しゅんぷうたいとう【春風駘蕩】
春の景色ののどかなさま。春風がそよそよと気持ちよく吹くさま。また、温和でのんびりとした人柄のたとえ。▽「駘蕩」は春ののどかなさま。のびのびしたさま。
せいきんりょうぎょく【精金良玉】
性格が穏やかで純粋なたとえ。すぐれた金属と立派な玉の意から。▽「精金」は混じり気のない金属。「良玉」は美しい玉。「良玉精金りょうぎょくせいきん」ともいう。北宋ほくそうの学者であった程顥ていこうの人柄が、温和で純粋であることを言った言葉。
だじょういっぺん【打成一片】
一切のことを忘れてある事柄に徹底すること。▽仏教語。禅宗で、座禅に没頭すること。座禅によって実現するすべてが一体となった悟りの境地。「打」は強意の助字で、「た」とも読む。
ちきほうゆう【知己朋友】
よく自分のことを知ってくれている友人のこと。また、よく待遇してくれる人。▽「知己」は自分の人柄・才能をよく知ってくれている人。親友の意。「己」はおのれ。「朋友」は友達、友人のこと。
てんばつてきめん【天罰覿面】
行為の結果がたちどころに現れること。悪事を働くと、その報いとしてすぐさま天が罰を下すこと。▽「天罰」は天の下す罰。「覿面」は、ある事柄の効果や報いが目まの当たりにすぐ現れることをいう。
はいぐんのしょう【敗軍之将】
戦いに敗れた将軍のこと。物事に失敗した人の場合にもいう。▽「敗軍の将は兵を語らず」の形で用いられることが多い。戦いに敗れた将軍は、兵法について語ってはいけないという意。いさぎよく負けを認めて、あれこれ弁解してはならず、また、失敗した事柄について意見をしてはいけないという意。
むげいたいしょく【無芸大食】
特技や取り柄がないにもかかわらず、食べることだけは人並みであること。また、そのような人をさげすんでいう語。自分のことを謙遜けんそんしていう場合にも用いられる。▽「無芸」は芸や特技を何も身につけていないこと。「大食」はたくさん食べる人。大食い。
むじゅんどうちゃく【矛盾撞着】
二つの事柄が論理的に食い違って、つじつまが合わないこと。▽「矛盾」は同一人物の言動が一貫していないこと。食い違っていること。「撞着」も「矛盾」と同義。「盾」は「楯」、「着」は「著」とも書く。「矛盾」については「中国戦国時代、楚そ国で矛ほこと盾たてを売っていた商人が、矛を売るときには、この矛はどんな堅固な盾も突き破るほど鋭いと言い、盾を売るときにはこの盾はどんな鋭利な矛でも破れないと言ったところ、聞いていた人に、それではその矛でその盾を突いたらいったいどうなるのかと聞かれ、商人は返答に困った」という故事(『韓非子かんぴし』難なん一)がある。
らんここうしん【覧古考新】
古い事柄を顧みて、新しい問題を考察すること。▽「覧古」は古い物事を深く思うこと。「古」は「故」とも書く。「古ふるきを覧み、新あたらしきを考かんがえる」と訓読する。
らんざつむしょう【乱雑無章】
物や事柄がばらばらのまま整理されていないこと。無秩序のまま放置されていること。▽「無章」は筋道が立たないこと。「章」は筋道・秩序の意。「乱雑らんざつにして章しょう無なし」と訓読する。