よいんじょうじょう【余韻嫋嫋】
音が鳴りやんでも、なお、かすかに残る響き。また、その音が細く長く続く様子。詩や文章の言外の趣や、事が終わったあとの情緒あふれる風情にもたとえる。▽「嫋嫋」は音声の細く長く続くさま。「韻」は「音」とも書く。
ようかいへんげ【妖怪変化】
人知を超えた不思議な現象を引き起こす化け物。▽「妖怪」「変化」は、ともに化け物のこと。
ようこうしゃぞう【用行舎蔵】
出処進退の時機をわきまえていること。また、出処進退が時宜にかなっていること。君主に任用されれば、世に出て能力を発揮し、見捨てられれば、世間から身を隠し、静かに暮らすこと。▽「舎」は「捨」に同じで捨てる意。「蔵」は隠れる意。「用もちいらるれば行おこない舎すてらるれば蔵かくる」と訓読する。「舎」は「捨」とも書く。
ようしつこひ【羊質虎皮】
外見は立派だが、それに伴う実質がないたとえ。実際は羊なのに、とらの皮をかぶっている意から。▽「羊質ようしつにして虎皮こひす」と訓読する。また、「虎皮羊質こひようしつ」ともいう。
ようせいそうし【養生喪死】
生ある者を十分に養い、死んだ者を手厚く弔うこと。孟子もうしは、これを王道政治の始めとした。▽「養生」は父母や妻子を豊かに生活させる意。「生」は「じょう」とも読む。「生せいを養やしない死しを喪そうす」と訓読する。
ようりんけいじゅ【瑶林瓊樹】
人品が気高く、衆にすぐれていること。玉のように美しい木や林の意から。▽「瑶」「瓊」は、ともに美しい玉で、すぐれて美しいもの、高潔なもののたとえ。
らくせいかせき【落穽下石】
人の弱味につけ入って、さらに害を与えること。落とし穴に落ちた人に、さらに上から石を落とす意から。▽「穽」は落とし穴。「穽せいに落おちて石いしを下くだす」と訓読する。「穽」は「井」とも書く。
らっかりゅうすい【落花流水】
落ちた花が水に従って流れる意で、ゆく春の景色。転じて、物事の衰えゆくことのたとえ。時がむなしく過ぎ去るたとえ。別離のたとえ。また、男女の気持ちが互いに通じ合い、相思相愛の状態にあること。散る花は流水に乗って流れ去りたいと思い、流れ去る水は落花を乗せて流れたいと思う心情を、それぞれ男と女に移し変えて生まれた語。転じて、水の流れに身をまかせたい落花を男に、落花を浮かべたい水の流れを女になぞらえて、男に女を思う情があれば、女もその男を慕う情が生ずるということ。▽「流水落花りゅうすいらっか」ともいう。
らりこっぱい【乱離骨灰】
ばらばらに離れ散ること。めちゃめちゃになった様子。さんざん。▽「らりこはい」とも読む。「乱離」は「羅利」とも書き、「骨灰」は「粉灰」「骨敗」「忽敗」とも書く。
らんここうしん【覧古考新】
古い事柄を顧みて、新しい問題を考察すること。▽「覧古」は古い物事を深く思うこと。「古」は「故」とも書く。「古ふるきを覧み、新あたらしきを考かんがえる」と訓読する。