言(い)えた義理(ぎり)
今までのいきさつから当然言ってもよい立場・関係。反語・否定の表現に用いる。「今さら助けてくれなどと—か」
言(い)えば得(え)に
《「に」は打消しの助動詞「ず」の古い連用形》口に出して言おうとすれば、うまく言えないで。「—言はねば胸にさわがれて心ひとつに嘆くころかな」〈伊勢・三四〉
言(い)えば更(さら)なり
わざわざ新たに言う必要もないほどだ。もちろんである。言うも更なり。「目もあやに飾りたる装束有様—」〈源・若菜下〉
言(い)えば世(よ)の常(つね)
「言うも世の常」に同じ。
いえ‐らく【言へらく】
[連語]《動詞「いう」の已然形+完了の助動詞「り」のク語法「らく」》言ったことには。「妹が—常世辺(とこよへ)にまた帰り来て今のごと逢はむとならば」〈万・一七四〇〉