そうこほうし【桑弧蓬矢】
桑でできた弓と、よもぎでできた矢のこと。男子が志を立てるたとえ。また、その遠大な志のたとえ。▽「弧」は弓。古代中国の諸侯は、男児が生まれると「桑弧」で「蓬矢」を天地四方に向けて射て、将来世の中に大きく羽ばたいてほしいと願ったことから。
ぞくもうりり【属毛離裏】
親と子の関係の深いこと。▽「属」は付属する、つながる意。「毛」はからだの表面にあることから、陽の存在を意味して父親のこと。「離」は着く意。「裏」は血肉・母胎を意味し母親のこと。子が父親を手本とし、母親に愛育されて成長することをいう。また、子が父親の気を受け継ぎ、母親の胎内を経て生まれ出ることをいい、血肉のつながりが深いことをいう。
たいきしょうよう【大器小用】
大きな器を小さなことに用いるということから、大人物につまらない仕事をさせること。すぐれた才能の持ち主でありながら、低い地位にしか用いられないこと。人材の用い方が当を得ていないことのたとえ。▽「大器」は大きな器量。また、偉大な人物のこと。
たいきばんせい【大器晩成】
大きな器は完成するまでに時間がかかることから、真に偉大な人物も大成するのが遅いということ。大人物は遅れて頭角を現すということ。才能がありながら不遇である人に対する慰めの言葉としても用いる。▽「大器」は偉大な器量をもつ人。「晩成」は多くの時間を費やして成就すること。
たいざんほくと【泰山北斗】
泰山と北斗星のこと。その道で大家として仰ぎ尊ばれる人。また、学問・芸術などある分野の権威・第一人者のたとえ。略して「泰斗」という。▽「泰山」は中国山東省にある名山。「北斗」は北斗七星で、ともにだれもが仰ぎ見る存在であることから。「泰」は「太」とも書く。
たいみひったん【大味必淡】
本当においしい食べ物は味が淡白であることから、淡白なものこそ真にすぐれており、好まれるものだということ。濃厚な味は一時的に好まれても長続きはせず、淡白な味はいつまでも好まれるという意。▽「大味」はすぐれたよい味の意。「淡」はうすい、あっさりしている意。「大味たいみ、必かならず淡あわし」と訓読する。
たざんのいし【他山之石】
他の山に転がっている粗末な石でも、自分の玉を美しく磨くのには役立つということから、他人のつまらない言動も自分の知識や品格を磨くのに役立つこともあるというたとえ。
だんぺんざんかん【断編残簡】
一部が欠けて不完全な書き物。▽「断編」はきれぎれの文章。「簡」は竹の札で、古くはこれに文章を書き付けていたことから書物のこと。
ちくしつどうぼう【築室道謀】
余計な意見ばかり多くてまとまらず、物事がなかなか完成しない、また、結局失敗することのたとえ。▽「築室」は家を建てること。「道謀」は道を行き来する人に相談すること。家を建てようとして道行く人に相談していると、いろいろな意見があって一定の見解がなく、決着できないことから。
ちょうさんりし【張三李四】
ありふれた平凡なつまらない人のたとえ。張氏の三男と李氏の四男の意。張も李も中国ではありふれた非常に多い姓であることから。