かんあみ【観阿弥】
[1333〜1384]南北朝時代の能役者・能作者。観世流の始祖。伊賀の人。名は清次(きよつぐ)。世阿弥の父。大和猿楽(やまとさるがく)に曲舞(くせまい)などの要素を加え、謡を革新して能を大成させ...
かん‐いんし【関尹子】
中国、周時代の秦(しん)の伝説的な思想家。本名、尹喜(いんき)。函谷関(かんこくかん)を守る役人であったので、つけられた名。その思想は「荘子」などに断片的に残っているのみで、著書「関尹子」は後世...
かんいん‐の‐みや【閑院宮】
四親王家の一。宝永7年(1710)東山天皇の皇子直仁(なおひと)親王に始まる。一時絶えたが、明治5年(1872)伏見宮載仁(ことひと)親王が再興。昭和22年(1947)臣籍降下。
かん‐う【関羽】
[?〜219]中国、三国時代の蜀(しょく)の武将。河東(山西省)の人。字(あざな)は雲長。張飛とともに劉備(りゅうび)を助け、赤壁の戦いに大功をたてたが、のち呉に捕らえられて死んだ。後世、軍神...
かん‐えい【甘英】
中国、後漢の武将。97年、西域都護の班超(はんちょう)の命で大秦国(ローマ)に向かって出発。安息国(パルティア)を経てシリアにまで行ったが、大海渡航が困難のため断念した。生没年未詳。
かん‐おん【桓温】
[312〜373]中国、東晋(とうしん)の武将。安徽(あんき)の人。字(あざな)は元子(げんし)。荊州(けいしゅう)刺史となり、長江上流の兵権を握る。のちに大司馬となり簡文帝を立て、帝位の禅譲を...
かん‐かん【桓寛】
中国、前漢の政治家・学者。汝南(河南省)の人。字(あざな)は次公。昭帝のときに宮廷で行われた塩鉄専売に関する議論を「塩鉄論」10巻にまとめた。生没年未詳。
かん‐かんけい【関漢卿】
中国、元の劇作家。13世紀後半に活躍。大都(北京)の人。号、已斎叟(いさいそう)。元曲四大家のうちの第一人者。女性の性格描写にすぐれ、緊密な構成を特徴とする。17種ほどの作品が現存。作「竇娥寃(...
かん‐き【韓琦】
[1008〜1075]中国、北宋(ほくそう)の政治家。安陽(河南省)の人。字(あざな)は稚圭。仁宗・英宗・神宗の3代に仕え、范仲淹(はんちゅうえん)とともに韓范と並称された。王安石の新法に反対し...
かんき‐たくろう【神吉拓郎】
[1928〜1994]小説家・放送作家・エッセイスト。東京の生まれ。NHKで放送台本を手がけた後、都会的なタッチの小説・エッセーを発表。食通としても知られる。「私生活」で直木賞受賞。他に「ブラッ...
かん‐こう【桓公】
[?〜前643]中国、春秋時代の斉の君主。在位、前685〜前643年。姓は姜(きょう)。名は小白。鮑叔牙(ほうしゅくが)の進言により管仲を登用して国力を充実させ、前651年、春秋五覇の第一となった。
かん‐こう【菅公】
菅原道真(すがわらのみちざね)の敬称。
かん‐さざん【菅茶山】
[1748〜1827]江戸後期の儒者。漢詩人。備後(びんご)の人。名は晋帥(ときのり)。通称、太仲。京都で朱子学を学び、帰郷して黄葉夕陽村舎(こうようせきようそんしゃ)を開く。頼山陽の師。著「筆...
