よ‐づかわ・し【世付かはし】
[形シク]《動詞「よづ(世付)く」の形容詞化》男女の情に通じているようである。「—・しう軽々しき名の立ち給ふべきを」〈源・夕霧〉
世(よ)に旧(ふ)・る
1 世の中に長くあって古びる。世間で珍しくなくなる。「御前に雪の山つくられたりし、—・りたる事なれど」〈源・朝顔〉 2 結婚歴がある。「ただ人、はたあやしき女、—・りたるなど」〈源・蜻蛉〉
よ‐はだ【夜肌】
夜の肌。夜、肌に感じること。「一人寝の—の寒さ知りそめて昔の人も今ぞ恋しき」〈古今六帖・五〉
よみ‐か・ける【読(み)掛ける】
[動カ下一][文]よみか・く[カ下二] 1 読みはじめる。また、途中まで読む。「—・けたらおもしろくてやめられない」「—・けたまま外出する」 2 (ふつう「詠み掛ける」と書く)歌を詠んで、その返...
よ‐も【四方】
1 東西南北、また、前後左右の四つの方向。しほう。「—を見回す」「—の山々」 2 あちらこちら。また、いたる所。「美しきすみれの花束、きらきらと光りて、—に散りぼうを」〈鴎外・うたかたの記〉
よもぎ‐が‐そま【蓬が杣】
ヨモギが生い茂って杣山(そまやま)のようになった所。また、自分の家をへりくだっていう語。「鳴けや鳴け—のきりぎりす過ぎゆく秋はげにぞ悲しき」〈後拾遺・秋上〉
より・いる【寄り居る】
[動ア上一][文]より・ゐる[ワ上一] 1 物によりかかって座る。「頰杖(つらづゑ)つきてしばし—・ゐ給へり」〈落窪・一〉 2 近く寄り添って座る。「親しき者、老いたる母など枕上に—・ゐて」〈徒...
よる‐べ【寄る辺/寄る方】
頼みとして身を寄せるところや人。また、頼みとする配偶者。「—のない老人」「我が身の—と頼まむに、いと頼もしき人なり」〈源・玉鬘〉
よろい‐ひたたれ【鎧直垂】
軍陣に際して、鎧の下に着る直垂。錦(にしき)・綾・平絹などで仕立て、袖細で袖口と袴(はかま)の裾口に括(くく)り緒を通したもの。平安末期から中世に用いられた。ひたたれ。
よろこぼ・う【喜ぼふ】
[動ハ四]《動詞「よろこぶ」の未然形「よろこば」に反復継続の助動詞「ふ」の付いた「よろこばふ」の音変化》しきりによろこぶ。「—・ひて、思ひけらしとぞ言ひ居(を)りける」〈伊勢・一四〉