ほうほんはんし【報本反始】
天地や祖先などの恩に報いること。人が天地や祖先など、存在の根本に感謝し報い、発生のはじめに思いを致すこと。▽「本もとに報むくい始はじめに反かえる」と訓読する。
ほしゃそうい【輔車相依】
両者が互いにもちつもたれつの関係にあるたとえ。利害関係が深いことのたとえ。頬骨ほおぼねと下あごの骨が互いに頼り合っている意から。▽「輔車」は頬骨と下あごの骨の意。一説に、車輪の添え木と車輪。この両者は互いに助け合って動くものであることからいう。一般に「輔車ほしゃ相依あいよる」と訓読を用いる。
ぼうぶんせいぎ【望文生義】
文字の字面を見ただけで意味を深く考えず、前後の文章から見当をつけて、文章や語句の意味を勝手に解釈すること。▽「文」は文字・字面。「義」は意味。「文ぶんを望のぞみて義ぎを生しょうず」と訓読する。
ませんてっけん【磨穿鉄硯】
強い意志をもち続け、物事を達成するまで変えないこと。また、学問にたゆまず励むたとえ。鉄でできている硯すずりをすり減らして、穴をあけるほど勉強するという意から。▽「磨」は磨滅させる、すり減らす意。「穿」はうがつ、穴をあける意。「鉄硯てっけんを磨穿ませんす」と訓読する。「鉄硯磨穿てっけんません」ともいう。
まちょうほうしょう【摩頂放踵】
頭の先から足のかかとまですり減らすほど、自分を顧みず、他人のために努力すること。孟子もうしが墨子ぼくしを評した語。▽「摩」はすり減らす意。「頂」は頭のこと。「放」はいたる、とどく意。「頂いただきを摩まして踵くびすに放いたる」と訓読する。
みつうんふう【密雲不雨】
兆候はあるのに、依然として事が起こらないことのたとえ。雨雲で覆われているにもかかわらず、まだ雨が降らない意から。▽「密雲」は空いっぱいに厚い雲が重なっている様子。「不雨」は雨がまだ降ってきていない意。「密雲みつうん雨あめふらず」と訓読する。
むざんむき【無慙無愧】
悪事を働いても、それを恥じることなく平気でいること。▽仏教語。「無慙」は自分の犯した罪を、仏の教えを破りながらもそれを恥じない心。「無愧」は自分の罪を他人に対して恥じない心のこと。「慙はじること無なく愧はじること無なし」と訓読する。「慙」は「残」とも書く。
めいきるこつ【銘肌鏤骨】
深く心にきざみつけて忘れないこと。肌にきざみつけ、骨に彫り込む意から。▽「銘肌」は肌にきざみ込むこと。「鏤骨」は骨にきざみ込むこと。「肌はだに銘めいじ骨ほねに鏤きざむ」と訓読する。
やせんこうじょう【野戦攻城】
野外で戦い、城を攻めること。▽「野戦」は野原で戦うこと。一般に野外で戦闘すること。「攻城」は城を攻めること。「野やに戦たたかい城しろを攻せむ」と訓読する。「攻城野戦こうじょうやせん」ともいう。
ようきゅうすいちょう【羊裘垂釣】
羊のかわごろもを身につけ、釣り糸をたれること。隠者の形容。▽「裘」はかわごろも、「釣」は釣り針の意。「羊裘ようきゅう釣ちょうを垂たる」と訓読する。