かたじけ‐あ・り【忝あり】
[動ラ変]かたじけない。「かたじけなし」をふざけて言った語。元禄(1688〜1704)のころの遊里ではやった。「埴生(はにふ)の小屋へのお立ち寄り、—・りといふものぢゃ」〈浮・置土産・一〉
かたじけな・い【忝い/辱い】
[形][文]かたじけな・し[ク] 1 もったいない。恐れ多い。「—・いお言葉」 2 身に受けた恩恵などに対して、感謝の念でいっぱいであるさま。身にすぎて、ありがたい。「ご好意のほどまことに—・く...
かたじけ‐なみだ【忝涙】
《「かたじけなし」の「なし」を「なみだ」に掛けた語》かたじけなく思い流す涙。ありがた涙。「情けにお庄が—」〈浄・歌祭文〉
かたじけな・む【忝む/辱む】
[動マ四]《形容詞「かたじけなし」の動詞化》かたじけないと思う。「みかど助け仕へ奉りたぶ事を、うむがしみ—・み念(おも)ほしめして」〈続紀宣命・二六詔〉
かたじけのう◦する【忝うする】
[連語]《「かたじけなくする」の音変化》もったいないことに…していただく。「ご交誼(こうぎ)を—◦する」