いおり【庵/廬/菴】
1 草木や竹などを材料としてつくった質素な小屋。僧・隠者などが住む小さな住居や、農作業などの仮小屋。また、自分の家を謙遜していう。草庵(そうあん)。いお。くさのかりや。「—を結ぶ」 2 軍隊の一...
いおり‐かんばん【庵看板】
1 歌舞伎劇場前に掲げる看板。役者の名と家紋をかいた板の上部に屋根の形をつけたもの。最初は上方(かみがた)からの下り役者や臨時出演の役者に、のちには上級役者から作者にまで用いた。→一枚看板 →名...
いおり‐がた【庵形】
家の屋根の形をしたもの。紋所では両側に柱をそえる。
いおり‐さ・す【庵さす】
[動サ四]庵をつくる。庵を結ぶ。「—・す草の枕にともなひてささの露にも宿る月かな」〈山家集・下〉
いおり・す【庵す】
[動サ変]「いお(庵)る」に同じ。「玉藻(たまも)刈る処女(をとめ)を過ぎて夏草の野島が崎に—・す我は」〈万・三六〇六〉
いおり‐てん【庵点】
《庵形をしているところから》箇条書きの文書の頭、和歌・連歌・謡物や、連署する姓名などの肩につける「〽」「」などの記号。検閲・確認などの印とした。また、文章中で歌謡を引用する場合にも使われる。
いおりのうめ【庵梅/庵の梅】
狂言。庵主の老女を女たちが訪れて短冊を渡し、老女はそれを花盛りの梅の枝に下げ、酒宴を催して舞に興じる。
いおり‐もっこう【庵木瓜】
紋所の名。庵形の中に木瓜を描いたもの。工藤祐経(くどうすけつね)の紋として有名。いおりにもっこう。