1. wallet share
  2. ある一顧客が購入した特定の商品群(便益)の購入金額(数量)に対する、自社商品(サービス)の割合を指す。
  3. この値により、競合商品と比べて、自社商品がターゲット顧客にどの程度浸透しているかがわかる。市場シェアとは違って、市場全体に占める割合ではなく、個々の顧客に占める割合を見ることから、自社や自社商品へのロイヤルティを測る指標となる。 営業活動を進める中で、「市場シェアを高める」という目的が、ともすると「市場の中の潜在顧客数のうち、自社と取引のある顧客を増やす」方向に偏りがちになる。例えば、ある市場の潜在顧客が100万人いて、現在そのうち30万人が自社の顧客だとする。そこでシェアアップを目指そうとすると、35万人、40万人に買わせる努力になる。その結果、顧客の新規獲得にばかり関心が向き、既存の30万人の顧客への対応がおろそかになってしまう。 市場シェアは金額から算出されるものであるから、既存の30万人に今以上に買ってもらうという方向性もある。顧客内シェアを高めることは、30万人の顧客の購買力における自社のシェアを高めることである。市場環境によっては、こちらを目指した方がマーケティングの費用対効果としても有利になりうる。 顧客内シェアという考え方は、大型耐久消費財など1人が通常1回消費するだけの業種にはなじまない。それよりも、顧客がオケージョンや商品の質によって、どの商品を買うかを比較的容易に変えうるものがなじむ。典型的には、ファッション、薬粧、菓子、エンターテインメントなどが、よく使われる業種である。B to Bのビジネスであれば、オフィス備品、研修受託、金融サービスなどが挙げられる。 なお、必ずしも同じ業種の中でのシェア争いばかりが起こるとは限らない。例えば、家庭でのエネルギー消費に占めるシェアを巡るガス会社と電力会社の争い、ティーンのお小遣いのシェアを巡る出版、音楽、ゲーム、携帯電話等の争いなども、顧客内シェアの考え方が使われている見方の一例といえる。