アイゼンメンジャー‐しょうこうぐん【アイゼンメンジャー症候群】
《Eisenmenger syndrome》心室中隔欠損などの疾患により肺高血圧症が亢進し、静脈血が動脈側に流れ込み、チアノーゼが現れる状態。左心房と右心房、左心室と右心室を隔てる壁に欠損孔があ...
アシドーシス【acidosis】
血液中の酸と塩基との平衡が乱れ、酸性側に傾いた状態。腎不全・糖尿病が原因で重炭酸(アルカリ)が失われたときなどにみられる。酸血症。酸毒症。酸性血症。アチドーゼ。→アルカローシス
アストロサイト【astrocyte】
グリア細胞の一種。多数の突起があり、星のように見えることからこの名がある。神経組織の形態維持、血液脳関門、神経伝達物質の輸送などの役割を担う。星細胞。アストログリア細胞。星状膠細胞。星状グリア細胞。
アスペルギルス‐しょう【アスペルギルス症】
アスペルギルス属の特定の菌種による感染症。免疫力が低下した人に日和見感染する深在性真菌症の一つ。肺・気管支・副鼻腔・角膜・外耳などに感染し、血液を介して全身に広がることもある。アスペルギルス感染症。
アダムス‐ストークス‐しょうこうぐん【アダムスストークス症候群】
心臓の拍動に異常があって脳へ流れる血液が不足するために起こる意識障害。19世紀、英国の外科医アダムス(R.Adams)と内科医ストークス(W.Stokes)がそれぞれ報告。 [補説]洞不全症候群...
あーるえいちプラス【Rhプラス[マイナス]】
Rh positive [negative]; Rh+[-]Rhプラス型の血液の赤ん坊an Rh-positive baby
加熱
heating加熱する heat牛乳を加熱するheat milkこのかきは加熱してから食べてくださいPlease cook these oysters before eating them.加熱...
鑑識
〔物を見分けること〕discernment;〔犯罪の鑑定〕criminal investigation;〔警察の科学的捜査〕forensic science鑑識の結果被害者の血液型はA型と分かっ...
凝血
〔血のかたまり〕a blood clot;〔固まった血液〕clotted [coagulated] blood傷口の周りは凝血しているThe blood has clotted around t...
凝固
congelation;〔特に,生物の体液の〕coagulation凝固する[させる] 〔液体が凍るなどして〕congeal;〔液体が化学作用によって〕coagulate;〔牛乳などが〕curd...
ち【血】
[共通する意味] ★動物の血管内を循環する体液。組織に酸素、栄養物質などを供給し、炭酸ガス、老廃物などを運び去る役目を持つ。[英] blood[使い方]〔血〕▽血を流す▽血と汗の結晶▽血の雨を降...
けつえき【血液】
[共通する意味] ★動物の血管内を循環する体液。組織に酸素、栄養物質などを供給し、炭酸ガス、老廃物などを運び去る役目を持つ。[英] blood[使い方]〔血〕▽血を流す▽血と汗の結晶▽血の雨を降...
ないしゅっけつ【内出血】
[共通する意味] ★血液が血管の外に出ること。[英] to bleed[使い方]〔出血〕スル▽出血が止まらない▽出血多量〔内出血〕スル▽内出血のために皮膚が紫色になった▽打ち身で内出血した〔溢血...
しゅっけつ【出血】
[共通する意味] ★血液が血管の外に出ること。[英] to bleed[使い方]〔出血〕スル▽出血が止まらない▽出血多量〔内出血〕スル▽内出血のために皮膚が紫色になった▽打ち身で内出血した〔溢血...
じょうみゃく【静脈】
[共通する意味] ★血管の種類。[使い方]〔動脈〕▽動脈を流れる新鮮な血▽動脈硬化▽動脈血〔静脈〕▽静脈が浮いて見える▽静脈注射▽静脈血〔毛細血管〕▽毛細血管が網目状に広がっている[使い分け]【...
ハーベー【William Harvey】
[1578〜1657]英国の医師。動物の解剖や実験を行い、血液循環の理論を解明して、近代生理学の基盤を築いた。晩年は胎生学を研究し、動物は卵から発生すると主張。
ふるはた‐たねもと【古畑種基】
[1891〜1975]法医学者。三重の生まれ。東大教授。科学警察研究所長。血液型の研究を専門として親子鑑定に応用したほか、帝銀事件・下山事件をはじめとする多くの事件で法医学鑑定を手がけた。著作に...
