いしい‐ゆうか【石井遊佳】
[1963〜 ]小説家。大阪の生まれ。インドで日本語教師として勤務する傍ら執筆活動を行い、「百年泥(ひゃくねんどろ)」で新潮新人賞を受賞し作家デビュー。同作で、第158回芥川賞受賞。
いしい‐ろげつ【石井露月】
[1873〜1928]俳人。秋田の生まれ。本名、祐治。正岡子規の知遇を得て「日本派」に属した。雑誌「俳星」を創刊。句集「露月句集」。
いしおか‐えいこ【石岡瑛子】
[1938〜2012]アートディレクター、デザイナー。東京の生まれ。マイルス=デービスのアルバムジャケットをデザインし、米国グラミー賞を受賞。映画「ドラキュラ」では衣装デザインを手がけ、米国アカ...
いしかわ‐くらじ【石川倉次】
[1859〜1944]教育家・点字開発者。遠江(とおとうみ)の人。小学校の教員を経て東京盲唖(もうあ)学校に勤務。ブライユ式の点字を翻案して、日本語の五十音を表す日本式の点字を完成させた。その後...
いしかわ‐こうめい【石川光明】
[1852〜1913]彫刻家。東京の生まれ。明治初期に流行した牙彫(げちょう)の第一人者。帝室技芸員。
いしかわ‐ごえもん【石川五右衛門】
安土桃山時代の伝説的大盗賊。文禄3年(1594)京都三条河原で釜煎(かまい)りの刑に処せられたという。歌舞伎「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」、浄瑠璃「傾城吉岡染(けいせいよしおかぞめ)」な...
いしかわ‐さんしろう【石川三四郎】
[1876〜1956]社会主義運動家。埼玉の生まれ。「万朝報(よろずちょうほう)」記者から平民社に入り、「平民新聞」発刊に協力。安部磯雄・木下尚江らとキリスト教社会主義の雑誌「新紀元」を創刊。無...
いしかわ‐じゅん【石川淳】
[1899〜1987]小説家・評論家。東京の生まれ。小説「普賢(ふげん)」で芥川賞を受賞。ほかに「至福千年」「狂風記」、評論「森鴎外」など。
いしかわ‐じょうざん【石川丈山】
[1583〜1672]江戸前期の漢詩人・書家。三河の人。名は重之、字(あざな)は孫助。別号、六六山人など。徳川家康に仕え、大坂夏の陣で活躍。のち京都に詩仙堂を建てて住んだ。詩文集に「新編覆醤集(...
いしかわ‐たくぼく【石川啄木】
[1886〜1912]歌人・詩人。岩手の生まれ。本名、一(はじめ)。若くして「明星」に詩を発表し、与謝野鉄幹に師事。口語体3行書きの形式で生活を短歌に詠んだ。評論「時代閉塞の現状」、歌集「一握の...
いしかわ‐たつぞう【石川達三】
[1905〜1985]小説家。秋田の生まれ。ブラジル移民団を描いた「蒼氓(そうぼう)」で第1回芥川賞を受けた。社会的モラルを探究した作品が多い。他に「日蔭の村」「風にそよぐ葦」「人間の壁」など。
いしかわ‐ちよまつ【石川千代松】
[1861〜1935]動物学者。東京の生まれ。東大教授。ドイツでワイスマンに師事。ホタルイカの発光やアユの養殖など研究は広範囲。進化論の紹介や生物学の解説・普及に尽力。著「進化新論」など。
いしかわ‐とよのぶ【石川豊信】
[1711〜1785]江戸中期の浮世絵師。江戸の人。俗称、孫三郎あるいは七兵衛。西村重長に師事し、漆絵・紅摺(べにず)り絵にすぐれ、ふくよかな顔だちや、しなやかな姿態の美人画に独自の画風を示した。
いしかわ‐の‐いらつめ【石川郎女/石川女郎】
大和・奈良時代の女流歌人。万葉集に同名の七人が登場するが、実在したのは三人から五人とする説が有力。 久米禅師と歌を贈答した石川郎女。 大津皇子と歌を贈答した石川郎女。 日並皇子(ひなみしの...
いしかわ‐まさもち【石川雅望】
[1754〜1830]江戸後期の狂歌師・国学者。江戸の人。号、宿屋飯盛(やどやのめしもり)。石川豊信の子で、家業は宿屋。狂歌を四方赤良(よものあから)に学ぶ。和漢の学に通じ、著書に「しみのすみか...
