ムアーウィヤ【Mu‘āwiya】
[?〜680]ウマイヤ朝の初代カリフ。在位661〜680。シリア総督。海軍を創設し地中海に進出。第4代カリフのアリーと対決。アリー暗殺後カリフの位につき、ウマイヤ朝を創始。カリフの世襲制を確立した。
むかい‐きょらい【向井去来】
[1651〜1704]江戸前・中期の俳人。蕉門十哲の一人。長崎の人。名は兼時。字(あざな)は元淵。別号、落柿舎(らくししゃ)。京都嵯峨(さが)の落柿舎に住み、芭蕉に師事。野沢凡兆とともに「猿蓑(...
むかん‐ふもん【無関普門】
[1212〜1292]鎌倉時代の臨済宗の僧。信濃の人。京に上り、円爾(えんに)に師事。のち入宋して帰国後、東福寺3世を継いだ。また南禅寺を開山。諡号は仏心禅師・大明国師。
むがく‐そげん【無学祖元】
[1226〜1286]鎌倉時代、南宋から渡来した臨済宗の僧。弘安2年(1279)北条時宗の招きで来日。建長寺に住し、円覚寺を開山。無学派・仏光派とよばれ、日本禅宗に大きな影響を与えた。諡号は、仏...
むく‐はとじゅう【椋鳩十】
[1905〜1987]児童文学作家。長野の生まれ。本名、久保田彦穂(ひこほ)。自然や野生動物をテーマとする作品を多く書いた。作「片耳の大鹿」「孤島の野犬」「大造じいさんとガン」など。
むこうだ‐くにこ【向田邦子】
[1929〜1981]脚本家・小説家。東京の生まれ。脚本家として「七人の孫」「時間ですよ」など多数のヒット作を世に送り出す。その後、エッセー集や小説を発表し、人気を集めた。短編小説「花の名前」「...
むさしぼう‐べんけい【武蔵坊弁慶】
⇒弁慶
むしゃのこうじ‐さねあつ【武者小路実篤】
[1885〜1976]小説家・劇作家。東京の生まれ。トルストイに傾倒し、志賀直哉らと雑誌「白樺」を創刊。のち人道主義の実践場として「新しき村」を建設。文化勲章受章。小説「お目出たき人」「幸福者」...
むじゃく【無着/無著】
《(梵)Asaṅgaの訳》[310〜390ころ]インドの大乗仏教の論師。世親の兄。ガンダーラの人。初め小乗の僧であったが、弥勒(みろく)から空観(くうがん)を学んで大乗に転じ、瑜伽(ゆが)行・唯...
むじゃく‐どうちゅう【無着道忠】
[1653〜1745]江戸中期の臨済宗の僧。但馬(たじま)の人。別号、葆雨堂・照冰堂。妙心寺の竺印(ちくいん)に師事、広く教禅の学を修めた。妙心寺竜華院主。著「禅林象器箋」など。
むじゅう‐どうぎょう【無住道暁】
[1227〜1312]鎌倉後期の臨済宗の僧。鎌倉の人。号、一円。天台・真言を学び、円爾(えんに)に師事して臨済禅を修め、のち、尾張に長母寺を開山した。諡号は大円国師。著「沙石集」「雑談(ぞうだん...
むそう‐こくし【夢窓国師】
⇒夢窓疎石(むそうそせき)
むそう‐そせき【夢窓疎石】
[1275〜1351]南北朝時代の臨済宗の僧。伊勢の人。一山一寧・高峰顕日に師事。後醍醐天皇・足利尊氏らの篤信を受け、京都嵯峨に天竜寺を開山。天竜寺船による貿易を促し、また造園芸術を発展させた。...
ムソルグスキー【Modest Petrovich Musorgskiy】
[1839〜1881]ロシアの作曲家。国民楽派五人組の一人。ロシア国民音楽の創造に尽力。作品に、オペラ「ボリス=ゴドノフ」、ピアノ組曲「展覧会の絵」など。
ムッソリーニ【Benito Mussolini】
[1883〜1945]イタリアの政治家。社会党左派に属したが、第一次大戦で主戦論をとったため除名。戦後、ファシスタ党を結成し、1922年に独裁体制を樹立。エチオピアを侵略しアルバニアを併合、スペ...
