たかい‐きとう【高井几董】
[1741〜1789]江戸中期の俳人。京都の人。名は小八郎。別号、晋明・春夜楼など。与謝蕪村(よさぶそん)の高弟で、のち夜半亭3世を継いだ。編著「其雪影」「あけ烏(がらす)」、句集「井華(せいか...
たかい‐こうざん【高井鴻山】
[1806〜1883]幕末・明治初期の陽明学者。信濃の人。本名、市村健。京都で梁川星巌(やながわせいがん)に、江戸で佐藤一斎に師事。攘夷(じょうい)論・公武合体論を唱えた。明治維新後、東京・長野...
たかい‐ゆういち【高井有一】
[1932〜2016]小説家。東京の生まれ。本名、田口哲郎。共同通信社勤務のかたわら、立原正秋(たちはらまさあき)らと同人誌「犀(さい)」を創刊。「北の河」で芥川賞受賞。他に「この国の空」「夜の...
たかい‐らんざん【高井蘭山】
[1762〜1839]江戸後期の読本(よみほん)作者。江戸の人。名は伴寛。通称、文左衛門。作「絵本三国妖婦伝」「星月夜顕晦録(ほしづくよけんかいろく)」など。
たかおか‐しんのう【高岳親王】
真如(しんにょ)の俗名。
たかぎ‐あきみつ【高木彬光】
[1920〜1995]推理作家。青森の生まれ。本名、誠一。江戸川乱歩の推奨で「刺青殺人事件」が刊行されデビュー。「能面殺人事件」で探偵作家クラブ賞(現、日本推理作家協会賞)受賞。他に「成吉思汗(...
たかぎ‐いちのすけ【高木市之助】
[1888〜1974]国文学者。愛知の生まれ。九大・名大教授。万葉集など古代文学を中心に、文芸学的研究にすぐれた業績を残した。著「吉野の鮎」「古文芸の論」など。
たかぎ‐かねひろ【高木兼寛】
[1849〜1920]衛生学者。日向の人。海軍軍医総監。日本初の医学博士。有志共立東京病院(東京慈恵会医大病院の前身)を設立したほか、海軍の食事を麦飯に替えて脚気(かっけ)の防止に努めた。
たかぎ‐ていじ【高木貞治】
[1875〜1960]数学者。岐阜の生まれ。東大教授。代数学における類体論を研究、日本の数学が国際的に認められる基礎を築いた。著「解析概論」「代数的整数論」など。
たかぎ‐とくこ【高木徳子】
[1891〜1919]舞踊家・女優。東京の生まれ。本名、とく。旧姓、永井。浅草常盤座において歌とダンスで人気を博し、浅草オペラの先駆者として活躍した。
たかぎ‐のぶこ【高樹のぶ子】
[1946〜 ]小説家。山口の生まれ。本名、鶴田信子。「光抱く友よ」で芥川賞受賞。恋愛小説を多く書く。「HOKKAI」で芸術選奨。他に「水脈」「透光の樹」など。
たかく‐あいがい【高久靄厓】
[1796〜1843]江戸後期の南画家。下野(しもつけ)の人。谷文晁(たにぶんちょう)・池大雅(いけのたいが)らに学び、さらに明・清画法を研究した。
たかくす‐じゅんじろう【高楠順次郎】
[1866〜1945]仏教学者。広島の生まれ。旧姓、沢井。号、雪頂。東京外語校長・東大教授・東洋大学長。英国でマックス=ミュラーに師事し、インド学・梵語(ぼんご)学を学ぶ。昭和19年(1944)...
たかくら‐けん【高倉健】
[1931〜2014]映画俳優。福岡の生まれ。本名、小田剛一(ごういち)。昭和31年(1956)「電光空手打ち」の主演でデビュー。「網走番外地」「昭和残侠(ざんきょう)伝」など任侠映画に多く出演...
たかくら‐てんのう【高倉天皇】
[1161〜1181]第80代の天皇。在位1168〜1180。後白河天皇の第7皇子。名は憲仁(のりひと)。後白河法皇の院政下に即位し、平清盛の娘徳子(建礼門院)を皇后としたが、法皇と清盛の不和を...
たかくわ‐らんこう【高桑闌更】
[1726〜1798]江戸中期の俳人。加賀の人。名は忠保または正保。蕉風の復興に努め、天明の俳諧中興に貢献。編著「芭蕉翁消息集」「俳諧世説」、句集「半化坊発句集」など。
たかさき‐たつのすけ【高碕達之助】
[1885〜1964]政治家・実業家。大阪の生まれ。大正6年(1917)東洋製缶を設立。昭和17年(1942)満州重工業総裁に就任し、戦後は在満日本人の引き揚げに尽力した。昭和30年(1955)...
