かんちゅうずいば【管仲随馬】
管仲が戦いの帰り道で道に迷ったとき、一度通った道を覚えているとされる老いた馬の知恵を借りようと、これを放ってそのあとに従い道を見出した故事。もと管仲のような知恵者ですら馬の知恵に頼るのに、人が聖人の知恵に頼らないことを戒めた語。のち転じて、先人の経験を尊重するたとえ。また、人には得意不得意があるたとえとして用いられることもある。
かんねいじゃち【奸佞邪智】
心がひねくれて、ずるがしこく立ち回ること。またその人。▽「奸佞」は心がねじけてへつらうこと。「奸」は心がねじけて正しくない意。「佞」はおもねる。また、口先や態度は巧みだが心はねじけている意。「邪智」は悪知恵。「奸」は「姦」、「智」は「知」とも書く。「邪智奸佞じゃちかんねい」ともいう。
かんのうとち【肝脳塗地】
むごたらしい死にざまや殺され方のこと。また、忠誠を誓って、どんな犠牲も惜しまないことのたとえ。死者の腹から内臓が飛び出し、頭が割られて脳味噌のうみそが出て泥まみれになっているさま。死者の肝臓や脳が泥まみれになっている意から。▽「肝脳」は肝臓と脳髄。「塗地」は土まみれになること。また転じて、戦いに負けるさま。「塗」はまみれる意。一般に「肝脳かんのう地ちに塗まみる」と訓読を用いる。
かんふようはつ【間不容髪】
すぐにということ。非常に差し迫ったさま。髪の毛一本も容いれられないほど事と事の間にすきまがないこと。▽一般に「間かん、髪はつを容いれず」と訓読を用いる。
かんりてんとう【冠履転倒】
上下の順序が逆になっていること。また、順序や秩序が乱れるさま。
かんりとうえき【冠履倒易】
人の地位や立場、また、物事の価値が上下逆さまで秩序が乱れているさま。本来頭にかぶるべき冠かんむりを足につけ、足にはくべき履くつを頭にかぶる意から。▽「倒」は逆さまになる意。「易」はかわる、入れかわる意。
かんわきゅうだい【閑話休題】
それはさておき。ともかく。話が横道にそれたのを本筋に戻すときにいう語。主として文章中で用いる。▽「閑話」は暇にまかせてする無駄話のこと。「休題」は話すことをやめること。また、話題を転ずること。「閑」は「間」とも書く。
がいかんじてい【蓋棺事定】
人は死んではじめて、その評価が定まるということ。また、生前の評価は利害などがからんでいるので、あてにならないことのたとえ。
がいこうないしつ【外巧内嫉】
表面上は巧みにとりつくろっているが、内心ではねたんでいること。▽「外巧」は外面上美しく巧みに飾り立てていること。「嫉」はねたむ意。
がいじゅうないごう【外柔内剛】
外見は穏やかでやさしそうだが、心の中は何事にも左右されない強い意志をもっていること。外見は弱々しく見えるが、案外気の強いことにもいう。▽「柔」は穏やかなこと。おとなしいこと。「剛」は意志などが強いこと。「内剛外柔ないごうがいじゅう」ともいう。