いっこけいせい【一顧傾城】
美女がちらりと流し目をおくるだけで、一つの町を支配する男が夢中になって我を忘れ、町が滅んでしまうという意から、絶世の美女のたとえ。
いんすいしげん【飲水思源】
物事の基本を忘れないという戒めの語。また、他人から受けた恩を忘れてはいけないという戒めの語。水を飲むとき、その水源のことを思う意から。▽「思源」は源のことを考える意。「水みずを飲のみて源みなもとを思おもう」と訓読する。
こししゅきゅう【狐死首丘】
故郷を忘れないことのたとえ。また、物事の根本を忘れないことのたとえ。
じうはんぽ【慈烏反哺】
子が親の恩に報いて孝養を尽くすこと。親孝行のたとえ。情け深いからすが幼いときの恩を忘れず、老いた親に口移しで餌えさを与える意から。▽「慈烏」はからすの異称。からすは、幼いとき親が口移しで餌を与えてくれた恩を忘れず、成長すると親に餌を与えてその恩を返すという。「哺」は口中の食物のこと。
ぞうじてんぱい【造次顚沛】
一瞬でも怠りなく努めること。また、わずかな時間のこと。とっさの場合。突然の一瞬。君子は、つまずいて転ぶようなわずかな時間でも、仁の道を忘れることはないという意から。
とくぎょぼうせん【得魚忘筌】
魚を捕ってしまうと、その道具の筌やなのことなど忘れてしまうということ。転じて、目的を達すると、それまでに役立ったものを忘れてしまうことのたとえ。▽「筌」は水中に沈めて魚を捕る竹かごのこと。一般に「魚うおを得えて筌せんを忘わする」と訓読を用いる。
どくしょざんまい【読書三昧】
一日中、ひたすら書物を読むことにひたりきるさま。一心に読書をすること。▽「三昧」はそのことに夢中になって他をかえりみないこと。
ぼうぜんじしつ【茫然自失】
あっけにとられたり、あきれ果てたりして、我を忘れること。気が抜けてぼんやりとしてしまうこと。▽「茫然」はあっけにとられるさま。ぼんやりと気抜けするさま。「自失」は我を忘れてぼんやりとすること。「茫」は「呆」とも書く。
むがむちゅう【無我夢中】
ある事にすっかり心を奪われて、我を忘れてしまうさま。▽「無我」はもと仏教語。自分に捕らわれる心を超越した心。そこから自分を忘れる意。「夢中」は物事にすっかり熱中して、他のことを考えられない状態。
わこんようさい【和魂洋才】
日本固有の精神を失わずに、西洋からのすぐれた学問・知識を摂取し、活用すべきであるということ。▽「和魂」は日本固有の精神のこと。「洋才」は西洋の学問に関する才能や知識のこと。「和魂漢才」の類推から生まれた語。