むつ‐むねみつ【陸奥宗光】
[1844〜1897]外交官・政治家。和歌山藩士伊達宗広の子。脱藩し、坂本竜馬の海援隊に入る。明治維新後、伊藤内閣の外相。条約改正や下関条約の締結に手腕を発揮。著「蹇蹇録(けんけんろく)」など。
むとう‐きよし【武藤清】
[1903〜1989]建築学者。茨城の生まれ。東大教授。耐震設計の実用化に貢献し、日本の超高層建築時代を切り開いた。東京の霞が関ビルディングなどを設計。昭和58年(1983)文化勲章受章。
むとう‐さんじ【武藤山治】
[1867〜1934]実業家・政治家。愛知の生まれ。鐘淵(かねがふち)紡績社長。のち、政界浄化を志して実業同志会を組織し、衆議院議員となる。「時事新報」社長。政界革新を主張し、暗殺された。
むなかた‐しこう【棟方志功】
[1903〜1975]版画家。青森の生まれ。国際展で重ねて受賞。日本画の大作も多い。文化勲章受章。代表作「二菩薩釈迦十大弟子」など。
むに【牟尼】
《(梵)muniの音写。賢者・聖者の意。寂黙と訳す》 インドで、山林にあって沈黙の行をする人の称。 釈迦(しゃか)の尊称。釈迦牟尼。
むねたか‐しんのう【宗尊親王】
[1242〜1274]鎌倉幕府第6代将軍。在職1252〜1266。後嵯峨天皇の皇子。謀反の疑いで京に送還され、のち出家。歌集「柳葉和歌集」など。
むねちか【宗近】
平安中期の刀工。京都三条に住み、三条小鍛冶と称す。現存する有銘作品は少ないが、「三日月宗近」などにより、優美な太刀姿で知られる。また、「小狐丸(こぎつねまる)」の伝説は有名。生没年未詳。
むねなが‐しんのう【宗良親王】
[1311〜1385?]後醍醐天皇の皇子。名は「むねよし」とも。初め尊澄法親王と称し、天台座主となる。元弘の変に敗れて讃岐(さぬき)に配流。建武政権崩壊ののち還俗、南朝の中心として各地を転戦。「...
むねよし‐しんのう【宗良親王】
⇒むねながしんのう(宗良親王)
ムハ【Alfons Mucha】
⇒ミュシャ
ムハンマド【Muḥammad】
[570ごろ〜632]イスラム教の創唱者。メッカに生まれ、神アッラーの啓示を受けて伝道を始める。厳格な一神教を唱え、偶像を厳しく否定したため迫害を受け、622年にメジナに移り(ヒジュラ)、イスラ...
ムハンマド‐アブドゥフ【Muḥammad ‘Abduh】
[1849〜1905]近代エジプトのイスラム改革思想家。アフガーニーの感化を受け民族主義運動に参加。合理主義的立場からイスラム改革に努力した。特にアズハル大学の機構・教育改革に貢献。
ムハンマド‐アリー【Muḥammad ‘Alī】
[1769〜1849]近代エジプト、ムハンマド=アリー朝の開祖。オスマン帝国のエジプト太守。在位1805〜1848。マケドニア生まれ。エジプト国内を統一し、近代化に尽くす。1841年には太守の世...
ムハンマド‐イクバール【Muḥammad Iqbāl】
[1877〜1938]現代インド‐ムスリムを代表する詩人・思想家。イスラム国家独立の構想をいだいた。パキスタン建国の思想的先駆者で、国家的詩人。
むもん‐えかい【無門慧開】
[1183〜1260]中国、南宋の臨済宗の僧。杭州良渚(浙江(せっこう)省)の人。月林師観に参じて「無字」の公案によって大悟し、その著「無門関」に第一則として収めた。勅号、仏眼禅師。
むらい‐げんさい【村井弦斎】
[1864〜1927]小説家・ジャーナリスト。三河の生まれ。本名、寛。新聞小説や実用的読み物「食道楽」で人気を得た。小説「小説家」「小猫」など。
むらおか‐つねつぐ【村岡典嗣】
[1884〜1946]思想史学者。東京の生まれ。東北大教授。日本思想史学の開拓者。著「本居宣長」「日本思想史研究」など。
むらおか‐の‐つぼね【村岡局】
[1786〜1873]幕末の勤王家。本名、津崎矩子(つざきのりこ)。尊王攘夷運動に加わり、西郷隆盛らを援助して京都町奉行に捕らえられた。京都北嵯峨野の直指庵を再興。
むらおか‐はなこ【村岡花子】
[1893〜1968]翻訳家・児童文学者。山梨の生まれ。本名、はな。「赤毛のアン」シリーズなど海外の児童文学を多数翻訳したほか、創作童話も発表した。
むらかみ‐かがく【村上華岳】
[1888〜1939]日本画家。大阪の生まれ。本名、震一。土田麦僊(つちだばくせん)らと国画創作協会を結成。
むらかみ‐きじょう【村上鬼城】
[1865〜1938]俳人。江戸の生まれ。本名、荘太郎。正岡子規・高浜虚子に師事して「ホトトギス」に参加。著「鬼城句集」「鬼城俳句俳論集」など。
むらかみ‐げんぞう【村上元三】
[1910〜2006]小説家・劇作家。朝鮮の生まれ。戦後まもなく、佐々木小次郎をテーマにした小説を新聞に連載し、異色の時代小説作家として注目を集めた。「上総風土記(かずさふどき)」で直木賞受賞。...
