いかんそくたい【衣冠束帯】
天皇以下、公家くげの正装。昔の貴族や高級官僚の正装。▽「衣冠」「束帯」はともに貴族の装束。「束帯」は衣を束ね、整える帯の意。転じて、朝廷での公事・儀式などでの正装。「衣冠」は束帯に次ぐもので、その略装。
いきんかんきょう【衣錦還郷】
きらびやかな衣服を着て故郷に帰ることから、立身出世して、故郷へ帰ることのたとえ。
いはつそうでん【衣鉢相伝】
教法や奥義を伝え継承すること。弟子が師の教えを受け継ぎ伝えること。今では広く先人の事業や業績を継ぐことにもいう。▽もと仏教語。「衣鉢」は三衣さんねと一鉢で、「衣」は袈裟けさ、「鉢」は托鉢たくはつのとき施し物を受ける鉢のこと。師から教えを受けるとき、この法具を用いることから、転じて奥義、師から伝えられた教えの意。「相伝」は受け伝えること。「衣鉢」は「いはち」「えはつ」とも読む。
そいそしょく【粗衣粗食】
質素な暮らし、貧しい生活の形容。▽「粗」は粗末、質のよくないこと。「衣」「食」は生活の基本。「粗」は「麁」とも書く。
ちょういちょうかん【朝衣朝冠】
朝廷に出仕するときに着る衣服やかんむり。▽君主や臣下の公式の服装のこと。礼服。「朝衣」が衣服、「朝冠」がかんむり。
ばぎゅうきんきょ【馬牛襟裾】
学識のない者、礼儀知らずな者をののしっていう語。馬や牛が人の衣服を着たようなものという意から。▽「襟裾」はえりとすそ。転じて、衣服を着ること。
へいいはぼう【弊衣破帽】
破れてぼろぼろの衣服や帽子。身なりに気を使わず、粗野でむさくるしいこと。特に、旧制高校の学生が好んで身につけた蛮カラな服装。▽「弊衣」は傷み破れた衣服。「破帽」は破れてぼろぼろの帽子。「破帽弊衣はぼうへいい」ともいう。「弊」は「敝」とも書く。
へいいほうはつ【敝衣蓬髪】
破れてぼろぼろの衣服に、汚く乱れた頭髪。汚い格好。なりふりに構わないこと。▽「敝衣」は傷み破れた衣服。「蓬髪」はよもぎのように乱れた髪。「敝」は「弊」とも書く。
もくしょくじし【目食耳視】
見た目にとらわれ、味よりも外見が豪華な食べ物を選び、世間の評判を気にして衣服を選ぶこと。衣食の本来の意義を忘れて、ぜいたくな方向に流れていくこと。▽「目食」は口に合うかではなく、見た目が豪華なものを食べること。「耳視」は世間のうわさを気にかけて、自分に似合うかでなく、高価な衣服を着るということ。「目めもて食くらい耳みみもて視みる」と訓読する。「耳視目食じしもくしょく」ともいう。
りょうらきんしゅう【綾羅錦繍】
上質の素材を用い、刺繍を数多く施した美しい衣服。また、きらびやかな衣服を身につけること。▽「綾」はあや絹、「羅」は薄絹、「錦」はにしき、「繍」は刺繍をした織物で、いずれも高貴な人が着る美しい衣服のこと。