くく・む【銜む/含む】
[動マ五(四)] 1 口の中にふくむ。「例の—・んだような言語(ものいい)までが」〈二葉亭訳・夢かたり〉 2 表面に加えもつ。ふくむ。「緊笑(しめわら)いにも愛嬌を—・んで」〈二葉亭・浮雲〉 ...
くく・める【銜める/含める】
[動マ下一][文]くく・む[マ下二] 1 事情を言い聞かせて納得させる。いいふくめる。「博士は噛んで—・めるように言うのだったが」〈秋声・縮図〉 2 口にふくませる。「胸をあけて、乳など—・め給...
くぐも・る
[動ラ五(四)]《古くは「くくもる」》 1 声などが、中にこもる。はっきりしない。「音曲の音が—・るように聞こえて来たり」〈有島・或る女〉 2 口ごもる。「とがむべき口も—・り」〈色道大鏡・一四〉
くくり【括り】
1 ひもなどでくくること。 2 複数のものを一つの範疇にまとめること。ひとまとめ。枠。「すべての事故を業務上過失とする—には無理がある」「生活習慣病という—には入らない」 3 最後のまとめ。しめ...
くくり‐あ・げる【括り上げる】
[動ガ下一][文]くくりあ・ぐ[ガ下二]しっかりと縛って、ずり落ちないようにする。また、きつく縛りつけて、動かないようにする。「祭り半纏(ばんてん)の袖をたすきで—・げる」
くくり‐あご【括り顎】
肉づきがよくて二重になったあご。「—の円い顔」〈荷風・あめりか物語〉
くくりお‐の‐はかま【括り緒の袴】
裾に通した緒で裾口をくくるようにした袴。指貫の古い形とされる。
くくり‐ざる【括り猿】
四角な布に綿を縫い込み、四隅を足として1か所に集めてくくり、頭をつけて猿の形に作ったもの。江戸時代に流行し、幟猿(のぼりざる)に用いた。また、遊郭などで客の足止めをするまじないにした。
くくり‐ずきん【括り頭巾】
頭の形に合わせて丸く作り、へりをしぼった頭巾。大黒頭巾。「—で野暮(やぼ)めが𠮟(しか)るやつさ」〈黄・高漫斎〉
くくり‐そで【括り袖】
綿を入れてふっくらと縫った袖口。「互ひに心懸け袖の、縁に縒(よ)り糸—」〈浄・薩摩歌〉