1. 一般に、大量生産を行うと、単位あたりの生産コストが減少すること。
  2. 経験効果が年月の積み重ねである累積生産量に注目し、それに応じて単位あたりコストが下がるとするのに対し、規模の効果はある一時点での生産規模に注目している。 通常、生産規模の大きな企業ほど累積生産量も大きく、そのため経験曲線の中に規模の効果が織り込まれていることが多い。 規模の効果が生まれる主な要因としては、管理費をはじめとするあらゆるコストの中の固定的要因が分散されることが挙げられる。それ以外にも、生産規模の拡大により生産効率を上げるための設備・技術投資が可能になることなどが挙げられる。 規模の効果は生産コストのみならず、調達コストや営業コストなどのあらゆるコスト要因について働く。規模の効果の効き方はコスト項目ごとに異なるが、広告と開発に最も大きな影響を及ぼす。広告の効果が出るには、一定量(臨界量に達するまで)集中的に投入することが必要で、費用と効果をグラフ上にプロットすると、通常S字型のカーブが得られる。開発費についても、1モデルあたりの生産量にかかわらず、最低限必要な額がある。つまり、少しずつ使っても意味のない費用であり、販売量の減少にともなって減らせない固定費的な色彩の強い費用なのである。 一般に、2倍のシェアを持つ企業は、広告費や開発費については40%増しのコストで済む(単位あたりのコストは70%で済む)といわれる。シェア40%の企業が単位あたりの広告費に10万円使うならば、シェア20%の企業は14万円、シェア10%の企業は20万円近く投入しないと、同じ競争の土俵には上がれない。それだけの資金を投入できないならば、広告に頼らないマーケティングを考えなくてはならない。 このように規模の効果を分析することで、同じ土俵で競争を続けることが可能かどうか、あるいは合併などによりそのコスト差を埋めることが可能か否かなどがわかる。 なお、規模の効果が最も顕著に現れるのは、ネットワーク型の事業においてである。たとえば電子メールの利便性は、普及率のほぼ2乗で効いてくる。これは発信者と送信者両方の比率が上がるからである。パソコンのOSなど互換性が問われる機器は、デファクト・スタンダードを握るものが規模の効果を享受し、一人勝ちをし続ける。収穫逓増の経済学では、これをネットワーク効果で説明している。