いっぺきばんけい【一碧万頃】
海などの水面が、はるかかなたまで青々と広がっていること。▽「碧」は青・青緑・濃い青の色で、海や湖などのたとえ。「頃」は面積の単位。一頃は百畝ひゃっぽで、周代では百八十二アール、宋そう代では五百六十六アール。「万頃」はきわめて広いたとえ。
いっぺんのひょうしん【一片氷心】
俗塵ぞくじんに染まらず清く澄みきった心、また心境のこと。名利を求めず、汚れなく清らかな品行のたとえ。ひとかけらの氷のように清く澄んだ心の意から。▽「氷」は「冰」とも書く。
いっぽうつうこう【一方通行】
片方にのみ進行できること。また、そのように交通規制された道路。比喩的に、意思の疎通に相互関係がないこと。
いっぽんぢょうし【一本調子】
音楽で音の高低、音調、また語調や口調、文章などが単純で変化に乏しいこと。
いつぼうのあらそい【鷸蚌之争】
利益を求めて二者が争っているうちに、第三者にその利益をよこどりされてしまうような無益な争いのこと。
いつやのらん【乙夜之覧】
天子が読書すること。読書の大切さをいうたとえ。
いとうひつずい【意到筆随】
詩文などを作るとき、心のまま自然に筆が進むこと。▽「意到」は感興がおこる意。また、書きたい意欲がわくこと。「筆随」は筆が心の動きに応じて、すらすら進むこと。一般に「意い到いたりて筆ふで随したがう」と訓読を用いる。
いとんのとみ【猗頓之富】
巨万の富、莫大ばくだいな財産のたとえ。
いどくせいどく【以毒制毒】
悪事を滅ぼすのに悪事を利用すること。また、病気を治すのに毒薬を用いること。
いはつそうでん【衣鉢相伝】
教法や奥義を伝え継承すること。弟子が師の教えを受け継ぎ伝えること。今では広く先人の事業や業績を継ぐことにもいう。▽もと仏教語。「衣鉢」は三衣さんねと一鉢で、「衣」は袈裟けさ、「鉢」は托鉢たくはつのとき施し物を受ける鉢のこと。師から教えを受けるとき、この法具を用いることから、転じて奥義、師から伝えられた教えの意。「相伝」は受け伝えること。「衣鉢」は「いはち」「えはつ」とも読む。