチイワシを塩漬けにしたもの。《季 秋》「善き酒を吝(しわ)む主や—/子規」
ひ‐しごと【日仕事】
1 昼の間にする仕事。 2 1日で仕上がる仕事。 3 1日分として割り当てた仕事。
ひし‐しょくぶつ【被子植物】
種子植物の一門。約27万種以上が含まれ、最も進化した植物群。心皮が胚珠(はいしゅ)を包んで子房になり、重複受精を行...
ひしずめ‐の‐まつり【鎮火の祭(り)】
⇒ちんかさい(鎮火祭)
ひし‐せん【皮脂腺】
皮膚の内層にあって、脂質を蓄積し、毛孔を通じて皮脂として体表に分泌する腺。手のひらと足のうら以外の全身にある。脂腺。
ひし‐だい【菱台】
菱餅や菓子をのせる、菱形の台。
ひしだ‐しゅんそう【菱田春草】
[1874〜1911]日本画家。長野の生まれ。本名、三男治(みなじ)。岡倉天心・橋本雅邦の薫陶を受け、日本美術院創...
ひ‐しつ【皮質】
大脳・小脳・副腎(ふくじん)・腎臓など実質臓器の外層をなす部分。内部の髄質とは異なる作用を営むことが多い。
ひ‐しつ【卑湿】
[名・形動]土地が低くて、じめじめしていること。また、そのさまや、その土地。「—な(の)地帯」
ひし‐と【緊と/犇と】
[副] 1 すきまなく密着するさま。しっかりと。ぴったりと。「—身を寄せる」「—抱きしめる」 2 深く心や身に感じ...
ひし‐とじ【菱綴】
「菱縫(ひしぬい)」に同じ。
ひ‐し・ぬ【干死ぬ/乾死ぬ】
[動ナ五][文][ナ四・ナ変]飢えて死ぬ。餓死(がし)する。「三人も四人も子供が有っちゃ、親子—・ぬ外ない」〈木下...
ひし‐ぬい【菱縫】
1 兜(かぶと)の錏(しころ)、鎧(よろい)の袖・草摺(くさずり)などの裾板に、赤革のひもや赤糸の組ひもでX形に綴...
ひしぬい‐の‐いた【菱縫の板】
兜(かぶと)の錏(しころ)、鎧(よろい)の袖・草摺(くさずり)などの最も下の板。ひしいた。