ハリス【Townsend Harris】
[1804〜1878]米国の外交官。日米和親条約の結果、1856年(安政3)初代駐日総領事として下田に赴任。下田条約・日米修好通商条約締結に成功後、公使。62年(文久2)帰国。著「日本滞在記」。
ハリストス【(ロシア)Khristos】
ギリシャ正教で、キリストのこと。
ハリソン【Harrison】
(William Henry 〜)[1773〜1841]米国の政治家。第9代大統領。米英戦争などで活躍。上院・下院議員を歴任した後、1841年3月に大統領に就任。ホイッグ党。同年4月、任命後3...
はりつけ‐もざえもん【磔茂左衛門】
[?〜1686?]江戸前期の義民。上野(こうずけ)の人。本姓は杉木。沼田城主真田(さなだ)氏の悪政を幕府に直訴。真田氏は所領を没収され、茂左衛門は帰郷後、磔になったという。
ハリー【Edmund Halley】
⇒ハレー
ハル【Cordell Hull】
[1871〜1955]米国の政治家。F=ルーズベルト大統領のもとで国務長官。太平洋戦争直前の対日交渉では、「ハル‐ノート」を最終提案として提出。参戦後は国際連合の設立準備に貢献し、1945年ノー...
ハルシャバルダーナ【Harṣavardhana】
[?〜647]インド、バルダナ朝の王。在位606〜647年。即位以来、四方に征戦して北インドを統一。仏教を保護し、多数の寺院を建立。唐僧玄奘(げんじょう)もその治世にインドを旅行。戯曲「ラトナー...
ハルス【Frans Hals】
[1580ころ〜1666]オランダの画家。肖像画や、ユーモアに富む風俗画を得意とした。作「聖ゲオルギウス射手組合の士官たちの会食」など。
ハルデンベルク【Karl August Hardenberg】
[1750〜1822]プロイセンの政治家。1810年、シュタインの後を継いで宰相となり、ウィーン会議に全権として出席し、領土拡大に成功。ギルドの廃止、商業の自由の確立、各種税制の改革などに努力した。
ハルトマン【Karl Robert Eduard von Hartmann】
[1842〜1906]ドイツの哲学者。シェリングの影響のもとで、ショーペンハウアーの「意志」とヘーゲルの「理性」とを包括する「無意識者」をたて、これを万有の根源とした。著「無意識者の哲学」。
ハルトマン【Nicolai Hartmann】
[1882〜1950]ドイツの哲学者。初め新カント学派に属して認識論を研究したが、フッサールの現象学の影響を受けて存在論を哲学の中心と考えるようになり、独自の批判的存在論を提唱した。著「認識の形...
ハルトマン‐フォン‐アウエ【Hartmann von Aue】
[1165ころ〜1215ころ]中世ドイツの宮廷詩人。アーサー王伝説に取材した長編叙事詩「エーレク」「イーベイン」、宗教的題材を扱った短編「グレゴリウス」「哀れなハインリヒ」など。
はるのや‐おぼろ【春廼舎朧】
坪内逍遥の別号。
ハルバースタム【David Halberstam】
[1934〜2007]米国のジャーナリスト。ニューヨークタイムズの記者としてベトナム戦争を取材し、1964年ピュリッツァー賞を受賞。その後も綿密な取材とダイナミックな筆致で政府の失策や大企業の内...
