くち‐ばや・し【口早し/口速し】
[形ク]口のきき方がはやい。本などの読み方がはやい。歌などの受け答えがはやい。「極めて—・くして、人の一巻を誦(じゅ)する程に、二、三部をぞ誦しける」〈今昔・一七・四一〉
こころ・する【心する】
[動サ変][文]こころ・す[サ変] 1 十分に気を配って注意する。「過ちのないように—・する」→心して 2 その気持ちになる。心積もりする。「仲頼、行正、今日を—・しける琴を調べあはせて、二なく...
かん‐じゃ【冠者】
1 元服して冠をつけた少年。転じて、若者。若輩。かじゃ。「その—しかるべき所に宮仕へしける程に」〈今昔・二九・一一〉 2 六位で無官の人。「匡房卿はいまだ無官にて、江—とてありけるを」〈十訓抄・...
くい‐つ・める【食(い)詰める】
[動マ下一][文]くひつ・む[マ下二] 1 借金・不品行などのために暮らしが立たなくなる。「—・めて夜逃げをする」 2 歯を食いしばる。かみしめる。「いつとなく歯を—・めて怒りておはしけるには」...
肝(きも)を消(け)・す
1 「肝を潰(つぶ)す」に同じ。「—・して周章(あわ)てて逃出そうとすると」〈魯庵・破垣〉 2 苦心する。心を尽くす。「心をくだき、—・しけるところに」〈太平記・一一〉
ぐう・する【寓する】
[動サ変][文]ぐう・す[サ変] 1 仮住まいする。「波斯(ペルシヤ)の格曼沙(ケルマンシヤ)に—・しけるが」〈中村訳・西国立志編〉 2 他にかこつけて意味を持たせる。託する。「軽い賛称の意を—...
口(くち)を過(す)ご・す
1 生計を立てる。口を糊(のり)する。「親子四人の—・して行くばかりも容易でない」〈小杉天外・初すがた〉 2 余計なことをしゃべる。「弁説にまかせ—・しける乞食」〈咄・露がはなし・五〉
くく・す【括す】
[動サ四] 1 縛る。くくる。「女めを梯子に—・せ」〈伎・幼稚子敵討〉 2 くくり染めにする。「紅の鹿子結(かのこゆ)ひのその中に、村千鳥をここかしこに、色々に—・しける」〈仮・恨の介・下〉
こう‐じつ【口実】
1 言い逃れや言いがかりの材料。また、その言葉。「病気を—に欠席する」「—を与える」「—をさがす」 2 日ごろよく口にする言葉。言いぐさ。「朝暮の—として誦しける」〈今昔・一五・四三〉
ごさん‐なれ
[連語]《断定の助動詞「なり」の連用形「に」に、係助詞「こそ」、動詞「あり」の連体形、推定の助動詞「なり」の已然形「なれ」の付いた「にこそあるなれ」の音変化。近世中期以降「ござんなれ」とも》 1...