ふくりょうほうすう【伏竜鳳雛】
才能がありながら機会に恵まれず、力を発揮できない者のたとえ。機会を得ず、まだ世に隠れているすぐれた人物のたとえ。また、将来が期待される若者のたとえとしても用いる。▽「伏竜」は伏し隠れている竜。「鳳雛」は鳳おおとりのひな。「鳳」は想像上の瑞鳥ずいちょう、鳳凰ほうおうのこと。「竜」は「りゅう」とも読む。
ふんぼのち【墳墓之地】
祖先代々の墓がある土地。生まれ故郷。また、そこで一生を終えて骨を埋めようと決めている土地。
ほうがんびいき【判官贔屓】
弱者や薄幸の者に同情し、味方したり応援したりすること。また、その気持ち。▽「判官」は官職の名で、ここでは検非違使けびいしの尉じょう(判官)の職にあった源義経みなもとのよしつねのこと。「贔屓」は目をかけること。源義経が兄の頼朝よりともにねたまれて滅んだことに、人々が同情を寄せたことからいう。「判」は「はん」とも読む。
ほくとしちせい【北斗七星】
大熊座おおぐまざの七つの星。北の空にひしゃくの形をなして連なるのでいう。▽「斗」はひしゃくの意。
ほりゅうのしつ【蒲柳之質】
生まれつきからだが弱く、病気にかかりやすい体質。
ほんがんおうじょう【本願往生】
阿弥陀仏の本願によって極楽浄土に生まれること。
むしむじゅう【無始無終】
始めも終わりもなく、限りなく続いていること。生ある者があの世からこの世へと生まれ、苦しみを味わい、再び死んであの世へ戻っていくという輪廻りんねが無限であること。▽仏教語。「始終」を分けて、それぞれに「無ない」をつけた語。「始はじめ無なく終おわり無なし」と訓読する。「終」は「しゅう」とも読む。
むてかつりゅう【無手勝流】
戦わずに、策略で相手に勝つこと。また、その方法。また、師伝によらず、自分で勝手にきめた流儀。自分勝手にやること。また、そのやり方。自己流。無手で勝つ流儀の意から。▽「無手」は手に武器・道具などを持たないこと。剣客塚原卜伝つかはらぼくでんが渡し舟の中で、武者修行者から真剣勝負をいどまれたとき、相手を小洲に上がらせ、自分は上がらずに竿さおで船を突き放し、「戦わず勝つ、これが無手勝流だ」と言って血気の勇を戒めた逸話から。
もうきふぼく【盲亀浮木】
会うことが非常に難しいこと、めったにないことのたとえ。また、人として生まれることの困難さ、そしてその人が仏、または仏の教えに会うことの難しさのたとえ。▽大海中に棲すみ、百年に一度だけ水面に浮かび上がる目の見えない亀かめが、漂っている浮木のたった一つの穴に入ろうとするが、容易に入ることができないという寓話ぐうわによる。「盲亀浮木に値あう」の略。
もんじゅのちえ【文殊知恵】
たぐいまれなほど、すぐれた知恵。すばらしい考え。