いちじょういちげ【一上一下】
あるいは上り、あるいは下ること。上げたり、下げたりすること。転じて、その場に応じて適切に処理するたとえ。▽「一…一…」は「あるいは…し、あるいは…する」の意。もと宇宙の精気が絶えず循環運行し、少しも停滞しないことをたとえた語。
いっさいがっさい【一切合切】
なにもかもすべての意。▽「一切」「合切」はともに全部、残らずみなの意で、同意の語を重ねて、「一切」の意味を強めたもの。「切」は「財」とも書く。
いっせつたしょう【一殺多生】
一人の悪人を犠牲にして、多数の者を救い生かすこと。多くの人を生かすには、一人を殺すのもやむを得ないということ。▽仏教語。「多生」はたくさんの人を生かすこと。「殺」は「さつ」とも読む。
じょうこしゃそ【城狐社鼠】
君主や権力者のかげに隠れて、悪事を働く者のたとえ。城や社という安全なところに巣くって、悪さをするきつねやねずみの意から。▽「城狐」は城に棲すむきつね。「社」は土地神を祭るやしろ。「社鼠城狐しゃそじょうこ」ともいう。
たんだいしんしょう【胆大心小】
大胆でいて、しかも細かな注意を払うさま。▽「胆」は度胸。「心」は気くばりのこと。
なんばんほくてき【南蛮北狄】
昔の中国人が、異民族をさげすんで称した語。▽「蛮」「狄」はともに、異民族に対する蔑称べっしょう。「南蛮」は南方の未開民族のこと。「蛮」は文明を知らぬ民族の意。「北狄」は北方の異民族のこと。「狄」は追い払うべきえびすの意。この二者で広く異民族を代表する。
にそくさんもん【二束三文】
売値が非常に安いこと。いくら売っても、もうけが出ないほどの安値で売ること。投げ売り。▽昔、金剛草履(藁わらや藺いなどで作られた大形で丈夫な草履)は、二足でわずか三文の値段で売られていたことから。「束」は「足」とも書く。
ねんぶつざんまい【念仏三昧】
心を静かにして、一心に仏を思い浮かべること。また、それによって得られる心の安らぎ。さらに、ひたすら念仏(南無阿弥陀仏なむあみだぶつ)を唱え、それにより雑念妄想を取り払うこと。▽仏教語。「念仏」は、仏を思い浮かべること。また、南無阿弥陀仏を唱えて、阿弥陀仏を思うこと。「三昧」は、何かに集中することによって、心が安定し動かされないこと。
もくよくじょこん【沐浴抒溷】
髪やからだを洗って身を清め、自らについた汚れを取り払うこと。神聖な儀式などを行うときなどに、湯あみしてからだを清めること。▽「沐浴」は湯水を使って、からだを洗い清めること。「抒溷」は汚れを取り除くこと。「抒」はすくい出す意。また、除く意。「溷」は汚れの意。