あと‐な・し【跡無し】

の解説

［形ク］

1. １ 跡形もない。はかない。

   1. 「しるべせよ—・き浪にこぐ舟のゆくへも知らぬやへの潮かぜ」〈新古今・恋一〉

1. ２ 人の往来がない。

   1. 「かよひこし宿の道芝かれがれに—・き霜にむすぼほれつつ」〈新古今・恋四〉

1. ３ 根拠がない。事実無根である。

   1. 「犬の足（ヲ切ッテ食ワセタ話）は—・きことなり」〈徒然・一二八〉

1. ４ 比べるものがないほどすぐれている。

   1. 「—・き俳優 (わざをぎ) 見るやうに」〈おらが春〉

出典：デジタル大辞泉（小学館）

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