むらかみ‐せんしょう【村上専精】
[1851〜1929]仏教学者・真宗大谷派の僧。丹波の生まれ。東大教授・大谷大学学長。雑誌「仏教史林」を創刊、仏教の歴史的研究を提唱。大乗非仏説論を主張した。著「仏教統一論」「日本仏教史綱」など。
むらかみ‐てんのう【村上天皇】
[926〜967]第62代天皇。在位、946〜967。醍醐天皇の皇子。名は成明(なりあきら)。関白藤原忠平の死後は摂関を置かず親政を行い、後世「天暦の治」と称された。
むらかみ‐なみろく【村上浪六】
[1865〜1944]小説家。堺の生まれ。本名、信(まこと)。別号、ちぬの浦浪六。撥鬢(ばちびん)小説とよばれる通俗小説を多数発表した。作「三日月」「奴の小万」など。
むらかみ‐はるき【村上春樹】
[1949〜 ]小説家。京都の生まれ。処女小説「風の歌を聴け」でデビュー。「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」で谷崎潤一郎賞受賞。「ノルウェイの森」は空前のベストセラーとなる。他に「羊...
むらかみ‐よしてる【村上義光】
[?〜1333]鎌倉末期の武将。信濃の人。通称、彦四郎。元弘の変で護良(もりなが)親王の身代わりとなり、吉野で自刃。
むらかみ‐りゅう【村上竜】
[1952〜 ]小説家。長崎の生まれ。本名、竜之助。米軍基地周辺に生きる若者の風俗を強烈に描いた「限りなく透明に近いブルー」で芥川賞受賞。江藤淳がサブカルチャー文学と評して論議を呼んだ。他に「コ...
むらかわ‐とおる【村川透】
[1937〜 ]映画監督。山形の生まれ。本姓、高橋。「蘇える金狼」「野獣死すべし」など、松田優作主演のハードボイルド作品を監督。他に「白い指の戯れ」「最も危険な遊戯」など。テレビドラマ「探偵物語...
むらがき‐のりまさ【村垣範正】
[1813〜1880]江戸末期の幕臣。江戸の人。号、淡叟。安政元年(1854)ロシア使節プチャーチンと応対。のち、箱館奉行・外国奉行・神奈川奉行・遣米使節副使などを歴任。
むらさき‐しきぶ【紫式部】
[973ころ〜1014ころ]平安中期の女流作家。越前守藤原為時の娘。藤原宣孝と結婚し、夫の没後、「源氏物語」を書き始める。一条天皇の中宮彰子(しょうし)に仕え、藤原道長らに厚遇された。初めの女房...
むらせ‐こうてい【村瀬栲亭】
[1744〜1819]江戸後期の儒学者。京都の人。名は之煕(ゆきひろ)。字(あざな)は君績(くんせき)。栲亭は号。武田梅竜に古注学を学ぶ。秋田藩に仕えて藩政に関与。晩年は官職を辞して京都に戻った...
むらた‐きよこ【村田喜代子】
[1945〜 ]小説家。福岡の生まれ。初めシナリオを学び、のち作家活動に入る。黒沢明監督の映画「八月の狂詩曲(ラプソディー)」の原作となった「鍋の中」で芥川賞受賞。「竜秘御天歌(りゅうひぎょてん...
むらた‐さやか【村田沙耶香】
[1979〜 ]小説家。千葉の生まれ。平成15年(2003)「授乳」が群像新人文学賞優秀作となり作家デビュー。平成25年(2013)「しろいろの街の、その骨の体温の」で三島由紀夫賞受賞。平成28...
むらた‐しんぱち【村田新八】
[1836〜1877]薩摩藩士。西郷隆盛に従って国事に奔走。西南戦争では薩軍の大隊長として活躍し、城山で戦死した。