ハルムス【Daniil Ivanovich Kharms】
[1905〜1942]ロシアの詩人・小説家・劇作家。ソ連時代の前衛文学団体「オベリウ」の代表者の一人。不条理に満ちた作風で知られる。逮捕され、獄中で餓死した。
はるやま‐ゆきお【春山行夫】
[1902〜1994]詩人・評論家。愛知の生まれ。本名、市橋渉(わたる)。上京して雑誌「詩と詩論」を創刊。詩集「月の出る町」「植物の断面」、評論「詩の研究」「文学評論」など。
ハレー【Edmund Halley】
[1656〜1742]英国の天文学者。ハレー彗星(すいせい)をはじめ多くの彗星の軌道を確定。また、月の長年加速や恒星の固有運動を発見。海洋学・気象学にも貢献した。ハリー。
ハロッド【Roy Forbes Harrod】
[1900〜1978]英国の経済学者。ケインズとは独立に有効需要論を発見。また、経済動学を発展させて経済成長理論の基礎を築いた。著「景気循環論」「経済動学」など。
ハワース【Haworth】
⇒ハース
はん‐かい【樊噲】
[?〜前189]中国、前漢の武将。沛(はい)(江蘇省)の人。鴻門の会で項羽に殺されかけた劉邦(りゅうほう)の危機を救い、天下統一後、舞陽侯に封ぜられた。
はんがく【板額】
鎌倉時代の勇婦。城資盛(じょうすけもり)のおば。建仁元年(1201)資盛が源頼家に抗し越後で挙兵した時、陣頭に立って奮戦したがついに捕らえられた。のちに浅利義遠(よしとお)の妻。生没年未詳。
はん‐がく【潘岳】
[247〜300]中国、西晋の詩人。滎陽(けいよう)(河南省)の人。字(あざな)は安仁(あんじん)。美男として有名。人の死を悼む哀や誄(るい)の文、詩では妻の死を悼んだ「悼亡詩」3首に才を発揮した。
はん‐こ【班固】
[32〜92]中国、後漢の学者。扶風安陵(陝西(せんせい)省)の人。班超(はんちょう)・班昭(はんしょう)の兄。字(あざな)は孟堅(もうけん)。詔を奉じて、父班彪(はんぴょう)の志を継ぎ「漢書」...
はん‐しょ【范雎】
中国、戦国時代の秦の宰相。初め魏に仕えたが、異心があると疑われて秦に逃れ、昭襄王に仕えて、遠交近攻の策を献じた。生没年未詳。
はん‐しょう【班昭】
中国、後漢の文人。扶風安陵(陝西(せんせい)省)の人。班固・班超の妹。曹世叔に嫁したが、夫の死後、和帝の詔により、兄の「漢書」編纂を引き継いで八表と天文志を完成した。「女誡」7編、「東征賦」を著...
はん‐しょうよ【班婕妤】
中国、前漢の女官。婕妤は官名。成帝に仕えたが、寵を趙飛燕姉妹に奪われた後は、退いて太后に仕えた。「怨歌行」はその時悲しんで作った歌といわれる。班女。
はん‐じょ【班女】
班婕妤(はんしょうよ)のこと。 謡曲。四番目物。世阿弥作。恋する吉田少将の残して行った扇を持った遊女の花子(はなご)が、物狂いとなって都へ上り、少将に再会する。 三島由紀夫の戯曲。をモチ...
はん‐せいだい【范成大】
[1126〜1193]中国、南宋の詩人。呉郡(江蘇省)の人。字(あざな)は致能。号、石湖居士。晩年の「四時田園雑興」60首は、江戸時代によく読まれた。南宋四大家の一人。紀行文「呉船録」など。
はんぜい‐てんのう【反正天皇】
記紀で、第18代の天皇。仁徳天皇の第3皇子。名は多遅比瑞歯別(たじひのみずはわけ)。倭の五王の一人、珍に比定する説がある。
はん‐ぞう【范増】
[?〜前204]中国、秦末の知将。楚の項羽に仕え、奇計をもって戦功を立て、亜父と称された。鴻門の会で劉邦を刺そうとして果たさず、のちに項羽と不和になり辞した。
はんだ‐よしゆき【半田義之】
[1911〜1970]小説家。神奈川の生まれ。国鉄に勤めたのち、日本映画の記者となる。戦後は、日本民主主義文学同盟(のちの日本民主主義文学会)の創立に参加。「鶏騒動」で芥川賞受賞。他に「風葬」「...
はんだ‐りょうへい【半田良平】
[1887〜1945]歌人。栃木の生まれ。窪田空穂に師事、「国民文学」同人として活躍。歌集「野づかさ」「幸木(こうぼく)」など。
はん‐ちゅうえん【范仲淹】
[989〜1052]中国、北宋の政治家。蘇州(江蘇省)の人。字(あざな)は希文。諡(おくりな)は文正公。辺境を守って西夏の侵入を防ぎ、その功により参知政事(副宰相)となった。「岳陽楼記」中の「先...