いしかわ‐りこう【石川利光】
[1914〜2001]小説家。大分の生まれ。本名、利光(としみつ)。戦後、出版社社長として丹羽文雄主宰「文学者」を発行。「春の草」その他で芥川賞受賞。他に「忘れ扇」「風と木の葉」「余白の日々」など。
いしがき‐りん【石垣りん】
[1920〜2004]詩人。東京の生まれ。高等小学校卒業後、銀行に勤務のかたわら詩作を続ける。作品に「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」など。「表札など」で H氏賞、「石垣りん詩集」で田村俊子賞...
いしぐろ‐かずお【石黒一雄】
⇒カズオイシグロ
いしぐろ‐ただのり【石黒忠悳】
[1845〜1941]医学者。軍医。福島の生まれ。西洋医学の移入、陸軍衛生部の確立などに尽力。日清・日露戦争で活躍し、陸軍軍医総監となった。子爵。枢密顧問官。
いしぐろ‐むねまろ【石黒宗麿】
[1893〜1968]陶芸家。富山の生まれ。号、栩庵(くあん)。京都八瀬(やせ)で作陶。東洋の古陶磁を研究し、木の葉天目釉(てんもくゆう)を再現。鉄釉陶器の技法で人間国宝に認定される。
いしざか‐きみしげ【石坂公成】
[1925〜2018]免疫学者。東京の生まれ。昭和41年(1966)、妻の照子との共同研究により、アレルギー発症の鍵となる抗体免疫グロブリンEの発見を発表。アレルギー発症の仕組みを解明し、アレル...
いしざか‐ようじろう【石坂洋次郎】
[1900〜1986]小説家。青森の生まれ。教職のかたわら「若い人」を発表し、作家的地位を確立。小説「青い山脈」「石中先生行状記」など。
いしざわ‐まい【石沢麻依】
[1980〜 ]小説家。宮城の生まれ。令和3年(2021)、「貝に続く場所にて」で群像新人文学賞を受賞し作家デビュー。同作で第165回芥川賞を受賞した。
いしだ‐いら【石田衣良】
[1960〜 ]小説家。東京の生まれ。本名、石平庄一(いしだいらしょういち)。コピーライターを経て作家となる。「4TEEN(フォーティーン)」で直木賞受賞。他に「池袋ウエストゲートパーク」「娼年...
いしだ‐なかお【石田名香雄】
[1923〜2009]医学者。新潟の生まれ。ウイルス・細菌の研究に業績を残し、昭和28年(1953)にはセンダイウイルスを発見。制癌剤ネオカルチノスタチン(NCS)の開発でも知られる。
いしだ‐はきょう【石田波郷】
[1913〜1969]俳人。愛媛の生まれ。本名、哲大(てつお)。水原秋桜子(しゅうおうし)の教えを受け、「馬酔木(あしび)」の同人となる。清新な青春俳句で注目され、のち、句誌「鶴」を主宰。句集に...
いしだ‐ばいがん【石田梅岩】
[1685〜1744]江戸中期の思想家。石門(せきもん)心学の始祖。丹波の人。本名、興長。小栗了雲に師事。実践的倫理思想をわかりやすく説き、町人層に歓迎された。著「都鄙(とひ)問答」「斉家論」など。
いしだ‐みつなり【石田三成】
[1560〜1600]安土桃山時代の武将。近江(おうみ)の人。幼名、佐吉。豊臣秀吉に才知を認められて五奉行の一人となり、太閤検地など内政面に活躍。文禄4年(1595)近江佐和山城主となり19万4...
いしだ‐みとく【石田未得】
[1587〜1669]江戸前期の俳人・狂歌師。江戸の人。号、乾堂。松永貞徳の門人で、半井卜養(なからいぼくよう)とともに江戸二大狂歌師といわれた。著「吾吟我集(ごぎんわがしゅう)」。
いしだ‐ゆうてい【石田幽汀】
[1721〜1786]江戸中期の画家。播磨(はりま)の人。京都で活躍。写実性の強い装飾性を特色とする。円山応挙(まるやまおうきょ)の師。
いしづか‐きくぞう【石塚喜久三】
[1904〜1987]小説家。北海道の生まれ。国民学校教員ののち、内モンゴルに渡る。「纏足(チャンズウ)の頃」で芥川賞受賞。戦後の作品に「花の海」「肉体の山河」など。
いしづか‐たつまろ【石塚竜麿】
[1764〜1823]江戸中期の国語学者。遠江(とおとうみ)の人。本居宣長(もとおりのりなが)の弟子。「古言清濁考(こげんせいだくこう)」「仮名遣奥山路(かなづかいおくのやまじ)」を著し、上代特...
イシドルス【Isidorus Hispalensis】
[560ころ〜636]スペイン、セビリアの大司教。カルタヘナの生まれ。西方教会最後の教父といわれる。神学・歴史・文学・科学に通じ、学芸を指導。スペインのキリスト教化にも大いに貢献。著「語源論」は...
