てんねんしぜん【天然自然】
人間が手を加えないで、物事がそのまま存在する状態を表す語。天がつくった、そのままであること。また、ひとりでに物事が起こること。▽「天然」も「自然」も、人為の加わらない、あるがままの意で、二つを重ねて強調している。「自然天然しぜんてんねん」ともいう。
てんりじんよく【天理人欲】
天地自然の条理と人の欲望。人間の心の中に本性として存在する天の道理と、心が外からの影響を受けて生じる感情や欲望。▽「天理」は人為ではない万物の正しい道理。万物の調和を保つ条理。また、人間も含めて万物の本性。「人欲」は、心が外界に触発されて生じる動き。人の本性を覆い隠すもの。
とういそくみょう【当意即妙】
即座に、場に適かなった機転を利かせること。気が利いていること。また、そのさま。▽「当意」はその場に応じて、素早く適切な対応をとったり工夫したりすること。仏教語の「当位即妙」(何事もそのままで真理や悟りに適っていること。また、その場の軽妙な適応)から。
とうりせいけい【桃李成蹊】
桃やスモモの木の下には、実の美味しさに惹ひかれて集まって来る人たちによって自然に道ができてしまうように、高徳な人のまわりには自然に人が集まって来るということ。
どごうれっしん【土豪劣紳】
思いのままに人民から搾取する、残酷な地方豪族・地方地主のこと。▽「土豪」は地方の豪族。「劣紳」は卑劣な紳士の意で、地方地主などを卑しめていう語。
にょじつちけん【如実知見】
仏語。現実をありのままに見抜くこと。
にょぜがもん【如是我聞】
仏典の冒頭に置かれる語。「このように私は聞きました」という意味。仏の説であることを示すために、釈迦しゃかが弟子の阿難に経典きょうてんの冒頭に冠させたといわれる。▽仏教語。「如是」はこのようにの意。「我聞」はそれを聞いたこと。「是かくの如ごとくを我われは聞きけり」と訓読する。「我聞如是がもんにょぜ」ともいう。
ふぎょうのかん【俯仰之間】
わずかな時間のこと。つかのま。
へんげんじざい【変幻自在】
現れたり消えたり変化したりが、自由自在であるさま。思いのままに変化するさま。また、変わり身が早いさまにも用いる。▽「変幻」は幻のように素早く現れたり消えたりすること。
ほんりょうあんど【本領安堵】
鎌倉・室町時代に、幕府や領主が、忠誠を誓った家臣に対して、その者の領地の所有を保証した制度。