はん‐ちょう【班超】
[32〜102]中国、後漢の武将。扶風平陵(陝西(せんせい)省)の人。班固の弟。字(あざな)は仲升。西域に派遣されて諸国を服属させ、西域都護となり、定遠侯に封ぜられた。のち、洛陽に帰って病死。
ハントケ【Peter Handke】
[1942〜 ]オーストリアの劇作家・小説家。観客に罵声を浴びせる挑発的で反劇場的な戯曲「観客罵倒」で注目を集め、詩・戯曲・映画脚本など多方面の作品を発表した。のち小説に転じ、「ペナルティキック...
はんどう‐かずとし【半藤一利】
[1930〜2021]ノンフィクション作家。東京の生まれ。昭和史を扱った作品を中心に数多くの著作を残した。作「日本のいちばん長い日」「漱石先生ぞな、もし」「ノモンハンの夏」など。
はんどく【槃特】
⇒周利(しゅり)槃特 愚鈍な人。おろか者。
ハンニバル【Hannibal】
[前247〜前183]カルタゴの将軍。第二次ポエニ戦争でローマ軍に大勝したが、のちにローマの武将スキピオに敗れた。内政改革も反対にあって成功せず、小アジアに亡命して自殺。
はん‐ぴょう【班彪】
[3〜54]中国、後漢の歴史家。班固・班超・班昭兄妹の父。前漢の歴史書編纂を企てたが、数十編を作ったのみで没。班固・班昭が後を継いで「漢書」を完成した。
ハンムラビ【Hammurabi】
⇒ハムラビ
はんむら‐りょう【半村良】
[1933〜2002]小説家。東京の生まれ。本名、清野平太郎。SFの手法を取り入れた伝奇的な時代小説で人気を得る。特に、市井に生きる人々の目を通して歴史を仮構した人情ものが評価された。「雨やどり...
はん‐れい【范蠡】
中国、春秋時代末の越の忠臣。楚国苑(えん)(河南省)の人。越王勾践(こうせん)に仕えて富国強兵を図り、呉を滅ぼして会稽の恥をそそいだ。のち野に下り、陶朱公と称して巨万の富を築いたという。
ハーゲンベック【Karl Hagenbeck】
[1844〜1913]ドイツの動物調教師。1907年ハンブルク市に、自然を模した環境の中で放し飼いにする方式の動物園を開設。サーカス団長としても知られる。
ハーシェル【Herschel】
(Frederick William 〜)[1738〜1822]英国の天文学者。ドイツ生まれ。大型の反射望遠鏡を製作し、1781年に天王星を発見したのをはじめ、2500の星雲・星団、800の二...
ハース【Walter Norman Haworth】
[1883〜1950]英国の有機化学者。炭水化物・テルペン類を研究。P=カーラーとビタミンCの化学構造を決定し、合成に成功。1937年ノーベル化学賞受賞。ハワース。
ハースト【William Randolph Hearst】
[1863〜1951]米国の新聞経営者。ニューヨークでピュリッツァーの「ワールド」と販売合戦を行い、イエロージャーナリズムの全盛期をもたらした。全米各地の新聞および雑誌、放送局・通信社などを経営。
ハーディ【Thomas Hardy】
[1840〜1928]英国の小説家・詩人。故郷ウェセックス地方を背景に、運命に押し流される人間の姿を写実的に描いた。小説「テス」、叙事詩劇「覇王」など。
ハーディング【Warren Gamaliel Harding】
[1865〜1923]米国の政治家。第29代大統領。在任1921〜1923。共和党。ワシントン会議を成功させたが、在職中汚職事件が頻発した。在任中に肺炎により死亡。→クーリッジ
ハーバー【Fritz Haber】
[1868〜1934]ドイツの化学者。空中の窒素と水素とからアンモニアを合成する方法を開発し、ボッシュとともに工業化に成功。1918年ノーベル化学賞受賞。
スペンサー【Herbert Spencer】
[1820〜1903]英国の哲学者・社会学者。進化論に基づき、宇宙・生物・心理・社会・道徳の諸現象を総合的に説明。また、認識の相対性を主張し、実在の本性は不可知であるとした。主著「総合哲学体系」。