マイヤー【Julius Robert von Mayer】
[1814〜1878]ドイツの医者・物理学者。血液の色の観察から運動と熱との関係に着想し、エネルギー保存の法則に到達。熱の仕事当量を計算した。
ミュラー【Johannes Peter Müller】
[1801〜1858]ドイツの生理・解剖学者。血液成分、分泌腺の働き、腫瘍(しゅよう)の構造、生殖器官の発生など、広い分野の研究で、多くの業績がある。著「人体生理学便覧」。
ランドシュタイナー【Karl Landsteiner】
[1868〜1943]オーストリアの病理学者。ABO式血液型を発見し、輸血法に貢献。のち、MN式血液型・Rh因子も発見した。1930年ノーベル生理学医学賞受賞。
胃と大腸の病気(胃がん/急性胃炎/胃潰瘍/大腸ポリープ/結腸がん/虫垂炎/直腸がん)
胃と大腸の内側は表面を粘膜で覆われていますが、異変には非常にデリケートにできています。 そのため、胃は暴飲暴食などの刺激で胃粘膜が傷つきやすく、病的な変化をおこすと、痛みが生じたり、胸やけや吐き気など不快な症状が現れます。また、大腸は腹痛をはじめ、下痢や便秘、お腹が張った感じ、下血(血便)などの症状が現れます。 しかし、胃、大腸ともにがんやポリープなどができた場合、早期には自覚症状が現れにくく、病気を進行させてしまう恐れがあります。普段、異変を感じないからといって、胃や腸が丈夫だと過信はせずに定期的に検診を受けるよう心がけましょう。 胃壁の最も内側にある粘膜内の細胞が、何らかの原因でがん細胞となり、無秩序に増殖を繰り返すのが胃がんです。 がんは、はじめは30~60μm(1μmは1000分の1mm)の大きさから出発し、5㎜程度の大きさになったころから発見が可能になります。 がんは胃壁の外に向かって、粘膜下層、筋層、漿膜下層(しょうまくかそう)、漿膜へと徐々に深く広がり始めます。がんの深さが粘膜下層までのものを「早期胃がん」、粘膜下層を超えて筋層より深くに及ぶものを「進行胃がん」といいます。 早期胃がんは、診断・治療上の必要から、その病変部の表面の形状によって隆起型、表面隆起型、表面陥凹(かんおう)型、陥凹型に分類されます。 早期胃がんに特有の症状はありません(多くの場合、無症状です)。胸やけやげっぷ、食欲不振など胃炎とよく似た症状がでるケースもありますが、これは粘膜の炎症に関係したものです。 暴飲暴食や香辛料など刺激の強い食品、薬、ストレスなどが原因で胃粘膜に急性の炎症がおきた状態です。主な症状はみぞおちの下辺りの痛み、吐き気や嘔吐ですが、時に吐血・下血(血便)がみられます。 ストレスなどが原因で胃の粘膜がただれ、深い欠損が生じた状態です。重症になると胃壁に穴があく(穿孔(せんこう))こともあります。みぞおちの下辺りの痛み(食後1~2時間に増強)、胸やけ、げっぷなどが典型的な症状で、吐血・下血がみられることもあります。 結腸に発生するがんで、発生部位により右側結腸がん(上行結腸がん)、左側結腸がん(下行結腸がん、S状結腸がん)と呼ばれます。とくにS状結腸にはがんができやすく、直腸がんと合わせて大腸がん全体の約7割を占めます。 多くの場合、初期には無症状です。この部位にある内容物(便)は液状であり、比較的腸管が太いため、がんができても閉塞することはあまりありません。ただし、進行すると右下腹部のしこり、便秘や下痢、黒色便、貧血などの症状がみられます。 初期症状は下血(血便あるいは血液と粘液が混じった粘血便)です。この部位にある内容物(便)は固形で腸管も細いため、がんができると狭くなったり閉塞することがよくあります。そうなると便秘と下痢を繰り返したり、腹痛がしたり、便とガスが出なくなったりします。 盲腸の下にある腸管の一部・虫垂が細菌やウイルスに感染して炎症をおこし、化膿した状態です。主な症状は腹痛(初期にみぞおちやへその辺りから痛みだし、右下腹部へと移動)、吐き気、嘔吐です。炎症が進むにつれ、37~38℃の発熱がみられます。 大腸の粘膜から発生する隆起した突出物(腫瘤)を大腸ポリープといいます。 大腸ポリープは、がん化することはない"非腫瘍性ポリープ"とがん化する"腫瘍性ポリープ"に大別されます。 非腫瘍性ポリープには、若年性ポリープ(幼児、小児の直腸にできる)、炎症性ポリープ(大腸炎が治る過程でできる)、過形成ポリープ(高齢者の直腸にできる)があります。 腫瘍性ポリープは腺腫ともいいます。大腸ポリープの約8割は腺腫です。腺腫のほとんどが1cm以下の大きさですが、2cm以上に成長するとがん化の可能性が高くなります。大腸がんの多くはこの腺腫から発生すると考えられています。 大腸ポリープの形状は、茎のあるものや扁平なものまでさまざまです。加齢とともに増加する病気で、多くは無症状ですが、まれに下血がみられます。 大腸の終末部・直腸にできるがんです。固形状になった便が病変部を刺激するため、早期に下血(血便、粘血便)がみられることがよくあります。がんが大きくなって腸管を詰まらせると便秘と下痢を繰り返したり、排出された便が普段より細くなります。また、がんがあるため、排便しても腸に便が残っている感じがします。
