いささ
[接頭]名詞に付いて、小さい、わずかな、ささやかな、などの意を表す。「—小川」
いささ‐おざさ【いささ小笹】
わずかばかりの笹。背の低い竹の意とする説もある。「後ろは山、前は野辺、—に風騒ぎ」〈平家・灌頂〉
いささ‐か【聊か/些か】
[形動][文][ナリ] 1 数量・程度の少ないさま。ほんの少し。わずか。「—な蓄えはある」「—なりともお役に立ちたい」 2 かりそめであるさま。ついちょっと。「—に思ひて来しを多祜(たこ)の浦...
いささか‐も【聊かも/些かも】
[連語] 1 (あとに打消しの語を伴って)少しも。全く。「—似ていない」「—反省の色が見えない」 2 ちょっとでも。「—人のけはひするところは、ただにも過ぎず」〈とりかへばや・一〉
いささ‐け・し【聊けし】
[形ク]わずかである。ほんの少しである。「日本(やまと)の諸(もろもろ)のいくさのきみども、—・き事によりて」〈雄略紀〉
いささけ‐わざ【聊け業】
わずかなこと。ちょっとしたこと。「なほしもえあらで、—せさす」〈土佐〉
いささ‐むらたけ【いささ群竹】
少しばかりの竹の茂みの意か。神聖な竹の茂みの意の「斎笹(いささ)」とする説もある。「わが屋戸の—吹く風の音のかそけきこの夕(ゆふへ)かも」〈万・四二九一〉
いささめ‐に
[副] 1 かりそめに。ちょっと。「—つけし思ひの煙こそ身をうき雲となりてはてけれ」〈篁物語〉 2 あからさまに。公然と。「鬱悒(いぶせ)く思へど、—告ぐべくもあらざれば」〈読・八犬伝・四〉