とお‐つ【遠つ】
[連語]《「つ」は「の」の意の格助詞》遠くの。遠くにある。「霰(あられ)降り—大浦に寄する波よしも寄すとも憎くあらなくに」〈万・二七二九〉
とおつおうみ【遠淡海/遠江】
浜名湖のこと。琵琶湖を「近つ淡海」というのに対し、都から遠い湖の意。また、遠江(とおとうみ)の古称。「—引佐(いなさ)細江の水脈(みを)つくし我(あれ)を頼めてあさましものを」〈万・三四二九〉
とお‐つ‐おや【遠つ祖】
1 先祖。祖先。「中臣の—天児屋命(あまのこやねのみこと)」〈祝詞・中臣寿詞〉 2 祖父母の祖父。高祖父。〈和名抄〉
とお‐つ‐かみ【遠つ神】
[名]遠い昔、神であったころの先祖。「天降り来ましし伊支等(いきら)が—」〈出雲国風土記〉 [枕]「大君(おほきみ)」にかかる。「—我が大君の」〈万・五〉
とお‐つ‐くに【遠つ国】
遠くの国。遠方にある国。「—黄泉(よみ)の界(さかひ)に延(は)ふつたの己(おの)が向き向き」〈万・一八〇四〉