たかさき‐まさかぜ【高崎正風】
[1836〜1912]歌人。薩摩(さつま)の生まれ。桂園(けいえん)派の八田知紀(はったとものり)に師事。御歌所所長。著「進講筆記」「埋木廼花(うもれきのはな)」など。
たかさぶ‐りゅうたつ【高三隆達】
[1527〜1611]室町末期・安土桃山時代の日蓮宗の僧。堺の人。日本に渡来した宋人の子孫で、書道・連歌・音曲などに非凡な才能を発揮。諸種の音曲を折衷して独特の隆達節を創始し、庶民の間に流行させた。
たかしな‐えいし【高階栄子】
丹後局(たんごのつぼね)の本名。
たかしな‐たかかね【高階隆兼】
鎌倉後期の絵師。絵所預(えどころあずかり)。大和絵技法の完成者とされる。「春日権現(かすがごんげん)験記絵巻」「春日明神影向御車図」が現存。生没年未詳。
たかしま‐かえもん【高島嘉右衛門】
[1832〜1914]実業家・易断家。常陸の人。号、呑象(どんしょう)。横浜で材木商・建築請負業などを営む。東京・横浜間の鉄道・国道工事に尽力。易学を研究し、「高島易断書」を著した。
たかしま‐しゅうはん【高島秋帆】
[1798〜1866]江戸後期の兵学者・砲術家。日本近代砲術の祖。長崎の人。名は舜臣(きみおみ)。通称、四郎太夫。オランダ人に蘭学・兵学・砲術を学び、高島流を創始。ペリー来航を機に講武所砲術指南...
たかしま‐べいほう【高島米峰】
[1875〜1949]宗教家・評論家。新潟の生まれ。仏教清徒同志会(のちの新仏教同志会)を組織、仏教界の革新に努め、また廃娼運動などにも活躍。のち東洋大学学長。著「般若心経講話」「一休和尚伝」など。
たかすえ‐の‐むすめ【孝標女】
⇒菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)
たかすぎ‐しんさく【高杉晋作】
[1839〜1867]江戸末期の勤王家。長門(ながと)の人。号、東行(とうぎょう)。長州藩に仕え、松下村塾に学び、奇兵隊を組織した。四国艦隊下関砲撃事件には正使として和議を結び、のち藩論を討幕...
たかす‐よしじろう【高須芳次郎】
[1880〜1948]評論家。大阪の生まれ。号、梅渓。明治文学史および水戸学の研究に業績を残した。著「東洋思想十六講」「日本現代文学十二講」など。
たかせ‐じゅんこ【高瀬隼子】
[1988〜 ]小説家。愛媛の生まれ。令和元年(2019)「犬のかたちをしているもの」ですばる文学賞を受賞して小説家デビュー。「おいしいごはんが食べられますように」で第167回芥川賞を受賞した。
たかた‐さなえ【高田早苗】
[1860〜1938]教育家・政治家。江戸の生まれ。大隈重信の東京専門学校(のちの早稲田大学)の創立に参画。同校で主に憲法学を講じ、のち総長。その間、衆議院議員当選6回。第二次大隈内閣では文相を...
たかた‐ひろあつ【高田博厚】
[1900〜1987]彫刻家。石川の生まれ。高村光太郎に師事し、渡仏してロマン=ロランやルオーなどと交遊。肖像彫刻をよくし、文筆にもすぐれた。
たかた‐みのる【高田実】
[1871〜1916]新派俳優。東京の生まれ。川上音二郎一座に入り、のち河合武雄・喜多村緑郎・井上正夫らと新派全盛時代を生み出し、「新派の団十郎」といわれた。
たかた‐やすま【高田保馬】
[1883〜1972]社会学者・経済学者。佐賀の生まれ。京大教授。人々の結合を重視する立場から社会関係を分析。唯物史観に次ぐ社会学史観を提起。著「社会学原理」「勢力論」など。
たかだ‐ともきよ【高田与清】
⇒小山田与清(おやまだともきよ)
たかだや‐かへえ【高田屋嘉兵衛】
[1769〜1827]江戸後期の海運業者。淡路の人。西国・北国から松前に航路を開き、幕府の択捉(えとろふ)島開拓に参加。文化9年(1812)ゴロブニン幽囚の報復としてロシアの軍艦に捕らえられ、翌...
