いちまいかんばん【一枚看板】
一座の代表的な役者のこと。また、多くの人の中で中心となる人物のこと。また昔、武家で中間ちゅうげんや小者に支給された着物を「かんばん」と呼んだことから、一着しかない衣服、人に見せられるような着替えのないこと。▽「一枚看板」は、歌舞伎かぶきで、出し物の演目(外題げだい)や主な役者の名や絵姿を、一枚の看板に書いて、劇場の前に掲げたことから出た語で、一枚の看板に名前ののるほどの役者の意から転じた。
いんじょうへいこん【引縄批根】
力を合わせて、他人を根こそぎ排斥すること。また、はじめ擦りより後に手のひらを返した者たちに、報復してうらみをはらすこと。
おんぞうえく【怨憎会苦】
怨うらみ憎む者にも会わなければならない苦しみのこと。仏教で説く、人間界の八つの苦しみの一つ。▽「怨憎会」は怨み憎む者に会うこと。
けんどちょうらい【捲土重来】
一度敗れたり失敗したりした者が、再び勢いを盛り返して巻き返すことのたとえ。巻き起こった土煙が再びやって来る意から。▽「捲土」は土煙が巻き上がることで、勢いの激しいことのたとえ。「重来」は再びやって来ること。もとは一度敗れた軍が再び勢いを盛り返して攻めて来ることをいった。「捲」は「巻」とも書く。また、「重」は「じゅう」とも読む。
しゅうふうさくばく【秋風索漠】
[ト・タル][文][形動タリ]秋風が吹いて草木が生気を失い、うら寂しくなるさま。また、盛んだった昔の面影もなく、ひっそりとしてわびしいさま。「—として訪れる人もない」
しゅしんこうし【朱唇皓歯】
美人の形容。赤い唇と白い歯の意から。▽「皓」は白い意。「唇」は「脣」に同じ。
しゅんじつちち【春日遅遅】
春の日が長く、暮れるのが遅いさま。春の日がうららかでのどかなさま。▽「遅遅」は日が長く、のどかなさまをいう。
せんぼうしさ【瞻望咨嗟】
はるかに望み見てうらやみ、ため息をつくこと。高貴な人を非常にうらやむこと。▽「瞻望」は仰ぎ見て慕う。「咨嗟」はため息をつく。高貴な人のすばらしさを敬慕しつつ、ため息をついてうらやむ意味。
たじょうたこん【多情多恨】
感じやすい気持ちをもっているために、恨みや悔い、悲しみに思うようなことも多いこと。また、そのさま。▽「恨」はうらむ、憎む意。「多恨多情たこんたじょう」ともいう。
つつうらうら【津津浦浦】
全国至る所。全国のすみずみ。▽「津」は港。「浦」は海辺や海岸のこと。至る所の港や海辺ということから。「津津」は「つづ」とも読む。