AST・ALT・γ-GTP検査の目的
肝臓・胆道などのトラブルをチェック AST、ALT、γ-GTPは、肝臓病や胆道系の病気を調べるための検査です。これらの検査だけで、肝臓病や胆道系の病気を診断することはできませんが、肝臓に障害があるかどうかを調べる第一段階の検査として、重要な意味をもつ検査です。いずれも採血して、血液中のそれぞれの値を計ります。 ASTは、心筋や肝臓、骨格筋、腎臓などに多く含まれているため、これらの臓器の細胞の障害は、血液中のASTにもすぐに反映されます。また、ALTは、とくに肝細胞の変性や壊死に敏感に反応します。そのため、肝臓病を診断するためには、ASTと肝臓の病変に敏感に反応するALTを必ず併せて調べることが重要になります。 γ-GTPは、肝臓では胆管系に多く分布しており、肝臓に毒性のある薬やアルコールに敏感に反応します。また、γ-GTPは胆道系酵素とも呼ばれており、黄疸の鑑別にも有効で、ASTやALTよりも早く異常値を示すため、スクリーニング(ふるい分け)検査としてよく用いられます。 ASTとALTに異常値が出た場合は、急性肝炎や慢性肝炎、アルコール性肝障害、肝硬変、肝臓がん、閉塞性黄疸などが考えられます。また、甲状腺機能亢進症や貧血などでも、AST・ALTが上昇します。ASTは心筋にも多く含まれているため、ASTの高値では心筋梗塞も疑われます。 ただ、両者の値は、肝細胞がどの程度壊れているかを示すものです。肝細胞の再生能力は非常に強いので、多少基準値から外れていても、壊れた分を再生できればとくに問題はありません。 また、ASTとALTは、両者のバランスを見ることも大切です。通常、ASTとALTはほぼ同じ値を示しますが、病気によってはASTとALTの比が変わってくることがあります。 γ-GTPが上昇する第1の要因は、肝臓の薬物代謝酵素が活性化していることです。 多くの薬は、肝臓のミクロゾームという部分にある薬物代謝酵素によって分解、解毒されます。γ-GTPもこの酵素の一種で、常に分解すべき物質が送り込まれていると、活性が高まり、血液中の値が上昇します。 γ-GTPの上昇にかかわる薬には、睡眠薬や抗けいれん薬のフェニトイン、鎮静薬のフェノバルビタール、糖尿病の薬、副腎皮質ホルモン薬などがあります。 また、アルコールも薬物の一種ですから、大量の飲酒を続けていると、アルコール分解酵素の活性が高まり、これを反映してγ-GTPが上昇します。 γ-GTPが上昇する第2の要因は、胆汁の停滞です。がんや胆石などで毛細胆管が圧迫されると、γ-GTPが上昇します。この傾向はASTやALTも同じなので、三者が同じように高値を示す場合は、胆道系の病気が疑われます。一方、γ-GTPだけが高値を示す場合は、第1の要因であげた薬剤性肝障害やアルコール性肝障害の可能性が高くなります。 AST、ALT、γ-GTPの検査で肝機能低下が疑われるときは、さらに詳しい検査を受けます。 肝臓病の代表ともいえる肝炎は、進行すると肝硬変、さらには肝臓がんへ発展することがあります。 AST、ALT、γ-GTPで「異常なし」の判定を受けた場合でも、大量の飲酒の習慣のある人、血糖値や血中脂質に異常がある人は、要注意です。脂肪肝が潜んでいる可能性がゼロではないからです。 脂肪肝では、とくにγ-GTPが高値を示すのですが、アルコール性肝障害でもγ-GTPが高値にならない人がおり、厚生労働省の調査によると、脂肪肝の患者のうち、γ-GTPが異常値を示したのは全体の3割強にとどまるといった報告もあります。 また本来、非アルコール性の脂肪肝は、肥満による内臓脂肪が原因で、肥満を改善したり、飲酒を制限することで回復する良性の病気です。 しかし、この脂肪肝の一部には、肝硬変に移行し、肝がんを合併する悪性のものがあります。これを非アルコール性脂肪肝炎といいます。
肝臓の役割
肝臓には、生命維持に不可欠なはたらきがいくつもありますが、主なはたらきは「代謝」「解毒」「胆汁の生成」です。 代謝とは、食べ物から吸収された栄養素を体内で利用できる形につくり変えたり、貯蔵したり、供給したりするはたらきをいいます。 解毒とは、からだに有害な物質を分解して、無害な物質に変える機能のこと。体内でつくられる有害物質は、肝臓で無害な物質に変換されて、尿や便とともに排出されます。 もう一つ、肝臓には胆汁の生成という重要な役割があります。脂肪の消化・吸収に必要な胆汁を生成し、胆のう・胆管を経て腸へ送り出すはたらきのことです。 胆汁の成分の大部分は水分ですが、胆汁色素の「ビリルビン」や胆汁酸、コレステロールなどが一緒に溶けています。 そのほかにも肝臓は、女性ホルモンの代謝や血液の一時的な貯蔵、古くなった赤血球からヘモグロビン(たんぱく質)を分解し、ビリルビンをつくるなどの役割も担っています。