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JAPANなニュース



「in the balance」(のるかそるか)



テロの危険が気になる原発と、「最も危険」な日本の原発――JAPANなニュース


英語メディアが伝える「JAPAN」なニュース、今週も原発についてです。ビンラディン殺害を受けての報復攻撃を警戒する中で、「日本の原発は?」という懸念する記事について。そしてテロよりも恐ろしいかもしれない巨大地震の危機にさらされて、「the most dangerous nuclear plant in the world(世界で最も危険な原発)」という形容で語られる原発について。(gooニュース 加藤祐子)
その備えで大丈夫か
連休中の先週はコラムをお休みさせていただきました。そして連休中は、日本時間2日午前の速報からというもの、英語メディアも私も「ビンラディン殺害」に意識の大部分をもっていかれていました。意識の大部分だけでなく、英語メディアの紙面やサイト上の面積、放送時間もそうです。特にアメリカの主なニュースはこのところ、ビンラディン、オバマ、ビンラディン、パキスタン、ときどきミシシッピ流域の洪水、たまにリビアやシリア……という感じで推移しています。ビンラディン殺害についてはまた別の機会に書きたいと思っていますが、今回のことで「Yes We Can」のオバマ大統領が「変節」したと落胆している方には、大統領就任演説やノーベル平和賞受賞演説を参考資料として提示します。私はむしろ、オバマ氏は首尾一貫していると思うので。現実主義と理想主義のバランスをとろうとする姿勢において。そしてオバマ氏が大統領になってからアフガニスタンとパキスタンに戦力を傾注し、ビンラディンを殺害したことは、大統領選中の公約実現と言えると私は思います(ちなみに8日放送のCBS「60ミニッツ」による大統領のロングインタビューはおすすめです)。 ビンラディン殺害を受けてオバマ大統領でなくても、アルカイダによる報復の危険を意識した人は多いはず。そしてテロ攻撃の危険とくれば(3日夜放送のNHKニュースで日本の原発依存を警告していらした)作家・高村薫さんの小説『神の火』を思い出すまでもなく、原発が連想されるわけです。9/11の時も米原子力規制委はただちに重警戒態勢を米国内の施設で敷いたし、9/11的攻撃に対する態勢強化を求めました。ビンラディン殺害の翌日にイギリスの核施設セラフィールド近くで、男性5人が反テロ法にもとづき逮捕されたというニュースも、関係があるのかないのかまだ分かりませんが、関係がないならあまりにタイミングが悪すぎる。 アルカイダ系のテロリストにとって日本はいささか活動しにくい国ではないかと素人なりに私は思うのですが(単純な比較で、中近東系や白人の人は欧米にいるよりは日本にいる方が目立つと思うので)、警備体制の脆弱なハイリスク施設という意味では日本の原発ほど狙い易いところもそうはないのではないかと思います。そんな素人懸念を補強する記事が8日付の米紙『ニューヨーク・タイムズ』に載っていました。 筆者のマーティン・ファクラー東京支局長は「日本の原発に米当局は懸念と公電に」という記事で、「ウィキリークスが入手した国務省の秘密公電」の内容を紹介。東京のアメリカ大使館が2006年から2007年にかけて打電した公電によると、「日本の原発を訪れ安全訓練を見学したアメリカ外交官たちは、民間テロリストのゲリラ攻撃や北朝鮮奇襲部隊の攻撃に日本は対応できるのか懸念していた」とのこと。 2007年2月26日付の公電によると、米当局者が「大規模なプルトニウム保管所」と呼ぶ東海村に武装警備がないことを指摘したところ、監督官庁の文科省は「武装警官を配置するに足りるほどの脅威はない」し、法律上、民間の警備員に武器を持たせる訳にはいかないと回答していたそうです。アメリカ政府がテロ警戒の一環として行う職員の身元調査「バックグランドチェック」を、東海村の警戒区域で働く作業員にも求めたが、日本政府はそれは「非公式」には行っているが憲法の規制やプライバシー上の問題から定期的に実施するのは難しいと答えたとも。 テロへの備えが全くないわけではなく、テロ攻撃を警戒してフェンスや監視カメラが設置されていることや、海上保安庁が海からの攻撃に常に備えていることなどを説明する公電もあるが、米当局者は日本の原発のテロ対策には対テロ訓練ドリルなど「非現実的」なものも含まれていると批判していたというのです。たとえば2006年1月発の公電は、福井県の美浜原発で行われた対テロ訓練は「いささか台本どおりで完璧すぎた」と批判。同年11月発の公電も、東海村でのテロ訓練について、参加者たちが「進行表を事前に渡されていた」と批判していたと。 記事をここで切っているあたりから、ファクラー記者自身が呆れている感じが伺えます。笑い事ではありませんが、日本の様々な組織における「○○訓練」というものに参加したり取材したりことがあるので、このくだりには笑ってしまいました。マスコミ取材を入れたり、ましてやアメリカの政府関係者を立ち会わせたりする「○○訓練」だったら、それは組織や組織トップの威信にかけて、きっちりきちんと予定を組んで滞りなく進行するよう周知徹底し、なんだったら「○○訓練」の予行演習までやりかねないのが、日本的組織の伝統的な発想でしょうから。 米当局がアフガニスタンに、ビンラディンの隠れ家の等身大模型を造り、そこで海軍特殊部隊が奇襲作戦を繰り返し予行演習していたというのとは……比べる意味もありません。はい。

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執筆者:加藤祐子 東京生まれ。子供時代をニューヨーク、学生時代をイギリスで過ごす。全国紙社会部と経済部記者、国際機関本部勤務を経て、CNN日本語版サイト「CNN.co.jp」で2000年と2004年米大統領選の日本語報道を担当。2006年2月よりgooニュース編集者。


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