がしん-しょうたん【臥薪嘗胆】
将来の成功を期して
苦労に耐えること。薪の上に寝て苦いきもをなめる意から。▽「臥」はふし寝る意。「薪」はたきぎ。「嘗」はなめること。「胆」は苦いきも。もとは
敗戦の恥をすすぎ仇
あだを討とうと、
労苦を
自身に課して
苦労を重ねること。
- 出典
- 『史記しき』越世家えつせいか、『十八史略じゅうはっしりゃく』春秋戦国しゅんじゅうせんごく
- 句例
- 臥薪嘗胆の努力の結果、合格する
- 用例
- さて、臥薪嘗胆も大げさすぎるが、やけのやんぱちを宥なだめすかし、霞かすみをへだてて目をこらすうち、あるときはたと思いついた。<安部公房・榎本武揚>
- 類語
- 越王之胆 坐薪懸胆
- 活用形
- 〈―スル〉
- 故事
- 中国春秋時代、呉王夫差ふさが、父の仇である越王勾践こうせんを討つために薪の上に寝て復讐心ふくしゅうしんをかきたて、長い艱難かんなんの末にこれを破った。一方、会稽かいけい山で夫差に敗れた勾践は、苦い胆を寝所に掛けておき、寝起きのたびにこれをなめてその恥を忘れまいとし、のちに夫差を滅ぼしたという故事から。「臥薪」「嘗胆」ともに越王勾践の故事とする説もある。