かくがんかんか【隔岸観火】
他人の災難に対して手を貸して救おうとせず、ただ傍観していること。岸を隔てて対岸の火事を見る意から。▽「観火」は火事を見物すること。「岸きしを隔へだてて火ひを観みる」と訓読する。
かくじんかくよう【各人各様】
人によって、それぞれやり方などが違うこと。人さまざま。
かくせいいでん【隔世遺伝】
祖先(特に祖父母)にあった劣性の遺伝形質が、隔たった世代の子孫にあらわれる現象のこと。
かくせいのかん【隔世之感】
世の中がすっかり変わってしまったと感じる気持ちのこと。
かくぜんたいこう【廓然大公】
心が何のわだかまりもなくからっと広く、少しの偏りもないこと。君子が学ぶべき聖人の心をいう語。また、聖人の心を学ぶ者の心構えをいう語。▽「廓然」は心がからりと広いさま。「大公」は大いに公平で私心のないこと。「大」は「太」とも書く。
かくちにっしん【格致日新】
物事の道理や本質を追い求めて知識を深め、日々向上していくこと。▽「格致」は「格物致知」の略()。「日新」は日ごとに新しくなる、日ごとに向上する意。
かくねんたいご【廓然大悟】
疑いの心が晴れて確信すること。
かくねんむしょう【廓然無聖】
仏語。「碧巌録」にある言葉で、大悟(だいご)の境地には聖人と凡夫の区別はないということ。
かくはつどうがん【鶴髪童顔】
老人の元気のあること。老いてなお精気盛んなこと。つるのように白髪で、幼い血色のいい顔をしている意から。▽「鶴髪」はつるの羽毛のように真っ白な髪であることから白髪、しらがの雅称。「童顔」は子供の顔のこと。また、子供のように血色のいい顔つきをいう。「童顔鶴髪どうがんかくはつ」ともいう。
かくぶつちち【格物致知】
物事の道理や本質を深く追求し理解して、知識や学問を深め得ること。『大学』から出た語で、大きく分けて二説ある。宋そうの朱熹しゅきは出典を「知を致いたすは物に格いたるに在り」と読んで、自己の知識を最大に広めるには、それぞれの客観的な事物に即してその道理を極めることが先決であると解釈する。一方、明みんの王守仁おうしゅじん(王陽明)は「知を致すは物を格ただすに在り」と読んで、生まれつき備わっている良知を明らかにして、天理を悟ることが、すなわち自己の意思が発現した日常の万事の善悪を正すことであると解釈している。他にも諸説ある。▽「致知格物ちちかくぶつ」ともいう。