こき‐し
[副]《「こき」は「こきだ」の「こき」と同語源、「し」は「けだし」などの「し」と同じ副詞語尾》数量の多いさま。たくさん。「立ちそばの実の無けくを—ひゑね」〈記・中・歌謡〉
こき‐し・く【扱き敷く】
[動カ四]しごき落として敷き並べる。「秋風の吹き—・ける花の庭清き月夜に見れど飽かぬかも」〈万・四四五三〉
こきしゅんぷう【古稀春風】
富安風生の第9句集。昭和32年(1957)刊行。
こき‐た・る【扱き垂る】
[動ラ下二]しごき落として垂らす。また、しごき落としたように垂れる。「明けぬとて帰る道には—・れて雨も涙も降りそぼちつつ」〈古今・恋三〉
こき‐だ
[副]数量の多いさま。たくさん。「いちさかき実の多けくを—ひゑね」〈記・中・歌謡〉
こきだ‐く
[副]程度のはなはだしいさま。ひどく。「三笠山野辺行く道は—もしげく荒れたるか久にあらなくに」〈万・二三二〉
こき‐だけ【扱き竹】
⇒扱き箸(ばし)
こき‐ちら・す【扱き散らす】
[動サ四]しごき落として散らす。「花紅葉を—・したると見ゆる上の衣(きぬ)の」〈源・澪標〉
こき‐つか・う【扱き使う】
[動ワ五(ハ四)]人を、手心を加えずに激しく使う。「従業員を—・う」
こ‐ぎてん【小機転/小気転】
《「こきてん」とも》ちょっとした機転。目先の機転。「容貌も醜からず—も利きそうな女」〈露伴・いさなとり〉