かん‐さんぼん【菅三品】
菅原文時(ふみとき)の通称。
かんざき‐たけお【神崎武雄】
[1906〜1944]小説家。福岡の生まれ。新聞社に勤務した後、同時代を描いた大衆小説を執筆。「寛容」およびその他の作品で直木賞受賞。昭和19年(1944)、従軍中に戦死した。
かんざき‐よごろう【神崎与五郎】
[1666〜1703]赤穂義士(あこうぎし)の一人。美作(みまさか)の人。名は則休(のりやす)。下級武士ながら和歌・俳句をよくした。
かんざわ‐としこ【神沢利子】
[1924〜 ]児童文学作家。福岡の生まれ。本名、古河トシ。「ちびっこカムのぼうけん」で注目される。以後「くまの子ウーフ」「いないいないばあや」「流れのほとり」「タランの白鳥」など多くの作品を発表。
かんざん【寒山】
中国、唐代の僧。拾得(じっとく)とともに天台山国清寺(こくせいじ)を訪れ、豊干(ぶかん)に師事。三者を三隠と称した。文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の化身とされる。禅画の「寒山拾得図」や「四睡図」に描...
かんざん‐えげん【関山慧玄】
[1277〜1361]南北朝時代の臨済宗の僧。信濃の人。俗姓、高梨氏。鎌倉の建長寺に入り、のち、京都大徳寺の宗峰妙超に師事し、その法を継承。妙心寺の開山となる。無相大師。
かん‐しゅく【管叔】
[?〜前1110ころ]中国、周の王族。文王の三男。武王の弟、周公の兄。名は鮮。管に封ぜられたのでこの姓がある。武王の死後、蔡(さい)に封ぜられた叔度とともに周に背き、周公に殺された。
かんしょ‐せんせい【甘藷先生】
青木昆陽を親しんでいう呼び名。
かん‐しん【韓信】
[?〜前196]中国、漢初の武将。江蘇の人。項羽(こうう)に従ったのち、劉邦(りゅうほう)の将となり、華北を平定。斉王、次いで楚王に封ぜられたが、のち淮陰侯に左遷され、反逆の疑いで呂后(りょこう...
かんぜ‐かせつ【観世華雪】
[1884〜1959]能楽師。シテ方観世流。東京の生まれ。本名、織雄(おりお)。分家の5世銕之丞(てつのじょう)(号、紅雪)の子で、6世を襲名。のち華雪と改名。義兄梅若万三郎らと梅若流を創立した...
かんぜ‐きよつぐ【観世清次】
⇒観阿弥(かんあみ)
かんぜ‐さこん【観世左近】
能楽のシテ方観世流宗家の代々の名。7世元忠より24世元滋(もとしげ)までのうち、10人が名のる。特に元滋は、その容貌(ようぼう)・美声で人気を博し、明治・大正・昭和の同流隆盛をもたらした。
かんぜ‐てつのじょう【観世銕之丞】
能楽のシテ方観世流宗家の分家の芸名。14世宗家清親(きよちか)の次男、織部清尚に始まる。代々名手が輩出、5世(紅雪)・6世(華雪)は近代の名人。
かんぜ‐ながとし【観世長俊】
[1488〜1541]室町後期の能役者・能作者。信光の子。通称、弥次郎。作「輪蔵(りんぞう)」「正尊」など。
かんぜ‐のぶみつ【観世信光】
[1435〜1516]室町中期の能役者・能作者。通称、小次郎。音阿弥の子。幼い大夫の後見役として若手を育成、自らワキ役となり、ワキ師の祖といわれる。また、大鼓(おおつづみ)の名手。作「安宅(あた...
かんぜ‐ひさお【観世寿夫】
[1925〜1978]能楽師。シテ方観世流。東京の生まれ。7世観世銕之丞の長男。戦後能楽界の旗手的存在として活躍。能楽研究や演劇運動も行った。
かんぜ‐もとあきら【観世元章】
[1722〜1774]江戸中期の能役者。シテ方観世流15世宗家。左近と称す。田安宗武・賀茂真淵らの協力を得て、謡曲の詞章を大改訂した「明和改正謡本」を刊行。
かんぜ‐もときよ【観世元清】
⇒世阿弥(ぜあみ)
かんぜ‐もとしげ【観世元重】
[1398〜1467]室町前期の能役者。観世流3世(実は4世)。世阿弥の弟の子。法名、音阿弥(おんあみ)。足利義教・義政の保護をうけ、観世宗家として名声を得た。
かんぜ‐もとまさ【観世元雅】
[1395?〜1432]室町前期の能役者・能作者。通称、十郎。世阿弥の長男。観世大夫3世だが、現系図では数えない。若手ながら名手といわれたが、音阿弥を愛した足利義教の圧迫で、不遇の中に死んだ。作...
