よもぎ【艾/蓬】
1 キク科ヨモギ属の多年草。山野に生え、高さ約1メートル。よく分枝し、特有の匂いがある。羽状に切れ込みのある葉が互...
よもぎ‐あん【蓬餡】
白餡に、灰汁抜(あくぬ)きして撞いたヨモギの若葉を加えたもの。
よもぎ‐う【蓬生】
ヨモギが一面に生え茂って荒れ果てている所。《季 春》「—にかたまる嵯峨の道しるべ/野風呂」 源氏物語第15巻の巻名...
よもぎ‐が‐かど【蓬が門】
「よもぎのかど」に同じ。
よもぎ‐が‐しま【蓬が島】
蓬莱山(ほうらいさん)のこと。「真にや—に通ふらむ鶴に乗るてふ人に問はばや」〈堀河百首・雑〉 日本の異称。〈日葡〉
よもぎ‐が‐そま【蓬が杣】
ヨモギが生い茂って杣山(そまやま)のようになった所。また、自分の家をへりくだっていう語。「鳴けや鳴け—のきりぎりす...
よもぎ‐が‐ほら【蓬が洞】
仙洞御所(せんとうごしょ)の異称。「世を照らす—の月かげは秋つ島根のほかも曇らじ」〈続古今・賀〉
よもぎ‐ぎく【艾菊】
キク科の多年草。高さ約70センチ。全体に強い臭気があり、葉は羽状に深く切れ込む。夏、黄色の花を多数つける。ヨーロッ...
よもぎ‐の‐あと【蓬の跡】
灸(きゅう)をすえたあと。「朝露のひるまはいつぞ秋風に—も思ひ乱れぬ」〈隆信集〉
よもぎ‐の‐かど【蓬の門】
ヨモギが生い茂って荒れ果てた門。また、ヨモギで屋根を葺(ふ)いた粗末な門。「宿見れば—もさしながらあるべき物を思ひ...
よもぎ‐の‐かみ【蓬の髪】
《「蓬髪(ほうはつ)」を訓読みにした語》ヨモギのように、ほつれ乱れた髪。「いかにせん—の秋の霜身はいたづらにふりま...
よもぎ‐の‐まど【蓬の窓】
ヨモギの茂っている荒れ果てた家の窓。「音はして岩にたばしる霰こそ—の友になりけれ」〈夫木・三一〉
よもぎ‐の‐まろね【蓬の丸寝】
荒れた宿にごろ寝をすること。「かかる—にならひ給はぬ心地も」〈源・東屋〉
よもぎ‐の‐や【蓬の矢】
ヨモギの葉で羽を矧(は)いだ矢。男児出生のとき、桑の弓にこの矢を用い、四方を射て前途を祝う。桑弧蓬矢(そうこほうし)。
よもぎ‐の‐やど【蓬の宿】
ヨモギなどが生え茂って荒れ果てた家。よもぎがやど。「玉しける庭に移ろふ菊の花もとの—な忘れそ」〈頼政集〉
よもぎ‐もち【蓬餅】
ヨモギの若葉を灰汁抜(あくぬ)きしてからつきこんで作った餅。草餅。《季 春》「掌中の珠とまろめて—/かな女」