いっきかせい【一気呵成】
ひと息に文章を完成すること。また、物事を中断せずに、ひと息に仕上げること。▽「呵」は息を吹きかけること。「呵成」は息を吹きかけるだけで完成する、また、凍った筆に息を吹きかけ一気に書き上げる意ともいう。
いっしゃせんり【一瀉千里】
流れのきわめて速い形容。転じて、文章や弁舌などが巧みでよどみのないことのたとえ。また、物事が一気にはかどることのたとえ。物事が調子よく速やかに進み片付くたとえ。▽「瀉」は水が下に流れ注ぐ意。勢いよく流れ下ること。水が一気に千里もの距離を流れ下る意。
いっしょうさんたん【一唱三歎】
すばらしい詩文を賞賛する語。詩歌を一度詠み上げる間に、何度も感嘆する意から。▽「三」は何度もの意。「歎」は感じ入ってため息をつく、感心して褒めあげること。もとは先祖のみたまやである宗廟そうびょうの祭祀さいしで音楽を奏するとき、一人が唱うたえば、三人がこれに和して唱ったことをいった。「唱」は「倡」、「歎」は「嘆」とも書く。
いってんいっかく【一点一画】
漢字の一つの点、一つの筆画。細かいところに気を配り、丁寧に文字を書くことをいう。
えんぶしゅうぶん【偃武修文】
戦いをやめ、文教によって平穏な世の中を築くこと。▽「偃武」は武器を伏せかたづける意。戦いをやめること。「偃」は伏せる意。「修文」は文徳を修めること。学問を修めること。「武ぶを偃ふせ文ぶんを修おさむ」と訓読する。
かきょあっかん【科挙圧巻】
試験で最もすぐれた成績を収めること。▽「科挙」は中国の隋ずい代に制度として確立した官吏登用試験のこと。科目で人材を挙げ用いる意。「圧巻」は最優秀の答案(巻)を他の答案の上に載せたことから出た語で、最もすぐれたものが一番上にあって、他のすべての答案を圧すること。書物や演劇などの中で最もすぐれた部分、また、詩文などで多くの作品中最もすぐれたものをいう。「巻」は答案用紙の意。
がりょうてんせい【画竜点睛】
物事を完成するために、最後に加える大切な仕上げのたとえ。また、物事の最も肝要なところのたとえ。文章や話などで肝心なところに手を入れて、全体をいっそう引き立てるたとえ。▽「睛」はひとみ・目玉。転じて、物事の大切なところの意。一般には「画竜点睛を欠く」と用いることが多く、この場合は最後の仕上げが不十分で、肝心なところが欠けているため精彩がないことをいう。「竜りょうを画えがいて睛ひとみを点ず」と訓読する。「竜」は「りゅう」とも読む。
きしょうてんけつ【起承転結】
漢詩の四句からなる絶句における構成法の一つ。八句からなる律詩においても二句ずつまとめて絶句に準じる。第一句(起句)でうたい起こし、第二句(承句)でこれを受けて発展させ、第三句(転句)で場面や視点を転じ、第四句(結句)でこれらを受けつつ全体をしめくくる。また、文章や話などで全体を秩序正しくまとめる構成の意として用いられる。さらに広く物事の順序、展開のしかた、構想にも用いられる。
きっくつごうが【佶屈聱牙】
文章がごつごつして堅苦しくわかりにくいさま。▽「佶屈」は折れ曲がるさま。またとどこおりつまって進まないさま。「聱牙」は話などがごつごつして理解できないさま。「聱」は言葉が耳に入らないこと。「牙」は歯がかみ合わないこと。
ぎゃくしゅじゅんしゅ【逆取順守】
道理にそむいた方法で天下を取り、それを道理にかなった方法で守ること。奪い取る時には正道に反して武力を用い、それを守るには正しい道、すなわち文事によること。▽もと殷いんの湯王とうおうや周の武王ぶおうが、武力で天下を奪いとり、それを守るのに正道に則のっとりよい政治を行ったことをいう。