あんきょらくぎょう【安居楽業】
地位など、今いる環境や状況に心安らかに満足し、自分の仕事を楽しんですること。自分の分ぶんをわきまえて不満をもたず、心安らかに自分のなすべき仕事をすることをいう。また、転じて善政の行われていることのたとえ。世が治まり生活が安定して、みなそれぞれの仕事に励む意から。▽「居きょに安やすんじ、業ぎょうを楽たのしむ」「安居あんきょして業ぎょうを楽たのしむ」と訓読する。
いたいふかい【衣帯不解】
あることに非常に専念すること。衣服を着替えることもせず、不眠不休で仕事に熱中すること。▽「衣帯」は着物と帯。「衣帯いたい解とかず」と訓読する。また、「不解衣帯ふかいいたい」ともいう。
いっかくせんきん【一攫千金】
一度にたやすく大きな利益を手に入れること。一つの仕事で巨利を得ること。▽「一攫」は一つかみの意。「攫」を「獲」と書くのは本来は誤用。「千金」は大金の意。非常に高価、貴重なことのたとえ。
いっきのこう【一簣之功】
仕事をやり遂げるための最後のひとふんばり。また、仕事を遂行するために積み重ねる一つ一つの努力。
いっしゃせんり【一瀉千里】
流れのきわめて速い形容。転じて、文章や弁舌などが巧みでよどみのないことのたとえ。また、物事が一気にはかどることのたとえ。物事が調子よく速やかに進み片付くたとえ。▽「瀉」は水が下に流れ注ぐ意。勢いよく流れ下ること。水が一気に千里もの距離を流れ下る意。
いっせいちだい【一世一代】
一生のうちにたった一度のこと。一生に二度とないような重大なこと。また、ふだんと違い際立ったことをすること。もと役者などが引退するとき、演じ納めとして最後に得意の芸を演ずることをいう。▽「一世」「一代」はともに人の一生をいう。「世」は「せい」とも読む。
いっとうさんらい【一刀三礼】
仏像などを彫る態度が敬虔けいけんであること。仏像を彫刻するとき、ひと彫りごとに三度礼拝する意から。▽仏教語。「一刀」はひとたび刀を入れる、「礼」は礼拝する意。写経では「一字三礼」、仏画では「一筆三礼」という。
えんかのこま【轅下之駒】
まだ荷を引く力がないウマの意から、他人に束縛されて自由がきかなく苦しむこと。また、力不足で仕事が処理できないこと。
がんぶつそうし【玩物喪志】
無用なものを過度に愛玩して、本来の志を見失ってしまう意で、枝葉末節なことにこだわり、真に学ぶべきことや学問の本質を見失うこと。また、自分の好みで、珍しいものなどを過度に愛好して正しい心を失うこと。▽「玩」はもてあそぶ、むさぼる意。「喪」は失う意。「物ものを玩もてあそべば志こころざしを喪うしなう」と訓読する。
きゅうりゅうゆうたい【急流勇退】
官職などをいさぎよく、きっぱりと辞めること。船が急流中で勇敢にさっと引き返すように、仕事の調子のいいうちに、機を見て辞職する意から。▽「勇退」は勇敢に退くこと。また、思い切りよく地位を退くこと。