たかなが‐しんのう【尊良親王】
[1311〜1337]後醍醐天皇の第2皇子。名は「たかよし」とも。元弘の変で土佐に流された。足利尊氏(あしかがたかうじ)の離反には新田義貞とともに戦い、越前金ヶ崎城を守ったが、落城し、自害した。
たかの‐いわさぶろう【高野岩三郎】
[1871〜1949]統計学者・社会問題研究家。長崎の生まれ。房太郎の弟。大原社会問題研究所所長。第二次大戦後は、日本社会党顧問・日本放送協会会長。
たかの‐すじゅう【高野素十】
[1893〜1976]俳人。茨城の生まれ。本名、与巳(よしみ)。高浜虚子に師事し、「ホトトギス」で活躍。句集「初鴉」「雪片」など。
たかの‐たつゆき【高野辰之】
[1876〜1947]国文学者。長野の生まれ。東京音楽学校・大正大学教授。上田万年に師事。歌謡・演劇史を研究。著「日本歌謡史」「日本歌謡集成」「日本演劇史」など。
たかの‐ちょうえい【高野長英】
[1804〜1850]江戸末期の蘭学者。陸奥(むつ)国水沢の人。名は譲(ゆずる)、のち長英。号、瑞皐(ずいこう)。長崎でシーボルトの鳴滝塾に学び、江戸で開業。渡辺崋山らと尚歯会を組織、開港論を唱...
たかの‐ふさたろう【高野房太郎】
[1869〜1904]労働運動家。長崎の生まれ。岩三郎の兄。渡米して職工義友会を組織。ゴンパーズの知己を得、AFL(米国労働総同盟)のオルグとして明治29年(1896)帰国。明治30年(1897...
たかの‐らんてい【高野蘭亭】
[1704〜1757]江戸中期の漢詩人。江戸の人。名は惟馨。字(あざな)は子式。17歳で失明。荻生徂徠(おぎゅうそらい)の門人。著「蘭亭詩集」。
たかはし‐おさむ【高橋治】
[1929〜2015]小説家。千葉の生まれ。映画監督を経て執筆活動に入り、戯曲・小説を手がける。伝記物の他、叙情的な恋愛小説でも広い読者層を得る。「秘伝」で直木賞受賞。他に「絢爛(けんらん)たる...
たかはし‐おでん【高橋お伝】
[1851〜1879]夫殺しその他の悪事を重ね、明治初期に処刑された女性。群馬の生まれ。その行状は仮名垣魯文「高橋阿伝夜叉譚(やしゃものがたり)」、河竹黙阿弥「綴合於伝仮名書(とじあわせおでんの...
たかはし‐かげやす【高橋景保】
[1785〜1829]江戸後期の天文学者。大坂の人。至時(よしとき)の子。字(あざな)は子昌。号、観巣。書物奉行兼天文方筆頭として語学・地理学を修め、伊能忠敬(いのうただたか)の測量事業を監督、...
たかはし‐かずみ【高橋和巳】
[1931〜1971]小説家・中国文学者。大阪の生まれ。戦後文学の影響を受け、知識人のあり方を追求した長編を発表。小説「悲の器」「邪宗門」「散華」など。
たかはし‐かつひこ【高橋克彦】
[1947〜 ]小説家。岩手の生まれ。浮世絵研究家として美術館に勤務した後、執筆活動に入る。江戸時代に対する深い知識を生かした時代物の推理小説の他、怪奇小説、SF、ミステリーなどを幅広く手がける...
たかはし‐かつみ【高橋克巳】
[1890〜1925]化学者。和歌山の生まれ。鈴木梅太郎の門下。タラの肝油からビタミンAを抽出。
たかはし‐きいちろう【高橋揆一郎】
[1928〜2007]小説家。北海道の生まれ。本名、良雄。住友石炭鉱業退社後、執筆に専念。「伸予」で芥川賞受賞。他に「ぽぷらと軍神」「友子」など。
たかはし‐けんじ【高橋健自】
[1871〜1929]考古学者。宮城の生まれ。東京帝室博物館に勤務して古墳時代の鏡や埴輪などの研究に貢献。著「鏡と剣と玉」など。
たかはし‐けんぞう【高橋健三】
[1855〜1898]官吏・ジャーナリスト。江戸の生まれ。明治22年(1889)より官報局長。また同年、岡倉天心らと月刊美術雑誌「国華」を創刊。明治26年(1893)には大阪朝日新聞に入社、明治...