いな‐むしろ【稲筵】
[名] 1 稲のわらで編んだむしろ。「秋の田のかりねの床の—月宿れどもしける露かな」〈新古今・秋上〉 2 稲が実って倒れ伏したようす。また、そのように乱れたもののたとえ。「夕露の玉しく小田の—...
いぬ‐くい【犬食い】
《「いぬぐい」とも》 1 犬のように、うつむいてがつがつ食べること。また、食器を食卓や食膳に置いたまま物を食べること。品のよくない食べ方。 2 闘犬。犬合わせ。「朝夕好む事とては、—、田楽などを...
うい‐だち【初立ち】
1 幼児や鳥のひなが、初めて歩いたり飛んだりすること。「夏ばかり—すなるほととぎす巣には帰らぬ年はあらじな」〈宇津保・祭の使〉 2 久しぶりに外出すること。「内裏などにもあまり久しう参り侍らねば...
うすずみ‐ごろも【薄墨衣】
薄墨色に染めた衣服。多く喪服に用いる。「限りあれば—浅けれど涙ぞ袖を淵となしける」〈源・葵〉
うち‐ごろも【裏衣】
一般の僧の着る単(ひとえ)の法服。「那智ごもりの僧どもも、みな—の袖をぞぬらしける」〈平家・一〇〉
うち‐た・つ【打ち立つ】
[動タ四] 1 立っている。「小さき家の前に—・ちて」〈今昔・二九・一四〉 2 出発する。出かける。「卯の刻にすでに—・たんとしけるに」〈平家・六〉 3 熱中して打つ。賭(か)け事などに夢中に...
うち‐つ・ぐ【打ち継ぐ】
[動ガ四]あとに続く。引き続く。「大臣殿(おほいどの)に—・ぎ奉りては、この君ぞ幸ひおはしましける」〈落窪・四〉
うつつ‐な・し【現無し】
[形ク] 1 何かに気を取られて、ぼんやりしているさま。正体もない。「この心をも得ざらん人は、物狂ひともいへ、—・し情なしとも思へ」〈徒然・一一二〉 2 思慮分別のないさま。たわいない。「心ばへ...
うら‐な・し【心無し/裏無し】
[形ク] 1 心の内を包み隠さない。隔て心がない。「世のはかなき事も、—・く言ひ慰まむこそうれしかるべきに」〈徒然・一二〉 2 物事を深く考えない。うっかり安心している。「かかりけることもありけ...
えい‐り【贏利】
《「贏」は余りの意》もうけ。利益。利潤。利得。「其後貿易の業を為しけるが、その勤勉に因って—を得たり」〈中村訳・西国立志編〉