あおに‐よし【青丹よし】
[枕] 1 「奈良」にかかる。奈良坂で顔料の青土を産したところからという。「—奈良の都は」〈万・三二八〉 2 「国内(くぬち)」にかかる。「—国内ことごと見せましものを」〈万・七九七〉
あか‐なくに【飽かなくに】
[連語]《動詞「あ(飽)く」の未然形+打消しの助動詞「ず」のク語法+格助詞「に」》 1 (詠嘆の意で)満足しないのになあ。あきたりないのになあ。「明けぬべく千鳥しば鳴く白たへの君が手枕(たまくら...
あしがき‐の【葦垣の】
[枕] 1 葦垣は古びて見え、乱れやすく、また、その結び目は間が近いところから、「古(ふ)る」「乱る」「間近し」などにかかる。「—古りにし里と」〈万・九二八〉 「—ま近けれども逢ふよしのなき」〈...
あずき‐な・し
[形ク]《「あじきなし」の上代語形》満足できない。ふさわしくない。無益だ。「なかなかに黙(もだ)もあらましを—・く相見そめてもあれは恋ふるか」〈万・二八九九〉
あと‐な・し【跡無し】
[形ク] 1 跡形もない。はかない。「しるべせよ—・き浪にこぐ舟のゆくへも知らぬやへの潮かぜ」〈新古今・恋一〉 2 人の往来がない。「かよひこし宿の道芝かれがれに—・き霜にむすぼほれつつ」〈新古...
あま‐つ‐そら【天つ空】
1 大空。天上の世界。また、手の届かない遠い所。「ひさかたの—にも住まなくに人はよそにぞ思ふべらなる」〈古今・恋五〉 2 皇居。宮中。また、天皇。「言の葉を—まで聞こえあげ」〈古今・雑体〉 3 ...
あま‐の‐かわら【天の河原】
1 天の川の河原。「霞立つ—に君待つとい行きかへるに裳の裾ぬれぬ」〈万・一五二八〉 2 高天原にある天安河(あまのやすのかわ)の河原。「ひさかたの—に八百万(やほよろづ)千万神の神集(かむつど)...
あらあら・し【粗粗し】
[形シク]作り方が雑である。粗末である。「布の帽額(もかう)—・しく、御調度どもおろそかに」〈徒然・二八〉
あらた‐よ【新た夜】
《1日1日と新しく変わっていく夜の意から》夜ごと夜ごと。毎夜。「—の一夜もおちず夢に見えこそ」〈万・二八四二〉
あら‐まき【荒巻/新巻/苞苴】
1 《もと、荒縄で巻いたところから》内臓を取って甘塩にするか薄い塩水に浸した鮭(さけ)。暮れの贈答品として用いる。あらまきざけ。《季 冬》 2 わら・葦(あし)や竹の皮などで魚を巻いたもの。つと...