いしはら‐かんじ【石原莞爾】
[1889〜1949]陸軍中将。山形の生まれ。関東軍参謀として、満州事変、満州国建設を推進。のち、東条英機と対立、予備役(よびえき)となった。東亜連盟の指導者。
いしはら‐けん【石原謙】
[1882〜1976]キリスト教史学者。東京の生まれ。東北大教授・東京女子大学長。日本のキリスト教史学を確立した。文化勲章受章。著「基督教史」「キリスト教の源流」など。
いしはら‐しのぶ【石原忍】
[1879〜1963]医学者。東京の生まれ。東大教授。眼科学に関する研究に専念。「色覚検査表」を作製。著「近世眼科処方集」。
いしはら‐しんたろう【石原慎太郎】
[1932〜2022]小説家・政治家。兵庫の生まれ。俳優石原裕次郎の兄。「太陽の季節」で芥川賞受賞、「太陽族」は流行語となった。他に「処刑の部屋」「化石の森」「弟」など。昭和43年(1968)参...
いしはら‐じゅん【石原純】
[1881〜1947]理論物理学者・歌人。東京の生まれ。東北大教授。特殊相対性理論・量子論を研究。著「自然科学概論」、アララギ派の歌人として歌集「靉日(あいじつ)」など。名は「あつし」とも。
いしはら‐まさあきら【石原正明】
[1760〜1821]江戸中期の国学者・歌人。尾張の人。号、蓬堂。本居宣長(もとおりのりなが)・塙保己一(はなわほきいち)に師事。「群書類従」の編纂(へんさん)に従事し、有職(ゆうそく)故実に通...
いしはら‐ゆうじろう【石原裕次郎】
[1934〜1987]映画俳優・歌手。兵庫の生まれ。芥川賞作家石原慎太郎の弟。映画「太陽の季節」でデビュー。「狂った果実」「嵐を呼ぶ男」などで一躍スターとなる。歌手としても「銀座の恋の物語」など...
いしはら‐よしろう【石原吉郎】
[1915〜1977]詩人。静岡の生まれ。終戦後シベリア抑留生活を経て帰国したのち、詩誌「ロシナンテ」を創刊。「荒地詩集」に参加した。昭和38年(1963)刊行の「サンチョ・パンサの帰郷」でH氏...
いしば‑しげる【石破茂】
[1957〜 ]政治家。東京の生まれ。祖父や父も政治家。慶応義塾大学卒業後、銀行員となる。父の死を受け出馬した昭和61年(1986)の総選挙で、鳥取全県区(中選挙区)から衆議院議員に初当選。平成...
いしばし‐しあん【石橋思案】
[1867〜1927]小説家。武蔵の生まれ。本名、助三郎。尾崎紅葉らと硯友社(けんゆうしゃ)を創立。作品に「乙女心」「わが恋」「京鹿子」など。
いしばし‐たんざん【石橋湛山】
[1884〜1973]政治家。東京の生まれ。東洋経済新報社に入社し、自由主義的立場から普通選挙論などの論陣を張った。第二次大戦後、蔵相・通産相を歴任。昭和31年(1956)石橋内閣を組織したが、...
いしばし‐にんげつ【石橋忍月】
[1865〜1926]評論家・小説家。福岡の生まれ。本名、友吉。東大在学中から評論を書き、「舞姫」の批評に発した森鴎外との論争は有名。文芸評論家山本健吉の父。
いしみつ‐まきよ【石光真清】
[1868〜1942]陸軍軍人。熊本の生まれ。日清戦争後からシベリア出兵の時期にシベリア・満州で諜報活動に従事。自伝「城下の人」「曠野の花」「望郷の歌」「誰のために」の四部作は、子の真人によって...
いしむら‐けんぎょう【石村検校】
[?〜1642]琵琶法師出身の三味線演奏家。京都の人。三味線組歌本手組の作曲者といわれている。
いしむれ‐みちこ【石牟礼道子】
[1927〜2018]小説家。熊本の生まれ。水俣(みなまた)病市民会議を結成、「苦海浄土(くがいじょうど)」で患者の代弁者として水俣病を描く。続く「天の魚」「神々の村」で水俣病三部作を完成。他に...
いしもと‐しょう【石本正】
[1920〜2015]日本画家。島根の生まれ。本名、正(ただし)。京都市立芸術大学名誉教授。昭和22年(1947)日展に「三人の少女」が初入選。舞妓の裸身像の連作で知られる。創画会会員。芸術選奨受賞。
いしもと‐やすひろ【石元泰博】
[1921〜2012]写真家。米国サンフランシスコの生まれ。情緒を排した作風で、都市風景や桂離宮などを題材に作品を残した。平成8年(1996)文化功労者。写真集「シカゴ、シカゴ」「桂」など。