うき‐ね【浮き根】
《「うき」は泥地の意》泥の中に生えている菖蒲(あやめ)などの根。和歌で「憂き音(ね)」と掛けて用いる。「—のみ袂(たもと)にかけしあやめ草引き違(たが)へたる今日ぞうれしき」〈栄花・浦々の別〉
うき‐ね【浮き寝】
1 水鳥が水に浮いたまま寝ること。 2 人が船の中で寝ること。「波の上に—せし宵あど思(も)へか心悲しく夢(いめ)に見えつる」〈万・三六三九〉 3 心が落ち着かないで、安眠できず横になっているこ...
うきね‐の‐とこ【浮き寝の床】
水の上や船の中などの寝る所。「鴛鴦(をしどり)の—や荒れぬらむつららゐにけり昆陽(こや)の池水」〈千載・冬〉
うきね‐の‐とり【浮き寝の鳥】
水に浮いたまま寝る鳥。和歌ではふつう、思う人に会えない嘆きにたとえていう。「涙川—となりぬれど人にはえこそみなれざりけれ」〈千載・恋一〉