いちぎゅうめいち【一牛鳴地】
一頭の牛の鳴く声が聞こえる土地の意から、非常に近い距離のたとえ。また、のどかな田園風景の表現。
かんりとうえき【冠履倒易】
人の地位や立場、また、物事の価値が上下逆さまで秩序が乱れているさま。本来頭にかぶるべき冠かんむりを足につけ、足にはくべき履くつを頭にかぶる意から。▽「倒」は逆さまになる意。「易」はかわる、入れかわる意。
きみょうちょうらい【帰命頂礼】
地に頭をつけて礼拝し、深く帰依きえの情をあらわすこと。心から仏に帰依すること。▽仏教語。「帰命」は仏の教えを深く信じ、身命を投げ出して帰依し従う厚い信心のこと。身命をささげて仏・法・僧の三法に帰依すること。「南無なむ」とほぼ同意。「頂礼」は頭を地につけてする礼。頭を地につけ尊者の足下を拝する。「五体投地ごたいとうち」ともいい、古代インドの最高の敬礼。
さんぱいきゅうはい【三拝九拝】
何度も頭を下げること。何度も頭を下げて敬意や謝意を表すこと。また、手紙の末尾に記して敬意を表す語。▽「拝」は拝礼すること。
ずかんそくねつ【頭寒足熱】
頭部を冷たく冷やし、足部を暖かくすること。また、その状態。▽「頭寒」は頭部を冷やすこと。「足熱」は足を暖める意。このようにすると健康によいとされる。
そっせんすいはん【率先垂範】
人の先頭に立って物事を行い、模範を示すこと。▽「率先」は先んじる、人の先頭に立つ意。「垂範」は模範を示すこと。
にょぜがもん【如是我聞】
仏典の冒頭に置かれる語。「このように私は聞きました」という意味。仏の説であることを示すために、釈迦しゃかが弟子の阿難に経典きょうてんの冒頭に冠させたといわれる。▽仏教語。「如是」はこのようにの意。「我聞」はそれを聞いたこと。「是かくの如ごとくを我われは聞きけり」と訓読する。「我聞如是がもんにょぜ」ともいう。
へいしんていとう【平身低頭】
ひたすら恐縮すること。また、ひたすらあやまる形容。からだをかがめ頭を低く下げて、恐れ入る意から。▽「平身」はからだをかがめること。「低頭」は頭を低く下げること。「低頭平身ていとうへいしん」ともいう。
まちょうほうしょう【摩頂放踵】
頭の先から足のかかとまですり減らすほど、自分を顧みず、他人のために努力すること。孟子もうしが墨子ぼくしを評した語。▽「摩」はすり減らす意。「頂」は頭のこと。「放」はいたる、とどく意。「頂いただきを摩まして踵くびすに放いたる」と訓読する。
ようとうくにく【羊頭狗肉】
見かけや表面と、実際・実質とが一致しないたとえ。良品に見せかけたり、宣伝は立派だが、実際には粗悪な品を売るたとえ。羊の頭を看板にかけながら、実際は犬の肉を売る意から。▽「狗」は犬。「羊頭を懸かけて狗肉を売る」の略。