かん‐たいし【韓退之】
⇒韓愈(かんゆ)
かんだ‐たかひら【神田孝平】
[1830〜1898]経済学者・政治家。美濃の生まれ。福沢諭吉とともにイギリス経済学移入の先覚者。兵庫県令・元老院議官・貴族院議員を歴任。著「経済小学」「和蘭政典」など。かんだこうへい。
かん‐ちゃざん【菅茶山】
⇒かんさざん(菅茶山)
かん‐ちゅう【管仲】
[?〜前645]中国、春秋時代の斉の政治家。河南の人。名は夷吾(いご)。鮑叔牙(ほうしゅくが)の推薦で斉の桓公の宰相となり、富国強兵策をとってその覇業を助けた。管子(かんし)。→管鮑(かんぽう)...
かん‐てい【関帝】
関羽(かんう)の敬称。
カンディンスキー【Wassily Kandinsky】
[1866〜1944]ロシア生まれの画家。表現主義を経て抽象絵画の創始者の一人となる。モスクワやワイマールのバウハウスで教鞭(きょうべん)を執り、晩年はフランスに帰化。
カント【Immanuel Kant】
[1724〜1804]ドイツの哲学者。あらゆる権威の徹底的批判を根本精神とする批判哲学を大成し、近代哲学の祖とよばれる。理性の理論的認識能力の批判によって客観的認識の可能な領域を経験の世界に限定...
カントル【Georg Cantor】
[1845〜1918]ドイツの数学者。三角関数の級数の研究から出発し、集合論を創始。個数概念の拡張として無限集合の濃度の概念を導入して理論を展開。また、位相学の基礎を築いた。
カントロビチ【Leonid Vital'evich Kantorovich】
[1912〜1986]ソ連の数学者・経済学者。ソ連数理経済学派の創始者の一人。線形計画法の考案で知られる。1975年、クープマンスとともにノーベル経済学賞受賞。著「生産組織と生産計画の数学的方法...
カンドー【Sauveur Antoine Candau】
[1897〜1955]フランスのカトリック神父。大正14年(1925)に来日。布教活動・司祭の養成などに努力するとともに、両国の文化交流に貢献した。著「思想の旅」など。
かん‐なおと【菅直人】
[1946〜 ]政治家。山口の生まれ。市川房枝のもとでの市民運動家としての活動を経て、昭和55年(1980)社会民主連合から衆院に初当選。平成8年(1996)、橋本内閣に新党さきがけから厚生相と...
かんなみ【観阿弥】
⇒かんあみ(観阿弥)
かんの‐すが【管野すが】
[1881〜1911]社会主義者。大阪の生まれ。幸徳秋水の内妻。大逆事件で捕らえられ、死刑。獄中手記に「死出の道艸(みちくさ)」。
かんばやし‐あかつき【上林暁】
[1902〜1980]小説家。高知の生まれ。本名、徳広巌城(とくひろいわき)。私小説作家として「聖ヨハネ病院にて」などの病妻物をはじめ、すぐれた短編小説を残す。他に「白い屋形船」など。
かんばやし‐ちょうへい【神林長平】
[1953〜 ]SF作家。新潟の生まれ。本名、高柳清。「狐と踊れ」で作家デビュー。「あなたの魂に安らぎあれ」「帝王の殻」「膚(はだえ)の下」の火星三部作、「敵は海賊」シリーズ、「戦闘妖精・雪風」...
かんばら‐ありあけ【蒲原有明】
[1875〜1952]詩人。東京の生まれ。本名、隼雄(はやお)。島崎藤村とともに新体詩の完成者となり、さらに日本象徴詩の先駆者となる。詩集「草わかば」「独絃哀歌」「春鳥集」「有明集」などがある。
カンパネラ【Tommaso Campanella】
[1568〜1639]イタリアの哲学者。ドミニコ会修道士。スペインの圧制下にあるナポリの独立運動に加わり、27年間にわたって投獄されたが、その間に一種のユートピア物語「太陽の都」を書いた。カンパ...