いんじゅんこそく【因循姑息】
古い習慣ややり方にとらわれて改めようとせず、その場しのぎに終始するさま。▽「因循」は因より循したがう意から、しきたりにとらわれて改めようとしないこと。「姑息」は姑しばらく息をつく意から、一時の間に合わせのこと。
えんまんりゅうらん【衍曼流爛】
はびこり広がること。多く悪などがはびこることにいう。▽「衍曼」は限りなく広がりはびこるさま。蔓延まんえんするさま。「流爛」は布しき散る、散り散りにはびこる意。「曼」は「漫」とも書く。
おうせつふか【応接不暇】
非常に多忙なことの形容。物事が後から後から起こって対応しきれないこと。また、忙しくて一人一人に対応できないこと。▽一般に「応接おうせつに暇いとまあらず」と訓読を用いる。
おんこちしん【温故知新】
前に学んだことや昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、新たな道理や知識を見い出し自分のものとすること。古いものをたずね求めて新しい事柄を知る意から。▽「温」はたずね求める意。一説に、冷たいものをあたため直し味わう意とも。「故ふるきを温たずねて新あたらしきを知しる」または「故ふるきを温あたためて新あたらしきを知しる」と訓読する。
おんじゅうとんこう【温柔敦厚】
穏やかでやさしく、情が深いこと。もと、孔子が儒教の基本的な古典で、中国最古の詩集である『詩経しきょう』の教化の力を評した語。『詩経』の詩篇は古代の純朴な民情が素直に歌われたもので、人を感動させ、教化する力をもっていると説いたもの。▽「温柔」は穏やかで柔和なこと。「敦厚」はねんごろで人情深いこと。
かいりきらんしん【怪力乱神】
奇怪なこと、力わざのこと、秩序を乱すようなこと、神秘的なこと。また、怪しく不思議で人知ではかり知れないもののこと。▽「怪」は奇怪なこと、不思議なこと。「力」は武勇伝や暴力のこと。「乱」は道徳に反すること。「神」は鬼神、普通の人が認知できない神霊・霊魂のこと。「力」は「りょく」とも読む。
きこうくほ【規行矩歩】
心や行動がきちんとして正しいこと。品行方正なこと。また、古いしきたりや決まりごとにとらわれて融通のきかないこと。歩き方がきちんとした法則にかなっている意から。
きゅうたいいぜん【旧態依然】
昔のままで少しも進歩や発展がないさま。▽「旧態」は昔からの状態、ありさま。「依然」は前と変わらないさま。もとのとおりのさま。
きゅうとうぼくしゅ【旧套墨守】
古いしきたりや方法などを固く守ること。また、古いしきたりなどにとらわれて融通のきかないこと。▽「旧套」は古いしきたりや形式・方法。また、ありきたりのやりかた。「墨守」は固く守ること。
きんいぎょくしょく【錦衣玉食】
ぜいたくな暮らしをするたとえ。また、富貴な身分のたとえ。錦にしきのような美しい着物と珠玉のような上等な食べ物の意から。